zames_makiのブログ

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ゴジラにいたる経緯(メモ)

原子怪獣現わる(1953) 日本公開1954/12/=ゴジラ公開の1ヶ月後大映系にて公開。評判よし。田中友幸氏は公開以前に知っている。核実験によって作られた怪物が人類を襲うというアイデアは同じだが、アメリカ版ではそれを軍の兵器で倒せる=核時代も軍事力によって平和が保たれるとしたのに対し、日本版ではゴジラは軍事力では倒せず、それを倒すにはより強力な兵器(超核兵器)が必要になるという、核時代への批判がメッセージなのが大きな違い。しかし2作以降はこの主題は原作者香山茂のアイデア不足により使用されなかった。また1作目のへの世間の反応も核兵器反対というメッセージ性より、特撮映画への興奮が占めていたので、主題の移行は自然ななりゆきと言えよう。ゴジラ主題としては3作目「キングコング対ゴジラ」では、製薬会社の宣伝のため怪獣を戦わせるという、大人向けの喜劇的娯楽映画としてのアイデアをとっているのは反共を踏まえた自然な変化と思われる。同時にここでは、戦争の恐怖、空襲の惨禍への反感などの主題より、巨大怪獣同士による戦いというスペクタル性に映画の主題が移り成功した。これ以降、怪獣を登場させるドラマ部分のスリルなどの面白みと、巨大怪獣のスペクタル性の面白みで、「怪獣祭り」時期まで制作の方向性が定まる。
放射能X(1954)  日本公開1954/08/
ゴジラ 1954.11.03
ゴジラの逆襲 1955.04.24
怪獣王ゴジラ アメリカ公開1956/4/27