zames_makiのブログ

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<オバマ大統領のカイロ演説の日本語訳(私訳)>

 以下はオバマ大統領の2009年6月4日カイロでの演説からパレスチナ問題に関して述べた部分全体の日本語訳です。オバマ大統領の演説はホワイトハウスのHPで読める(http://www.whitehouse.gov/the_press_office/Remarks-by-the-President-at-Cairo-University-6-04-09/)。演説は7つの論点に区切られており、パレスチナ問題はその2番目の論点として述べられている。この演説はアメリカとアラブ世界の融和を呼びかける歴史的なものとしてアラブ社会からも歓迎されている。


 実は私は過去にパレスチナ問題へのオバマの態度はそのリベラルなイメージと裏腹に実際にはブッシュと変わらないと書いた(http://d.hatena.ne.jp/zames_maki/20090123#p1)。しかし今回のオバマの演説はパレスチナ人の味わっている酷い状況をはっきり認め、その解決のためにそれぞれの当事者に求められる事として、非常によい事を述べている。勿論2国家共存案だけで全ての問題が解決するわけではなく、又それが理想論とも言えないだろう。またイスラエルへの要求は入植地建設だけで済まないのも明らかだ。そしてBBCNHKが言うようにオバマ大統領の評価は言葉だけではなく、これからの行動にこそその評価がかかっている。それらを踏まえた上で、パレスチナ問題に関し現時点でオバマは良い事を述べていると思うので以下に日本語に翻訳して紹介する次第だ。


 日本語に翻訳してわかったのは、おきている問題をどう具体的に、かつわかりやすく表現するかよく考えて言葉が選ばれている事だ。また常にイスラエルパレスチナが併置され、どちら一方的にならないように配慮されているとも感じた。こうした言い方は占領とガザ虐殺などイスラエルがしている酷い事を知れば、不十分だと批判されるかもしれない。しかし実際にはアラブ社会だけではなく、イスラエルも含めた全世界に呼びかけているこの演説の性格を考えれば、この演説の表現はよくバランスをとった素晴らしい出来だと私は思う。素晴らしいと思うのはそんなバランスをとった言い方でも、いくつもの点で今までのアメリカの言い方からパレスチナ側にそって踏み出していると思うからで、そうした点を注記の形で付記しておく。(なお6/5のNHK「きょうの世界」でオバマの双方へのメッセージとして抜きだされた部分を太字で書く)

オバマ大統領のカイロでの演説からパレスチナ問題に関して述べた部分の日本語訳

オバマ大統領の演説日本語訳>
私たちが議論する必要がある緊張の2番目の源はイスラエルと、パレスチナ人とアラブ世界の間の状況です。


アメリカとイスラエルの強い絆はよく知られています。この関係は不変のものです。これは文化的・歴史的な結びつき、そしてユダヤ人の故国への願いが、誰も否定できない彼らの悲惨な歴史に基いているという認識からきています。

世界中でユダヤの人々は何世紀もの間迫害されてました、そして、ヨーロッパの反ユダヤ主義は空前のホロコーストという結果をもたらしました。 明日私は、ブーヘンヴァルトを訪問するつもりです。そこはユダヤ人がドイツ第三帝国によって殺され、奴隷にされ、拷問され、撃たれ、ガス室に追いやられた収容所群の一つです。600万人のユダヤ人が殺されました、それは今日のイスラエルユダヤ人人口より多いものです。 ホロコースト否定は根拠がありません、それは無視されるべきもの、憎むべきものです。 イスラエルを破壊しようと脅かすこと、あるいはユダヤ人に対する悪質な固定観念を繰り返すのは、まったくの間違いです。そうする事はイスラエル人の心に、この最も苦痛な記憶を思い起こさせ、この地域の人々が大事にしている平和を妨げるのに役立つだけです*1

一方、パレスチナ人の人々、イスラム教徒やキリスト教徒が、国を求めて苦しんでいるのも打ち消し難い事実です。 60年間以上、彼らは故郷を失った痛みに耐えています。 多くの人々が、ヨルダン川西岸や、ガザ地区や、隣国の難民キャンプで、平和と安全な生活を待っています。それはかつて一度も与えられたことのないものです。 彼らは毎日屈辱に耐えています、それは大かれ少なかれ占領からきているものです。 ですから、パレスチナの人々の状況は堪え難いものであること、これは疑いようのない事です。そして、アメリカはパレスチナ人の威厳や機会への正当な願い、そして彼ら自身の国を持つ事に背を向けることはないでしょう*2。 (拍手)

しかし何10年間も、手詰まり状態になっています。 正当な望みを持った2つの民族がある*3、それぞれが簡単に妥協できない苦痛に満ちた歴史をもっています。 主張するのは容易です、パレスチナ人にとってはイスラエルの建国で退去させられたと。イスラエル人にとっては、国境の外から又自国内からの絶え間ない敵意と攻撃を指摘するのは容易です。しかし、もし我々がこの問題を、単に一方からあるいは他方から見るだけでは、私たちは真実を失ってしまうでしょう。 唯一の解決は、両者の願いに対して2国家共存で応じることです。そこではイスラエル人とパレスチナ人がそれぞれ平和で安全に暮らせるのです。(拍手)

それがイスラエルの関心であり、パレスチナの関心、アメリカの関心、および世界の関心なのです。 そして、それが私が必要とされるすべての忍耐と献身をもって、個人的にこの結果を追求する理由なのです。(拍手) 義務、当事者たちが和平ロードマップの下に同意した義務は明確です。 平和のためにそれを行う時なのです、そして私たち全てが責任を果たすべき時なのです。


パレスチナ人は暴力を止めなければなりません。暴力と殺害による抵抗は間違っていますし、成功しません。 何世紀もの間、アメリカの黒人は奴隷として鞭で叩かれ、人種差別の屈辱に苦しんできました。 しかし彼らが、完全で平等な権利を勝ち取ったのは暴力ではありませんでした。 それはアメリカ建国の理念の中心である、平和的で断固とした主張によるものでした。 同じ事が南アフリカから南アジアの人々によって、東欧からインドネシアの人々によって行われてきました。それは単純な真実の物語です。 暴力は行き止まりです。 眠っている子供にロケット弾を撃ったり、バスに乗っているお婆さんを爆破するのは、勇気や力の象徴ではありません。 それはあるべき権利の要求行為ではなく、むしろ権利を明け渡しているのです。

今は、パレスチナ人が彼ら自身が何をできるかに焦点があたっている時です。 パレスチナの代表者は人々の要求に奉仕する組織と共に、治める能力を築き上げなければなりません。 ハマスは何人かのパレスチナ人に支持されていますが、同時に彼らは責任がある事を認識しなければなりません。 パレスチナ人の願いを実現する役割を果たすためには、パレスチナの人々を統一しなければなりません、ハマスは暴力に終止符を打ち、過去の協定を認め、イスラエル生存権を認めなければなりません*4


同時に、イスラエル人はイスラエルが存続する権利が誰も否定できない正義である事と同じように、パレスチナ人にもそれがある事を認めねばなりません。 合衆国は今も続くイスラエルの入植地の正当性を受け入れられません。 (拍手) この入植地の建設は、これまでの合意に違反しており、平和を達成するための努力を害しています。 もはやこの入植地を止めるべき時です*5。 (拍手)

そしてイスラエルは、パレスチナ人が住み、働いて、彼らの社会を建設する事ができるのを保証するよう、自分の義務をはたさなければなりません。 ガザ地区で今も続く人道的危機はパレスチナ人の家族を打ちのめしてしまい、それはイスラエルの安全に役立ちません。 同じようにヨルダン川西岸で続く機会の喪失(lack of opportunity)も平和に役立ちません。 パレスチナの人々の日常生活の向上は平和への道の重要な部分です、そしてイスラエルは、日常生活の向上を可能にするために具体的な処置を取らなければなりません*6


そして最後にアラブ諸国は、アラブの平和への意志(Peace Initiative)が重要な端緒であって、責任の終わりではないと認めなければなりません。 他の問題からアラブ諸国の人々の注意をそらすためにアラブ・イスラエル紛争が使われるべきではありません。 その代わり平和への意志は、パレスチナ人が彼らの国を維持できるような組織を発展させる助けをする動機のはずです、それによりイスラエルの合法性を認識されるはずです、それにより過去に拘った自己破壊的な行動を克服した進歩が選ばれるべきです*7

アメリカは我々の政策と平和を追求する人々との緊密な協力を行うでしょう。そしてイスラエル人、パレスチナ人、およびアラブ人に内々で言う事を公然と言うつもりです。 (拍手) 私たちは平和を課すことができません。 しかし、多くのイスラム教徒は内心ではイスラエルは平和から遠ざかる事はないと認めています。 同様に多くのイスラエル人がパレスチナ国家の必要性を認めています。 今や我々が誰もが正しいと思う事を行うべき時です。


あまりに多くの涙が流されました。 あまりに多くの血が流れました。 私たちは皆、イスラエル人とパレスチナ人の母親が、恐怖におびえることなく、自分の子供の成長を見守ることができる日のために働く責任があります。 また3つの偉大な宗教の聖地が神が意図したように平和の地である日のために、またエルサレムユダヤ人、キリスト教徒、イスラム教徒にとって安全で永久の家である日のために、またイスラの物語(Isra:http://en.wikipedia.org/wiki/Isra)のようにアブラハムのすべての子供が平和である日のために(拍手)、またイスラの物語のようにモーセとイエスとモハメッドが、ともに平和であり、ともに祈る日のために。私たちは皆そうした日のために働く責任があります。(拍手)


オバマ演説原文(パレスチナ問題に関した部分)

The second major source of tension that we need to discuss is the situation between Israelis, Palestinians and the Arab world.

America's strong bonds with Israel are well known. This bond is unbreakable. It is based upon cultural and historical ties, and the recognition that the aspiration for a Jewish homeland is rooted in a tragic history that cannot be denied.

Around the world, the Jewish people were persecuted for centuries, and anti-Semitism in Europe culminated in an unprecedented Holocaust. Tomorrow, I will visit Buchenwald, which was part of a network of camps where Jews were enslaved, tortured, shot and gassed to death by the Third Reich. Six million Jews were killed -- more than the entire Jewish population of Israel today. Denying that fact is baseless, it is ignorant, and it is hateful. Threatening Israel with destruction -- or repeating vile stereotypes about Jews -- is deeply wrong, and only serves to evoke in the minds of Israelis this most painful of memories while preventing the peace that the people of this region deserve.

On the other hand, it is also undeniable that the Palestinian people -- Muslims and Christians -- have suffered in pursuit of a homeland. For more than 60 years they've endured the pain of dislocation. Many wait in refugee camps in the West Bank, Gaza, and neighboring lands for a life of peace and security that they have never been able to lead. They endure the daily humiliations -- large and small -- that come with occupation. So let there be no doubt: The situation for the Palestinian people is intolerable. And America will not turn our backs on the legitimate Palestinian aspiration for dignity, opportunity, and a state of their own. (Applause.)

For decades then, there has been a stalemate: two peoples with legitimate aspirations, each with a painful history that makes compromise elusive. It's easy to point fingers -- for Palestinians to point to the displacement brought about by Israel's founding, and for Israelis to point to the constant hostility and attacks throughout its history from within its borders as well as beyond. But if we see this conflict only from one side or the other, then we will be blind to the truth: The only resolution is for the aspirations of both sides to be met through two states, where Israelis and Palestinians each live in peace and security. (Applause.)

That is in Israel's interest, Palestine's interest, America's interest, and the world's interest. And that is why I intend to personally pursue this outcome with all the patience and dedication that the task requires. (Applause.) The obligations -- the obligations that the parties have agreed to under the road map are clear. For peace to come, it is time for them -- and all of us -- to live up to our responsibilities.

Palestinians must abandon violence. Resistance through violence and killing is wrong and it does not succeed. For centuries, black people in America suffered the lash of the whip as slaves and the humiliation of segregation. But it was not violence that won full and equal rights. It was a peaceful and determined insistence upon the ideals at the center of America's founding. This same story can be told by people from South Africa to South Asia; from Eastern Europe to Indonesia. It's a story with a simple truth: that violence is a dead end. It is a sign neither of courage nor power to shoot rockets at sleeping children, or to blow up old women on a bus. That's not how moral authority is claimed; that's how it is surrendered.

Now is the time for Palestinians to focus on what they can build. The Palestinian Authority must develop its capacity to govern, with institutions that serve the needs of its people. Hamas does have support among some Palestinians, but they also have to recognize they have responsibilities. To play a role in fulfilling Palestinian aspirations, to unify the Palestinian people, Hamas must put an end to violence, recognize past agreements, recognize Israel's right to exist.

At the same time, Israelis must acknowledge that just as Israel's right to exist cannot be denied, neither can Palestine's. The United States does not accept the legitimacy of continued Israeli settlements. (Applause.) This construction violates previous agreements and undermines efforts to achieve peace. It is time for these settlements to stop. (Applause.)

And Israel must also live up to its obligation to ensure that Palestinians can live and work and develop their society. Just as it devastates Palestinian families, the continuing humanitarian crisis in Gaza does not serve Israel's security; neither does the continuing lack of opportunity in the West Bank. Progress in the daily lives of the Palestinian people must be a critical part of a road to peace, and Israel must take concrete steps to enable such progress.

And finally, the Arab states must recognize that the Arab Peace Initiative was an important beginning, but not the end of their responsibilities. The Arab-Israeli conflict should no longer be used to distract the people of Arab nations from other problems. Instead, it must be a cause for action to help the Palestinian people develop the institutions that will sustain their state, to recognize Israel's legitimacy, and to choose progress over a self-defeating focus on the past.

America will align our policies with those who pursue peace, and we will say in public what we say in private to Israelis and Palestinians and Arabs. (Applause.) We cannot impose peace. But privately, many Muslims recognize that Israel will not go away. Likewise, many Israelis recognize the need for a Palestinian state. It is time for us to act on what everyone knows to be true.

Too many tears have been shed. Too much blood has been shed. All of us have a responsibility to work for the day when the mothers of Israelis and Palestinians can see their children grow up without fear; when the Holy Land of the three great faiths is the place of peace that God intended it to be; when Jerusalem is a secure and lasting home for Jews and Christians and Muslims, and a place for all of the children of Abraham to mingle peacefully together as in the story of Isra -- (applause) -- as in the story of Isra, when Moses, Jesus, and Mohammed, peace be upon them, joined in prayer. (Applause.)

参考:オバマ演説を報じる記事(AFP通信 2009年06月04日)

オバマ米大統領エジプト演説、イスラム世界との「新たな始まり」を】
イスラム社会全体に向けて演説し、イスラム世界と米国の関係構築の「新たな始まり」を呼び掛けた。重要演説のひとつに数えられることになろうこの演説で、オバマ大統領は「疑念と不和」によるくすぶりの循環が続いたイスラム世界と米国の関係の先に、平和の展望を描いてみせた。

 中東和平プロセスの今後の道筋を提示し、不信の関係を終わらせ、パレスチナ国家建設と、核問題をめぐるイランとの対立解消を実現すると誓約した。 (略)
「われわれの関係が『違い』によって定義されている限り、平和よりも憎悪を広める者たちに力を与えるだけだ」
 「今日わたしがカイロに来たのは、米国と世界のイスラム教徒にとって新たな始まりを求めるためだ」 
「恐怖と不信があまりにも満ちている。しかし過去に縛られることを選んでいては、われわれは前進しない」


■中東和平:米国に対するアラブ世界の不信の根源となっているイスラエルとの関係については「壊れることはない」と明言。第2次世界大戦中の独ナチスによるホロコーストユダヤ人大量虐殺)の史実を否定する言論に至っては「無知だ」と批判した。しかし、ブッシュ前米大統領の政策とは決別し、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地拡大を止めないイスラエルベンヤミン・ネタニヤフ政権を非難し、持論のパレスチナ国家樹立を認める二国家共存への支持を強調した。
 「パレスチナが尊厳と機会、そして自らの国家を求める正当な願いに、米国は背を向けはしない。イスラエルによる入植地拡大は、これまでの合意事項を破り、和平への努力をむしばんでいる。今こそ入植を止めるときだ」
 また、「あまりにも多くの涙、多くの血が流された」と二者の歴史を振り返り、とどこおっている和平交渉の再開を促すと同時に、パレスチナ側には暴力の停止を、イスラエル側にはパレスチナ占領地区に対する封鎖の緩和を求めた。


■イランとの関係:敵対するイランについても「数十年の不信を解くのは難しいだろう。しかし、勇気と公正さ、強固な意志をもって臨みたい」と述べ、「条件をつけずに」対話を求める姿勢を示した。またイランの核問題については「核兵器に関して重大な局面に到達していることは、誰が見ても明らかだ」と述べ、域内の軍拡競争に警告を発しながらも、平和的目的で原子力を保持するイランの権利は認めた。


イスラム教とのつながり:自身がイスラム大国のインドネシアで幼少を過ごした話も織り込んだ。そして、米国が2001年の同時多発テロで負ったトラウマに触れ、決して寛大になれない行為だと非難しながらも、その後の米国が「テロとの戦い」で道を見失ったことも認めた。

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(以下はオバマ演説への筆者の肯定的評価、重要だと感じた部分。勿論不満もあるが...)

*1:イラン大統領などの発言にあるホロコースト否定論への警告。イスラエルへの反発は憎しみからホロコースト否定に結びつきやすいが、それは西欧社会とイスラエルを刺激し、反ユダヤ主義の理屈を与えイスラエルを利するだけだと私も思う

*2:アメリカ大統領がパレスチナ人の苦境を公言するのは画期的と思われる。しかもそれがイスラエルによる占領から生まれているという事は多くのパレスチナ運動家が声を大にしている事であり、オバマ大統領がちゃんとパレスチナ問題を理解している事が知れる素晴らしい発言だろう。そしてオバマ大統領はパレスチナ人国家建設への支持を明言しているのも素晴らしい。

*3:オバマユダヤ人とパレスチナ人、2つの民族が同じように国を持ちたいと思うのは、正当だと述べている。今までアメリカや西欧はパレスチナ人国家への支持を明言していないように思う、なのでこのオバマの発言は評価できるのではないか

*4:オバマハマスを認めると共に、ハマスにも政治的代表としての責任を求めている。そしてパレスチナ代表者の統一を求めている、これには私も賛成だ。ハマスは実際には既にイスラエルの存続を認めている、なので彼らも政治家として交渉の席につくため、パレスチナ人のために変化する必要があるように思う

*5:オバマイスラエルに対して明確に入植地建設の中止を求めた。パレスチナ問題がそれだけではないのは明らかだ。しかしこれは和平交渉への端緒であってここから様々な交渉が始まるのだと私は推測する。だからこの明確な要求は好ましいと思う。少なくともイスラエルが入植地建設を止める事は誰の目にも明らかだろう

*6:演説はパレスチナ人の日常生活の向上が和平のために重要だとしている。これは大変重要な指摘に思う。交渉経過の中でパレスチナ人が実際的な交渉の成果を得ることが政治的行動として大事だ、とパレスチナ人からの支持も必要な政治的行動としてオバマは判断しているのだろう。そして日常生活の向上とはつまるところイスラエルによる封鎖の解除を意味するのではないだろうか。

*7:オバマアラブ諸国への注文は、「平和への意志(Peace Initiative)」であり、パレスチナ人のために考えろという事だろう。ガザ封鎖に協力しているエジプトなどにとって耳の痛いことだろう。しかしそれは正論だと思うし必要なことだと思う。