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映画「FAKE」感想:新垣氏は本当に善人なの?

今日(2016年6月8日)渋谷ユーロスペースで映画「FAKE」を見た、11時30分の回は満席だった。私の専門は戦争映画でそれ以外の映画の感想は書かないのだが、自宅でネット検索してあまりに驚いたので書く。

感想:新垣隆は今現在もウソをつく事で人気を得ている恐ろしい人だ(顔に似あわず)、神山典士氏はその嘘を支える事で今現在も飯を食っている恐ろしい職業的なウソつきだ。森達也監督の取材を新垣隆氏も神山典士氏も拒否してる、どちらが嘘つきかはそれで明らかだ。

そして下記のネット検索の結果を踏まえたこの映画のテーマは「FAKE=嘘をついているのは誰?」と言うことだろう。2016年の映画公開時点ではそれは決まってる、ウソつきは新垣隆であり神山典士だ。彼らは世間から嘘つきと言われる事もなく今も正々堂々と活動している、恐ろしい事だ。私は映画を見るまではこの現実に気づきもしなかった、そういう点でこの映画はとても衝撃的だった。

この衝撃は映画そのものというより映画と現実のずれから生まれるものだ。

というのは実はこの事件に関する私の認識は映画を見る前も後も変わらない、佐村河内氏は耳が聞こえず、直接作曲はしていないが細かい設計図を示しそれを元に新垣氏が曲を書いたというものだ。この認識は事件当時のテレビ中継と新聞記事から得たものだ。だから映画のラストもそう驚きではなかった。だが家に帰ってネット検索して驚いた。

以下結論だけ

  • 新垣隆氏はまるで人気者、テレビに出て演奏会を開き作曲もしている、世間に嘘をつき迷惑をかけたのに。事件を利用して露出しているとしか思えない。
  • 新垣隆氏は佐村河内氏は耳が聞こえると言っているらしいが、それは嘘だ。そして曲に対する貢献度など共同作業の経緯についても嘘をついている。彼はこの嘘で、新垣隆=被害者・いい人・天才、佐村河内=新垣氏に対しても加害者・人格的に悪い人・無能な人間、と言っているに等しい、そういうイメージを周囲に与える事で彼の今の世間的な評価が保たれていると感じる。
  • だが(映画を見るまでもなく)新垣も佐村河内も嘘をつき迷惑をかけた点でまったく同罪だ。何せ14年も組んでいたのだから。きっかけがどうあれHIROSHIMA交響曲を作った時点では完全な共犯者だ。犯行の悪さでは同じだ。共犯者の片方はいい人で、片方だけが悪人などと、なぜ世間が思うのか?それは新垣が共同作業の経緯について嘘をついているからだ。今も嘘をつき続けている点で新垣の方が遙かに悪人だ。
  • 神山典士氏の悪さ:神山典士氏は「残酷なるかな、森達也」(BLOGOS編集部 2016年6月6日 http://blogos.com/article/178313/)で、(1)佐村河内は耳は聞こえる(2)佐村河内は作曲の才能がなく新垣隆は才能がある、(3)だから佐村河内は悪い。と書いている。これは完全な間違い、いや恐らく意図的な嘘(FAKE)だ。
  • (1)映画を見ていれば佐村河内氏は日常生活で耳が聞こえていないのはよくわかる。音がするのはなんとなく分かるが、それが何かよくわからないというレベルだ。これは私の父がそうなのでよくわかる。やりとりは曖昧でわかる部分と分からぬ部分が混在する事になる。これは医者の診断資料でも示されていることだ。それを神山典士氏は「障害者手帳がもらえないから」「聞こえるはずだ」でおしまいにしている。これは酷い嘘だ。
  • (2)神山典士氏は映画の佐村河内氏の音楽は「打ち込みだから才能なし」と決めつけているが、それは音楽がわかっていない。打ち込みとは楽譜を入力して、シンセサイザーに自動演奏させる事を言う、その楽譜を書くのは人間だ。彼は譜面は書けないと言っているがシンセに演奏させる情報は入力できているそれは実質的な作曲という事だ。(また彼はメロディを演奏し新垣氏に渡していた時期もあったという)佐村河内氏は何の資料も見ず(家具がまったくないシンセしかない殺風景な部屋で)曲を作っていった、それもかなり壮大でエモーショナルな曲だった、テレビなどで十分通用すると私は思った。神山典士は佐村河内氏のバンド時代に評価されなかったのと同じ作業とも書いたが、評価するのは神山典士ではなく世間である。私は十分使えると思った。結局神山典士氏は自分の金のため嘘の上に嘘をつき続けるのだろう。
  • (2の続き)私は新垣隆氏に音楽的才能はあまりないと思っている。なぜなら彼は音楽大学に長く身を置きながら、ついに自身の名前では曲が認められなかったからだ。私は現代音楽にも多少なりの関心があるつもりだが、その知識から考えて、彼が本当に才能があれば14年の内に自分の名で活動し続け、なんらかの形で地位や活動手法を得て、その事によって佐村河内氏との共犯を終わらせる事が出来ただろう。でも出来なかった、それがそこまでの彼の実力だったという事だ。

<参考:新垣隆・神山典士のメディア露出>

▲「残酷なるかな、森達也」- 神山典士(ノンフィクション作家) 
BLOGOS編集部 2016年6月6日 http://blogos.com/article/178313/

▲「音楽を通して償っていきたい」新垣隆氏が語るゴーストライター後の未来 対談:新垣隆×神山典士 
BLOGOS編集部 2016年03月23日 http://blogos.com/article/168222/?p=1

対談 林英哲×新垣隆 : 異色の共演! 日本を代表する太鼓奏者と話題の現代作曲家&ピアニスト  
音楽の友. 2016.5

対談 ゴーストライター騒動から学ぶ 佐村河内さんの依頼をなぜ断れなかったのか  
婦人公論. 2015.6.9

阿木燿子の艶もたけなわ:新垣隆 作曲家 結果的に、彼のおかげで世に出られた。だから、困ったな~と思っています(苦笑)。  
サンデー毎日. 2015.5.24

阿川佐和子のこの人に会いたい:作曲家、ピアニスト 新垣隆 「お騒がせして申し訳ないです」という気持ちで……。テレビに出ています。  
週刊文春 2015.4.2

△音楽という真実 新垣隆著. 小学館, 2015.6.

ゴーストライター論 / 神山典士 著. 平凡社新書  2015.4

△ペテン師と天才 : 佐村河内事件の全貌 / 神山典士 著. 文藝春秋, 2014.12.

当事者をまじえて改めて検証! 「佐村河内」騒動とメディアの責任  著者:新垣 隆. 神山 典士. 青柳 雄介 他. 
雑誌:創. 2014.8

週刊文春』スクープ筆者の告白 佐村河内守氏の嘘に踊ったメディアの責任 神山 典士. 
雑誌:創. 2014.4

福島「復興式典」を踏みにじった 佐村河内守に「第二の新垣隆」がいた! 神山 典士. 
週刊文春 2014.3.27

佐村河内守大嘘会見 新垣隆が明かす決定的証拠 神山 典士. 
週刊文春 2014.3.20

スクープした本誌だから書ける! 偽ベートーベン佐村河内守の正体 神山 典士 
週刊文春 2014.2.20

「謝罪文」のウソを暴く! 佐村河内守 障がい者と被災地への冒涜 神山 典士
週刊文春 2014.2.27