zames_makiのブログ

はてなダイアリーより移行

嵐の中の男(1957)日露戦争の後

=柔道対カラテの活劇
製作=東宝 公開:1957.02.05 10巻 2,624m 白黒
製作:田中友幸 監督:谷口千吉 脚本:谷口千吉 松浦健郎
出演:三船敏郎 香川京子 小堀明男 根岸明美 磯村みどり 平田昭彦

上映 シネマヴェーラ

 12:40、16:05

あらすじ
前年の『黒帯三国志』に続き、三船敏が熱血柔道青年を演じた青春活劇。日露戦争直後を背景としており、小村寿太郎や日比谷焼き討ち事件など時代色が強い作りになっている。ライバル辻堂役の小堀明男は、いつもと違って陰険な悪役を見事に演じている。

明治三十八年、日露戦役終結の頃。小村寿太郎の軟弱外交を怒る血気の壮士らは群集を煽動し、いわゆる日比谷焼打事件が起る。この頃、老齢の下田警察署柔道師範清水悠山に代り赴任してきた柔道四段の渡三郎は途中の船中で警官の取調べを受けるが、これが縁で悠山の娘秋子と知り合う。下田に着くと、道場に水兵が暴れ込んだと門弟の知らせ。万一に備え師範代辻堂庫次を迎えに行く処という。渡はすぐさま道場に駈けつけ無言のまま水兵達を次々と投げ飛ばし悠山の危機を救うが、警察へ向う途中、道場に急ぐ辻堂とすれ違う。辻堂は腕は立つが性は驕慢、秋子に横恋慕しつつも後任は渡との決定に、琉球女お紺の飲み屋で連日酒びたり。波の腕前を聞き、いつか彼と雌雄を決すると決意を固める。渡は温厚な悠山と亙に好意を感じるが、無法な辻堂に怒った悠山は破門を宣告。水兵らと彼を襲った辻堂と乱闘の末、憲兵に逮捕された渡は責任を感じ後任に悠山を推して東京へ去る。入れ違いに来たお紺の兄屋嘉比運兵は空手の達人で暴れ者。辻堂の話に渡打倒を誓い合う。舞台は東京。小村を国賊と狙う挽洋社太刀岡玄将の許で渡を探し廻る辻堂と運平。渡は人力車夫となり苦学していたが乗客の講道館四天王段原八段に認められ、講道館で腕を磨く。ある夜、暴漢の手から小村の娘圭子を救った渡は負傷し小村邸に引取られたが、彼を追い上京した秋子が小間使をしているのにめぐり逢う。渡の男らしさに惹かれる圭子。政治家になれとの小村の好意を辞退した渡は柔道一筋に修に励む。彼の本心を知った秋子は父の許へ戻る。辻堂の決闘状で指定の場所へ赴いた渡は、拳銃の狙撃を危く脱れる。舞台は再び下田。悠山道場乗取りを計る辻堂と運平に、署長は渡を呼びに上京。秋子さんを倖せに、との圭子の涙に送られた渡は病床の悠山の娘を思うウワ言に暗然としつつお紺の店へ。決闘の際、渡を倒したと思い込んでいた辻堂と運平を死闘の末、遂に倒す。そこに駈けよる秋子。彼女に迫る辻堂に、妹を騙したと怒る運平は取組み合ったまま空濠へ消える。傷ついた渡も、今は晴れて秋子と抱擁を交す。