zames_makiのブログ

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2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

お光の縁談(1946)恋愛メロドラマ

=戦後の混乱まったくない、銀座の風景あり 小津安二郎のいくつかの作品や、『狐』『暖流』『勝鬨音頭』など、多数の松竹作品で脚本を手掛けた池田忠雄が、中村登と共同で監督したメロドラマ。脚本は新藤兼人。お光(水戸)は、父(河村)と食堂を切り盛りし…

ことぶき座(1945)国策映画からの娯楽部分の抽出

=公開:1945年6月28日で国策宣伝部分が削除された戦後再公開版と推測、何にせよ出来悪い。 無声映画期から1950年代まで松竹時代劇で活躍した高田浩吉が、浪曲師に扮する。梅中軒鶴丸(高田)は、北海道・釧路のことぶき座の所有者鈴村(小杉)の娘・千代(…

天狗倒し(1944)娯楽性による国策映画

=英米を悪人とした娯楽&国策劇だが、細部なく完全な失敗作 複数の鞍馬天狗が登場する異色作。複数といっても、最後に顔が大写しされることで明らかになる本物の鞍馬天狗は一人で、あとは偽物という設定。斎藤達雄、南光明らが外国人に扮する。また、桑野通…

勝鬨音頭(1944)よくできた国策映画

=歌謡映画ではない、生産奨励の国策を工場職工長の職場復帰で感動的に盛り上げ推奨する、演技力でかなり説得力あり。「かちどき音頭」は労働戦士?を歌ったもの 戦中の武器増産を奨励した歌「かちどき音頭」(1943)を主題歌及び物語のモチーフにした作品。…

自衛隊協力映画の急増をどう見るか(須藤遙子)

映画人九条の会 講演会「『自衛隊協力映画』の急増をどう見るか」 長編アニメ「名探偵コナン絶海の探偵」、映画「図書館戦争」、映画「永遠の0」──2013年は自衛隊が全面協力する映画が3本、全国公開されました。またテレビでは、航空自衛隊の広報室そのもの…

「自衛隊協力映画」(大月書店)への意見・疑問

読了、須藤氏講演会にも参加。映画と政治をむすぶ貴重な研究だ、「帝国の銀幕」「朝鮮民主主義人民共和国映画史」に並ぶ研究では?社会学の研究者が映画を「死んだ遺物」のように、映画内容を自分で評価吟味せず当時の映画評だけで議論するのではなく、自分…

母の記念日(1943)国策映画・海外進出促進

=日本人の海外進出意欲の推奨宣伝とオランダ軍の非道さを強調宣伝するもの、ラジオによるリアルタイムでの海外情報という新機軸 佐々木康監督による国策映画。碧川その(信)は、子供たちの教育のため、夫の芳之助(志村)だけをジャワに残していったん日本…

むすめ(1943)国策映画

=戦時下であるが人情喜劇、不十分かつ薄いが国策宣伝要素あり 大庭秀雄監督の戦中の佳作。洋裁店を営む久子(高峰)は、無職の料理人の父・新六(河村)を養っている。そんな中、近所の角平(坂本)とおかつ(飯田)夫妻が、久子の縁談を世話することに。だ…

命日

男の意氣(1942)国策映画

=よくできた国策映画、松竹メロドラマとの移行期作 恋愛ドラマに隠して国策(会社合同)を説得する非常によくできた国策映画 戦後の松竹を代表する監督の一人で、のちに「女性映画」の名手といわれた中村登の最初期の作品。東京の回漕問屋で働く人々の義理…

君よ共に歌はん(1941)歌謡・音楽映画

=歌謡部分すくなく松竹メロドラマ、筋立て&葛藤少なく退屈 霧島昇と彼の妻の松原操(旧芸名はミス・コロムビア)、松竹少女歌劇団などが出演する歌謡・音楽映画。また、ヒロイン・三宅邦子の自己犠牲を描いたメロドラマ映画でもある。霧島の歌う本作と同名…

淚の責任(1940)松竹メロドラマ

=つまらないメロドラマ、進行遅く、めそめそしてるだけ 前篇 紅ばらの巻・後篇 白ばらの巻 (101分・35mm・白黒) 椎名隆子(三宅)は、未婚の母となった学生時代の親友・清川艶子(川崎)から、病気の子供の治療費を貸してほしいと頼まれ、快く引き受ける…

感激の頃(1939)松竹メロドラマ

=つまらないメロドラマ、ほとんど筋だてない 大ヒットシリーズ『君の名は』3部作(1953-54)をはじめ、松竹大船調を支え続けた大庭秀雄監督の最初期のメロドラマ。旧制高校の教授・石川(藤野)には、娘・俊子(槙)と、横浜に離れて暮らす息子・保(三原)…

ジョバンニの島(2014)ソ連の色丹島の占領

=ソ連軍による北方領土の占領を体験談に忠実に、日ソ融和的にアニメで描く、ソ連批判なくロシア少女との友情強調、逆に日本人への感情移入少なく意味不明の失敗作 アニメ映画 102分 製作:日本 配給:ワーナー 公開:2014/02/22 製作:日本音楽事業者協会(…

側近発言が示す「アベノミクスの目的は強い軍隊で世界制覇のため」

以下はウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された安倍首相の側近本田悦朗(内閣官房参与)の発言。ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に本田氏は英語で応答している。発言要点は 本田氏は、アベノミクスの目的は強い軍事力を持つため、それで中国に…

黒木華さんに感動し山田監督の素晴しい言葉に同意する

2/17朝刊を見たら「小さいおうち」に出演した黒木華さんがベルリン映画祭で女優賞(銀熊賞)をもらったという記事を読んで感動した。ここ1年以上安倍首相の暴走や、身の危険を感じる異常な天候など、いやなニュースばかりだったので、嬉しくて涙がでた。 何…

映画監督が政治を語るのが普通だ(是枝裕和)

以下は是枝裕和監督のインタビュー。日本では映画監督や俳優や芸人などが政治に対し明確な意見を述べるのがタブーとされている。どんな意見にせよ、政治的な言葉を口にするべきではない、するのは不利(何に対してかも不明だが)と考えられている。これに対…

市民が集めた朝霞の歴史展

日時:2014年2月8日(土)〜16日(日) 9:00〜18:00 場所:朝霞市中央公民館 コミュニティセンター(展示ギャラリー)(朝霞駅徒歩15分)入場無料 主催:朝霞市基地跡地の歴史勉強会/朝霞市朝霞に在った米軍基地の歴史を後世に伝えるため、市民と市との協働…

嵐の中の男(1957)日露戦争の後

=柔道対カラテの活劇 製作=東宝 公開:1957.02.05 10巻 2,624m 白黒 製作:田中友幸 監督:谷口千吉 脚本:谷口千吉 松浦健郎 出演:三船敏郎 香川京子 小堀明男 根岸明美 磯村みどり 平田昭彦 上映 シネマヴェーラ 12:40、16:05あらすじ 前年の『黒帯三…

ハムスン(1996)ナチ歴史大作

原題:HAMSUN 映画 159分 製作:ノルウェー/スウェーデン/デンマーク/ドイツ 日本公開:1997年北欧映画祭、一般未公開 監督:ヤン・トロエル 出演:マックス・フォン・シドー、ギタ・ナービュ 解説:ノルウェーを代表するノーベル賞作家クヌート・ハムス…

ツイッター上での慰安婦論争(田山たかし&マック×野原燐)

以下は2014年1月〜2月のツイッター上で交わされた慰安婦に関する論争。否定派(田山たかし)がすぐに逃亡したのが残念、その後の否定派(マック)も細部にこだわり論旨不明である。こうした議論には多大な労力が伴うので、歴史修正主義者(というかただの右…

映画「永遠の0」への批判

映画「永遠の0」は2月半ばで8週連続興収第1位を記録、大ヒットしている。2014年を代表する実写映画になるのは間違いない。しかしそのヒット故か、朝日新聞が協力しているせいか、正面からの批判は少ない。キネ旬では特集では取り上げずレビューが賛否まじ…

百田尚樹のトンデモツイート集(NAVERのコピー)

以下は「百田尚樹のトンデモツイート集(NAVER まとめ)」の2014年02月09日時点のコピー、百田尚樹氏の批判のために保存する。 百田尚樹氏のツイッターを見たら出るわ出るわ。この人ほんまもんのネトウヨです。過去の発言を洗ってみると次々と問題発言が。今…

「ナショナリズムとジェンダー」を読み解く対話的試み(上野千鶴子)

シビル市民講座 第4回 「ナショナリズムとジェンダー」を読み解く対話的試み 日時:2014年2月8日(土) 14:00〜17:00 場所:立川市柴中央公会堂(立川駅徒歩5分) 講師:上野千鶴子(東京大学名誉教授) 定員30名・要申し込み 1000円 主催:シビル http…

飛べよ風船(1980) 韓国映画

カラー16㍉ 日本語字幕付き 【監督】キム・ウンチョン 【出演】キム・ボヨン、チョン・ヨンノク 【内容】レトロな七十年代の香りする大学生たちの青春ラブコメディ。キム・ボヨンが、キュートで元気な女子大生を好演している。コメディ映画の天才、キム・ウ…

「明日、ママがいない」がどれだけ嘘か

日本テレビのドラマ「明日、ママがいない」は視聴率目当てに、極端な設定による、酷いドラマだが、その虚構の上の極端さが、実在の施設の子などに被害を与えているようだ。 だが、児童養護施設自体を知らない我々には、ドラマのどこが嘘なのか本当の所、容易…

「永遠の0」作者の歴史修正主義

大ヒットしている映画「永遠の0」の作者百田尚樹氏が、その歴史修正主義的認識を公にしている。東京都知事選挙の応援演説で明らかにした。「永遠の0」という映画も特攻隊という歴史に対し、わざと嘘をついてそれを美談にしているが、若い観客は気づいてい…

荒い海(1969)断片的な戦争の記憶

=登場人物の背景に戦争での行為が大きいが戦争主題ではないのが明確、反戦・平和・命の大切さを訴えるのは明確。ただ映画全体として戦争との関係は詳細は不明製作=真珠舎 配給=日活 公開:1969.10.15 カラー ワイド 製作:真珠舎 山崎徳次郎 企画:山崎徳…

眼には眼を(1957)植民地の反抗

原題:ŒIL POUR ŒIL (110分・35mm・カラー) 十分な診療を受けられずに妻を失った男ボルタク(フォルコ・ルッリ)は、最初に診療を断り別の病院を紹介したフランス人医師(クルト・ユルゲンス)に、我が身の危険もかえりみず復讐しようとする。フランスの社…