zames_makiのブログ

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ハマスは、イスラエルを認める2国家解決案を呼びかけている

ハマスは明確に繰り返し2国家解決案を呼びかけている(N・チョムスキー

オバマの言ったことで、他にもほぼ世界共通のことは、標準的なハマスへの言及の仕方だ。つまりテロ組織であり、イスラエル国家(あるいは全ユダヤ人)の破壊に執心している、と。そして言わずもがなに隠しているのは、アメリカ−イスラエルが持続可能なパレスチナ国家はなんであれ破壊しようと執心しているだけでなく、そのための政策を着々と実行しているという不都合な事実だ。
 あるいは2つの拒絶主義国家(アメリカとイスラエル)とは異なり、ハマスは国際社会の合意による2国家解決を呼びかけている。しかも公に、繰り返し、明確に−−という事実が隠されている。(p125)
(「オバマパレスチナイスラエル問題」ノーム・チョムスキー現代思想、2009年3月号)

訳者注:ハマスが2006年1月の選挙勝利直後から現在に至るまで一貫して主張しているのが、東エルサレムを含めた全ての占領地からのユダヤ人入植地を撤去すること。陸海空の国境管理権をパレスチナ側にひきわたすことなどによって、完全に占領を終結させ、パレスチナの独立国家を認めること。そしてそれと引き換えにイスラエル国家を承認することだ。すなわちハマスの要求は、完全な2国家並存案と言える。(訳者は早尾貴紀氏、中東問題専門家)

ハマスイスラエル殲滅は建前にすぎない(早尾貴紀

ハマスは実のところ建前としてはイスラエル殲滅を叫ぶものの、現実的なところではオスロ合意の最終目標である2国家分離に反対している訳ではない。ただしそれはイスラエルが東エルサレムを含めた占領地を完全に放棄し、ユダヤ人入植地と分離壁をすべて撤去し、国境管や水利権、領海権、領空権をすべてパレスチナに認めるであればハマス側もイスラエルを承認する用意がある、という意味でだ。(早尾貴紀ユダヤイスラエルのあいだ」青土社p280)

イラン大統領は2国家解決案を支持している(産経新聞 2009.4.27)

2つの国家容認 イラン大統領:【ワシントン=有元隆志】イランのアフマディネジャド大統領は26日放映の米ABCテレビのインタビューで、パレスチナイスラエルとの「2国家共存」を受け入れた場合、容認する考えを示した。同大統領は「イスラエル抹殺」を主張していたが、「(パレスチナの)どのような決定であれ結構だ」と述べた。

 核開発問題に関しては、米国も参加を決めた交渉に臨むにあたり、近く新提案を提示する考えを示した。イランとの対話を呼びかけているオバマ米大統領の姿勢は歓迎しつつも、「私は(オバマ氏の当選に対し)祝電を送った。このことに国内から批判されている。にもかかわらず返答がない」と不満ををもらした。

 ホロコーストユダヤ人大虐殺)否定発言については「より研究が必要だ」として撤回しなかった。同大統領が米テレビ番組に出演するのは異例。