zames_makiのブログ

はてなダイアリーより移行

自民党を応援するのは雑誌WILLしかなくなくなった朝まで生テレビ

×2009年7月24日深夜放送 朝まで生テレビ政権選択選挙と日本の命運」 テレ朝 司会: 田原総一朗
パネリスト:細野豪志民主党・前衆議院議員):主スピーカー=番組のほとんどが氏へのQ&Aが占めた
その他パネリスト:穀田恵二(日本共産党・前衆議院議員)、保坂展人社民党・前衆議院議員)、下地幹郎国民新党・前衆議院議員)、森永卓郎(経済アナリスト)、荻原博子(経済ジャーナリスト)、孫崎享(元外務省国際情報局長)
 与党:茂木敏充自民党・前衆議院議員)口汚い批判だけの自民党政策担当、高木陽介公明党・前衆議院議員)言い訳だけの公明党広報担当者、山際澄夫(ジャーナリスト)雑誌WILLの記者、ひどい右翼、森本敏拓殖大学海外事情研究所所長)穏健派の軍国主義者、歳川隆雄(ジャーナリスト)

感想:

番組で最も印象的だったのは自民党を応援するジャーナリストはついにひどい右翼雑誌WILLの記者しかいなくなったこと。山際氏は自民党がいい政策を打てなかったのは参議院民主党が「多数で邪魔した」からだと民主主義を無視した、本末転倒の論を述べ、今や最大の自民党支持者となった田原氏にさえ否定されていた。


この番組は各党が選挙に向け自党の主張を述べるような公平・公正なものではなく、司会者田原総一朗民主党の政策を審査するようなものになっていた。田原は自分の関心事だけに発言を制限し、野党各党(共産党社民党国民新党)が少しでも各自の主張を述べると大声で制し、田原の関心以外の声はほぼ完全に発言をやめさせた。このようにもはやこれは討論会ではない。
 番組進行は田原の指揮に従い、自民党公明党民主党の政策を批判し、民主党の細野氏がそれに答える。場合によっては他の野党が民主党を支持したり、あるいは批判したりした(ほとんどなかった)。呼ばれた評論家は田原から指名されないと発言できず、ほとんど出番がない。森永氏が民主党の日銀への評価(即ち民主党の金融政策)を聞こうとすると田原に禁止された。孫崎氏はアメリカのイラク戦争について独自の注目すべき意見を述べたが田原はああまり関心を払わず(それが民主党批判に結びつかないせいか?)議論は深まらなかった、専門家である森本敏氏もいるのに非常にもったいないと感じる。
 自民党の茂木氏の言い方は非常に攻撃的かつ中傷的(貶す言い方)で、民主党政策のある主題に限ったもので、実際には非難・いちゃもんでしかなかった。公明党高木氏も、子供手当ては「増税だ」「反対したじゃないか」とひどく口汚く非難したが政策全体にはそれ以上の口だしは出来ず、年金問題では自党の現状容認方針を認め、以降は沈黙した。
 番組全体として民主党政策への審議・批判が行われたが、民主党細野氏は終始冷静かつ、応報的に回答し(全ての批判質問には一々答え、回答できなかったという印象を与えない言い方)、審議にほぼ完全に勝ったように見えた。逆に自民党は自党の政策の主張をほとんどまったくせず(マニフェストが出ていない事もあろうが民主党もそれは同じだ)、選挙前に既に敗北し自らが野党である事を示していた。


過去「朝まで生テレビ」は(1)長時間(十分討論をつめることができる)、(2)多数の(多声的に=複数の視点から)、(3)識者が(専門的知識をもたらしつつ)、(4)厳しく討論する(番組内の意見交換である程度の進歩が得られる)、などの点で有用な番組だと感じていたが、もはやその機能を終えたように思える。今回の番組の内容は、判りやすさや本音の露出でTBS「みのもんたの朝ズバッ!」に及ばず、議論内容でNHKの「日曜討論」とおおきく変わらないものだった。視聴者は夜中にわざわざ視聴しても格別の新しい情報は得られない。
 それどころか田原氏の勝手な意見だけを聞かされ不快なだけだ。日曜朝の「サンデープロジェクト」も含め、田原総一朗のジャーナリストとしての使命と役割は終わった、もはや彼は自分個人の関心事を公共・視聴者一般の関心と勘違いした<老害>を垂れ流すだけの人物のように感じる。田原氏はテレビ司会者から引退すべきだ。