検証前空幕長論文の底流(朝日新聞 2008年11月23・24日)
検証前空幕長論文の底流(上下)朝日新聞 2008年11月23・24日朝刊に掲載
(要旨)
1自衛隊内では田母神に同情的→彼の歴史観に同意というより、自衛隊が政治家や国民から十分に認知、世印されていないことへの不満に共感
2「日本の軍は強くなると必ず暴走すると思われている」ことへの反感
3旧日本軍に対する戦後の歴史解釈(旧日本軍は悪かった)が、自衛隊の活動の制約につながっているという認識が自衛隊にある
4自国の歴史を否定的にとらえると強い軍隊はつくれないという考え方の存在
5自衛隊と旧日本軍はつながっているのか、連続しているか彼ら自身もわからない(自衛隊の活動は「天皇の軍隊」であった旧日本軍への反省の上にあるのは確か
)
6命を懸けた活動をするときに、よりどころが欲しい(=自分たちの認知?正しい日本国への奉仕?)
7自衛隊内の教育で基本的には、歴史観・国家観を教える授業は従来なかった、田母神はそれをとりあげ、かつ右翼雑誌「正論」の論者(桜井よしこ等)などを採用し、「日本は侵略などしない、よい国」だと、教えた
(下巻)
1自民党政治家には上記の自衛隊への共感がある=例:武田良太(自民党・衆議院議員)
2首相周辺は「田母神の主張を日本人の半分は共感している」と思っている
3従って、田母神論文自体は批判せず、「自衛官の立場での発言は不適切」という批判の仕方になった(本当は応援したかった)
4アバグループへの政治家の関与:2004年9月「日本を語るワインの会」参加者、田母神、安倍晋三、中川秀直、浜田防衛大臣、鳩山由起夫、山岡賢次、浅尾慶一郎、
→アバの元谷夫妻が主催、日本は中国に悪いことはしていない、米国の占領政策への批判や日本の核武装論が(アバから?)語られた
→鳩山由起夫:出席しかし、あまりに思想が違うので途中退席
5防衛問題に関心を持つ国会議員は少ない
(参考:西原正、前防衛大校長、負の歴史の全否定は不健全)