春雪（1950）労働者の勝利

＝非常に珍しい東急労組の応援による労働者賞賛物語、渋谷と？を往復する東急の駅切符販売員＝窓口係（女：藤田泰子？）と電車運転手（男：佐野周二）は貧しくて結婚できない、そこに社長の子息から結婚話がかかり、2人は迷う。生々しく労働と金銭的苦労が主題。最後２人は浜辺で将来の結婚を誓い明るめになるが、そこまでが暗く、労働者賛歌と言難いのが興行上失敗した理由だろう。
'50（松竹大船）（監）吉村公三郎（脚）新藤兼人（撮）生方敏夫（美）森幹男（音）吉沢博（出）藤田泰子、佐野周二、郄橋貞二、志村喬、英百合子、竜崎一郎、青山杉作、東山千栄子、殿山泰司、沢村晶子（87分・35mm・白黒）
…貧しくも正しく生きる勤労者たちを、愛情をもって描いたメロドラマ。鉄道職員の孝子（藤田） は機関士（佐野）と婚約しているが、ゆとりのない家庭のため結婚をためらっていた。ある時孝子は裕福な指揮者（竜崎）に求婚されて心が揺れる…。興行的には『森の石松』、『眞晝の円舞曲』に続く不入りとなり、このことが近代映画協会の設立につながった。

上映　ＮＦＣ

4/8(金) 4:00pm 4/27(水) 7:00pm