zames_makiのブログ

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映画「原爆の子」への日本政府の妨害


朝日新聞夕刊1991年7月15日

原爆の子●15●空白への挑戦 米に配慮 上映妨害 米に配慮 上映妨害 仏映画祭で外務省画策

「劇映画「原爆の子」は、「教育的に役立つ」として一九五二(昭和二十七)年度の文部省特別選定に指定された。政府部内の評価も高かったが、外務省だけは、米国を刺激したくないと思うあまり、この映画を世界の多くの人に見せることに反対だった。」

新藤兼人さん。「あの映画にそれほど神経を使っていたとはね。ニュースを知った時には本当に驚いたよ」=1991年6月、東京都港区赤坂で

外務省は、当時の西村熊雄・駐仏大使に至急極秘電をうつ。内容は、参加受け付けを主催者として断ってもらいたい。もし上映されても受賞は辞退と、大使に電文を送ったという。西村大使は「仏外務省と打ち合わせた結果、政府が介入すればかえって世界の注意を引くだけであるから、取り扱いは映画祭当局の判断に任せる方を適当とする意見一致した」という。

結局、映画は上映。このことを新藤監督は知らなかったという