zames_makiのブログ

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天皇会見問題に関する憲法上問題への知識人の意見

ウィキペディアを主な材料にこの天皇会見問題への知識人(主に大学教授)の意見をまとめると、小沢一郎を強く非難しているのが、実は天皇崇拝者の右翼のような人たちであるのが見えてくる。彼らは出自が国学院などの国家主義傾向の強い教育機関の関係者であったり、宮内庁OBであったりと、それぞれそれなりの出自があり訳がある。簡単に言って彼らは心の底では右翼(戦前の国家主義体制を否定せず信奉している人)なのだろう
 また同じように政治利用だとして小沢一郎を批判し、意見では今の憲法の問題性を糊塗し天皇の政治性を頭から否定している学者は、ある種の無理解から「問答無用で天皇を政治から遠ざける事こそが民主主義であり憲法の理念だ」と考えているように見える。彼らは何が政治的行為なのか、天皇の何が政治的なのかを考え直すべきだ。そこには1930年代の過去の国家神道体制への知識と理解が必要だろう。


 だがこうまとめたこの作業の最大の成果は、<一見 小沢一郎を批判する声は多くても本当の意味での天皇崇拝者は少ない>のが見えてきたことだ。ウィキペディアでは産経新聞の掲載記事を主体に、各人コメントの中の小沢一郎批判部分だけが記載されているが、談話内容をまとめ直すと内容はそうではない。小沢を正面から批判している知識人はそんなに多くない。ウィキペディアへの転載時の歪みがかなり入っている。


 結論として日本国民の圧倒的多数をしめる民主主義憲法の支持者である読者は、小沢一郎の「民主主義の精神を守る」という発言を思い出していただき、民主主義の精神からこの問題はどうあるべきか考えもらいたいものだ。その中では、天皇の存在と行為はその戦前の国家神道でのあり方を考えれば、その全て政治的であり、民主主義憲法はそれを縛る事を大きな機能としていることを思い出してほしい。

(今の憲法に問題はないとし天皇の政治性を頭から否定する意見、強い小沢批判者には心底では天皇中心の国家主義を信奉している右翼が混じっている)

  • 大原康男國學院大神道学)「卑屈な政治的配慮だ、小沢氏は国事行為をよく理解せずに質問者を恫喝している。天皇は政権のいうことを聞けばいいと言っているようにも聞こえる。いずれにしろ不勉強であり、政治利用そのものの発言だ」[産経新聞 2009-12-15&12-18]。 自民党の「天皇陛下の政治利用検証緊急特命委員会」に参加。「天皇は政権より偉い」と思っている右翼。
  • 高橋紘静岡福祉大・皇室ジャーナリスト)「小沢一郎の、天皇陛下のお体が優れないなら、優位性の低い行事はお休みになればいい」との発言は、「順番付けを行うもので、まさしく政治利用だ」[毎日新聞 2009年12月15日]。 (=自称天皇のお側要員、天皇のためにを連発する人、だろう)
  • 百地章(日大・憲法学・右翼団体日本会議所属)「政府は天皇陛下の政治的中立性,公平性を守るべきだ。1カ月ルールを破るという強引な決め方そのものに,陛下を政治的に利用した印象が否めない。中国だけ認めたのは悪い先例になり,ルールが崩壊する危険性もある。二度とこんなことがあってはならない」[毎日新聞 2009-12-14]、自民党の「天皇陛下の政治利用検証緊急特命委員会」に参加。

(普通の民主主義の論者)

  • ◇永井憲一(法政大・法学)「憲法7条には外国の大使、公使を接受することが国事行為として明記されており、外国の要人との会見を内閣が要請し天皇陛下が認めたならば問題はない」[毎日新聞 2009年12月15日]
  • ◇横田耕一(流通経済大憲法学)「最終的な決定権は内閣にある、1ヵ月ルールは内規だから内閣は尊重しなければいけないが、縛られることはない。宮内庁に振り回されるのはおかしい」[毎日新聞 2009-12-14]。
  • ◇奥平康弘(東大・憲法学)「極端なことを言えば、天皇制自体が政治的な性質を帯びており、今回の問題は当然出てくる不幸な結末だ」(毎日新聞 2009-12-12)
  • 保阪正康(ノンフィクション作家)「天皇は常に政治的だった、自民党はこれを曖昧にしてきたのを民主党が暴いた、何が国事行為か議論し定める調整機関が必要だ」(朝日新聞2009年12月20日
  • 御厨貴(東大・政治学)「天皇はその全部が政治だ、デリケートなので民主党政治家は口を出すな、今までとおり曖昧にしておけばよい、もし公に議論されると天皇制は否定されるかもしれない」(朝日新聞2009年12月20日
  • 小林節(慶応大・憲法学)「中国は政治目的だったので内閣はもっと慎重に対応すべきだった」(北海道新聞 2009-12-12)

日本に国家神道信者は何人いるのか(共同通信 2009/12/15)

以下は宮内庁に応援のメールが多数きたというニュースだが、はたしてこの問題で炙り出される天皇中心主義者の右翼は何人いるのだろうか?ニュースは1000通のメールを伝えているが、それを何人が出したかは不明だし、それが国民の声として多いのか少ないのかも実際にはわからないのだ。テレビは過激な右翼の抗議を警戒し常に非常におよび腰だが本当のところ天皇に敬意を払えとか、本当の意味で天皇を崇拝している人はかなり少ないのではないだろうか?

宮内庁にメール千件超 「長官の発言支持多数」

 天皇陛下と中国の習近平国家副主席の特例会見をめぐり、天皇の政治利用に当たるとの懸念を表明した宮内庁羽毛田信吾長官の発言に対し、千件を超えるメールが同庁に寄せられていたことが15日、分かった。宮内庁によると、メールは同庁のホームページなどに寄せられ、総務課は「おおむね長官の発言を支持するものだった」としている。

 羽毛田長官は会見が決定した11日の記者会見で、「日中関係は重要」とする首相官邸側の要請で会見を受け入れざるを得なかった状況を説明。その上で「苦渋の思いで陛下にお願いした」「二度とあってほしくない」と官邸側の対応を批判した。メールはその後の12、13日に集中したという。