zames_makiのブログ

はてなダイアリーより移行

2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

遙かなる青い海(1971)海洋版世界残酷物語

=海洋版世界残酷物語、綺麗な自然映像と付け足しの物語、人間による自然破壊に肯定的、最後に核実験映像でるのはただの愛嬌であり、とても反核とは言えない原題:OCEANO (91分・35mm・カラー) 海中撮影のドキュメンタリー『青い大陸』(1954)や劇映画『…

相木悟の映画評ってやっぱ駄目だな(小さいおうち)

「小さいおうち」の素晴らしさ(弊1/25参照)に感動したが、それが嘘の上に立った戦争美化映画「永遠の0」と同じ構造だったので、「永遠の0」で批判した相木悟を思い出した。同じような映画をどう評価するかでその評者の傾向や力量がわかるからだ。 相木悟…

飼育(1961)醜い戦時下の日本人

105分 日本 配給:大宝 公開:1961/11/22 監督:大島渚 原作:大江健三郎「飼育」 脚本:田村孟 音楽:真鍋理一郎 感想 戦時下の醜い日本人の姿を黒人兵を触媒に描いたもの。多人数の場面はロングで撮られ誰が喋っているかわからず判りづらい面がある、登場…

短編映画研究会第137回

作曲家シリーズ[9] 間宮芳生・湯浅譲二・三木稔(計114分) 日時:2014年1月26日(日) 14:00〜16:10 場所:日比谷図書文化館 4F会議室 会費:500円(作品資料付き/映画は鑑賞無料) http://d.hatena.ne.jp/tancho/ 上映作品 間宮芳生 『風俗画 近世初期』196…

「明日、ママがいない」への里親の反応

日テレのドラマ「明日、ママがいない」が酷い。何らかの理由で親と暮らせない施設の子供を、里親から選べられるようになるため「かわいい芸」をするペットと描く。ドラマの焦点は彼らの真実ではなく、有名子役の顔見せと刺激的な愛憎表現による視聴率獲得だ…

地雷戦(1962)抗日映画

1962年 八一電影制片厂 制作 白黒/16mm/スタンダード/76分/日本語字幕スーパー 原題:地雷戦(The Warfare of Landmine) 言語:標準中国語 監督:唐英奇(タン・インチー)、徐達(シュィ・ダー)、呉健海(ウー・ヂエンハイ)脚本:柳其輝(リゥ・チーホィ)、屈…

雑誌『Intelligence』13号【目次】

◇特集:日米広報外交とアジアの情報戦◇ ・ナンシー・スノウ(訳:羽生浩一):真実は最良のプロパガンダ―エドワード・R・マローとJFK施政下の米国文化情報局(USIA) ・土屋由香:アメリカ情報諮問委員会と心理学者マーク・A・メイ ・小林聡明:帝国日本の…

20世紀メディア研究所 第82回研究会

◇ 第82回研究会 : 日時:2014年11月25日(土曜日) 午後2時30分-午後5時 場所:早稲田大学 早稲田キャンパス 1号館2階 現代政治経済研究所会議室 資料代:500円◇ 発表者:テーマ 賀茂 道子(名古屋大学環境学研究科社会環境学専攻博士後期課程):占領…

小さいおうち(2013)戦時下の生活と秘めた恋

=素晴しい、上質で感情移入を伴って感じられる戦時下の生活と恋のミステリー 136分 日本 配給:松竹 公開:2014/01/25 監督:山田洋次 原作:中島京子『小さいおうち』(文藝春秋刊) 脚本:山田洋次、平松恵美子 音楽:久石譲 感想 素晴しい映画、知ってい…

この旗に誓う(1951)警察予備隊PR映画

=自衛隊宣伝・自衛隊協力映画、日本独立前GHQ占領下で製作公開されている、自衛隊協力映画の嚆矢、惹句=「東映巨編、熱血の雄叫び、新生日本の護り!警察予備隊を描く!講話記念異色大作!」 公開:1951/10/12 87分 製作:東横映画(東映) 監督:小杉勇 …

<原節子と熊谷久虎 検討リスト>

原節子出演映画より政治性の強いもの (●プロパガンダ、○プロパガンダ(未見)、?不明)●1937.02.04 新しき土 J.O. 主演、日独合作国策映画、満州移住の奨励、監督:Aファンク ?1938.09.07 将軍の孫 東宝 日露戦争で名将と讃えられた祖父の孫のエピソ…

あゝ特別攻撃隊(1960)悲しみの特攻隊員の心象

=特攻隊員の悲しみを焦点にやや突っ込んだ設定で表現、特攻作戦は否定 製作=大映(東京撮影所) 公開:1960.02.10 2,601m カラー 大映スコープ 監督:井上芳夫 脚本:長谷川公之 音楽:大森盛太郎 紹介記事 キネマ旬報:「太平洋戦争末期、空しくも散った…

633爆撃隊(1964)不出来な娯楽戦争映画

=「史上最大の作戦」に倣う娯楽戦争映画の典型、架空の作戦での印象的勝利、演出効果のための非現実的設定、スターの起用、実際の軍用機使用、決定的な連合国視点など 原題:633 SQUADRON 101分 製作:イギリス 配給:UA 公開:1964/07/25 監督:ウォルタ…

『21世紀のグローバル・ファシズム』出版記念シンポジウム

木村朗・前田朗編 『21世紀のグローバル・ファシズム― 侵略戦争と暗黒社会を許さないために― 』 http://www.kobunsha.co.jp/sinkan.html日時:2014年1月19日(日) 午後2時〜5時(開場 午後1時半) 場所:港区勤労福祉会館・第一洋室(東京都港…

村山談話の歴史的意義(村山談話を継承し発展させる会)

村山談話を継承し発展させる会 第1回公開研究会日時:2014年1月19日(日) 14時から17時 場所:明治大学 リバティータワー3階、1031教室(JRお茶の水駅、地下鉄神保町下車歩4分) プログラム ①開会の挨拶:村山談話の会(略称)共同代表から ②講演:山田朗・…

相木悟の映画評『永遠の0』への論評

映画「永遠の0」がメディアからどう評価されているか知りたいが、キネ旬のレビュー文は内容がなく参考になるのは星の数のみ、だがなぜそう評価するのかわからなければ星の数も意味がない。肯定するにも否定するにも、他人にわかる説明がなければ、それはた…

周防正行×江川紹子:あるべき「可視化」を語る!

取調べの可視化を求める市民団体連絡会主催 日本弁護士連合会共催 市民集会 「可視化を止めるな!〜全事件・例外なき取調べの録画を〜」 周防正行さん(映画監督)と江川紹子さん(ジャーナリスト)が、あるべき「可視化」を語る!日時:2014年1月17…

アベノミクスで日本はギリシャ化する

毎日新聞が「アベノミクスでも日本はギリシャ化?〜デフレ脱却後も止められなぬゼロ金利→財政破綻、超円安と高インフレに」(2014年1月15日夕刊)という記事を載せている。政府が札をどんどん刷る事で景気をよくするアベノミクスは無謀で破壊的だと、言われ…

ヤフーで「永遠の0」に首をかしげる人もいる

映画「永遠の0」が50億円以上の大ヒットになる今、これを批判している市井の人の声を記録しておく。以下はヤフー知恵袋での2013年4月での原作についてのやりとり。宮崎駿も2013年8月頃に強く「永遠の0」を批判していたし、朝日新聞は2013年6月18日記事で愛…

映画「永遠の0」へのメディアでの批判

映画「永遠の0」の興行収入が50億円を突破し、2014年を代表する大ヒット映画となるのが間違いない、事実無視の設定による意図的な特攻礼賛(戦争礼賛につながる)作品なのは間違いない、だが雑誌・新聞での大きな批判特集はまだ出ていないように感じる。い…

人間魚雷回天(1955)戦後最初の特攻映画

=けして声高でなく自然に特攻を憎みたくなる苦悩の物語 87分 日本 製作・配給:新東宝 公開:1955/01/09 監督:松林宗恵 原作:津村敏行 脚本:須崎勝弥 音楽:伊福部昭 出演: 岡田英次(朝倉少尉)回天特攻乗組員の将校、予科練生で1年半の海軍経験しかな…

ヒロシマの校庭から届いた絵(2012)原爆映画

原題:Pictures from a Hiroshima schoolyard 日米合作映画 2012年 ドキュメンタリー 上映時間:85分 企画制作:重籐・マナーレ・静美Shizumi Shigeto Manale 監督・共同制作:ブライアン・ライカードBryan Reichhardt 撮影:マット・マーズ 後援:財団法人…

手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく(2011)宗教映画

=単なる娯楽化か、仏教思想の高度な物語埋め込みか アニメ映画 111分 製作:日本 配給:東映=ワーナー 公開:2011/05/28 制作:東映アニメーション 制作協力:手塚プロダクション 監督:森下孝三 演出:古賀豪 原作:手塚治虫「ブッダ」 脚本:吉田玲子 キ…

四人の息子(1928)Jフォードの反戦映画

原題:FOUR SONS サイレント映画 100分 製作国:アメリカ 日本公開:1928/10/ 監督:J.フォード 脚本:フィリップ・クライン 出演:ジェームス・ホール、マーガレット・マン、アール・フォックス、チャールズ・モートンあらすじ:ドイツのバイエルンで4人の…

第9条の人類史的意味〜戦争を違法化するということ

PRIME連続講演会シリーズ:変動期における平和学の課題 第9条の人類史的意味〜戦争を違法化するということ 日時:2014年1月10日 18時半〜20時 場所:明治学院大学白金校舎本館2階1255教室(地下鉄白金台駅徒歩15分) 無料 講師:浅井基文 主催:明治学院国際平…

アベゲドン(Abegeddon)

Abegeddon:安倍首相とハルマゲドン(世界の終わり、破滅などの意)をかけた造語。アベノミクスの語に対応し、安倍首相の経済政策がデフレ脱却と成長ではなく、歯止めのない物価上昇、金利の高騰、資本の流出、日本国債の暴落など破滅的な経済状況をもたらす…

百田尚樹の右翼の証拠

宮崎駿、『風立ちぬ』と同じ百田尚樹の零戦映画を酷評「嘘八百」「神話捏造」 Business Journal 9月25日 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130925-00010004-bjournal-ent 百田は今年6月、朝日新聞で自身の作品が「右傾エンタメ」「愛国エンタメ」…

若者観客の「永遠の0」の受容はここが問題

2014年1月14日の毎日新聞に特攻に関する解説記事が載っている、当たり前すぎて、見過ごされがちな記事だが、映画「永遠の0」の観客の理解や感動の仕方を知れば、こうした「特攻に関する当たり前」の事が、本当に大事だと気づかされる。以下列挙(毎日新聞部…

永遠の0(2013)家族を守るという口実で戦争肯定する映画

配給:東宝 公開:2013/12/21 監督:山崎貴 原作:百田尚樹『永遠の0』(太田出版刊) 脚本:山崎貴、林民夫 音楽:佐藤直紀 感想:人工的で退屈なお涙ちょうだい映画 原作がベストセラーの「右傾エンタメ」「愛国エンタメ」小説であり、原作者が右翼の安倍…

八十八年目の太陽(1941)国策映画

=音楽家が造船所で駆逐艦建造に奔走 製作=東宝映画(東京撮影所) 公開:1941.11.15 日本劇場 102分 白黒 演出:滝沢英輔 脚本:沢村勉 原作:高田保 特殊撮影:円谷英二 出演:徳川夢声、英百合子、大日方伝、霧立のぼる、佐伯秀男、花井蘭子、丸山定夫、…