zames_makiのブログ

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久米宏のテレビってヤツは 第10回 田母神

(テレヤツ)MBS毎日放送(TBS系列で可) 毎週水曜10時放送 60分枠 2008/10/22開始
司会:久米宏八木亜希子 コメンテーター(おしゃべり仲間):多数
8回(12/10):瀬戸内寂聴姜尚中、YOU、森永卓郎瀬戸内寂聴の人生相談)
9回(12/17)おすぎとピーコ、宮崎哲弥室井佑月秋元康 (2008年視聴率総まくり)
10回(1/14)田母神俊雄東国原英夫山田五郎森永卓郎室井佑月、東京大・慶応大・早稲田大の現役学生のみなさん

番組ブログへの視聴者の意見感想書き込み数(1/15現在)
6回(164→164)7回(187→269)8回(174)9回(272)10回(138、1/15現在→最終275)

(感想)

 こんにちわ、感想を書かせてもらうのは4回目です。
結論:昨晩の番組は大変面白かったし、愉快でした。実は私は歴史認識問題についてネット上でたくさん発言してきたので、田母神氏が出演するのではロクな番組にならないのではと危惧していました。特にそれが若者と組み合わされば彼らの意図がどこにあるにせよ右傾化した内容にならざるを得ないと思ったからです。実際今まで田母神が出た番組(たかじんのそこまで言って委員会ビートたけしTVタックル年末特番など)は、中で議論はあったにせよ、全体としていずれもそうした傾向にあったからです。

 しかし昨日の番組はそうではなくよかった。それも議論の応酬で田母神をただやりこめるのではなく、ゆるやかにやりとりをしながら、やはり田母神の言ってるのいけないことらしい、という雰囲気がはっきりしていた点がいいと思います。そういう構成のゆるさとその結果がよかった。軍備を持つこと自体がなぜ危険か説明した森永さん、ゆるゆるベースで平和を説く室井さん、EUの基盤に平和への願いがあることを説く山田さん、みなさんユニーク(中々聞けない意見)でよかったです。そして何より久米さんの「小泉がアジッタら戦争になったかも」はさすがテレビ人だけあって鋭いと思いました。私は2005年の小泉劇場に関する批評をかなり読みましたが、現在の麻生に比べ小泉のパフォーマンス力は絶大で、久米さんの意見には賛成です。

 さて若者たちですが私の予想に反し非常に平和志向の人が多くて頼もしく思いました。最近若者の発する意見と言えば「丸山真男をひっぱきたい」以降、不満のはけ口や一種の進歩主義としての右傾化や日本の戦争犯罪否定が横行しているからです。ただ逆に今回あまりに優等生を集めすぎたのかも知れませんね。特に自衛隊を軍隊にするべきと考える若者は一般的にはもっと多い、そういう意味で今回の若者ははずれだったかもしれないと思います。でも平和主義は例え若者であっても多数でありそれに基づいた感覚があったのはその通りだたっと思う、番組でよかったのは「日本とどこが戦争になるか?」に若者から答えがない事、それは「将来も日本は戦争をおこされるような国ではない」と彼らが答えているという事だと思うからです。

(みんなの書き込みボード分析)

こんにちわ、先ほど感想を書いた者です。さてその後他の人はどういう感想なのか?とここの書き込みボード読んで少々驚いたのでそれにコメントします。
 2009/1/14番組への書き込みボードの感想(2009年01月15日 12:09時点まで138件)では番組への批判が圧倒的に多く、内容は「久米宏は茶々を入れてゲスト(田母神)の言う事を聞かない」「森永・室井は幼稚で論外」「戦争の終わった日を聞く件では若者を馬鹿にしようという意図が先にあり視聴率目当てで作っている」が多いと思います。

 今までも書き込みボードでの番組への批判は多かったが、今回ははかなり異常でしょう。それをスタッフはどう受け取るのか心配になりました。私は田母神氏の出演した過去のテレビ番組(たかじんのそこまで言って委員会TVタックル、および田母神は出ていないが番組の主題になっていた朝まで生テレビ)へのネット上の反応を自分で調べた結果から、以下の見方をコメントしたい。


結論:批判の多さは田母神支持者の過度な反応によるもので視聴者全体とは言い難い。また森永氏への厳しい批判は視聴者が森永氏の意見を理解していないためであり、十分説明する機会があれば反応は変わる可能性が大きい。


理由1:批判の多さは過去のTVタックル朝まで生テレビについて書かれたブログでも同様の傾向にあり、田母神支持者の番組への怒りが圧倒的多数を示しました。また田母神論文が歴史的事実としても決定的に否定された朝まで生テレビでも、番組最後の視聴者アンケートでも田母神支持が多数(60%)を占めました。逆に田母神を批判する立場で書かれたブログは非常に少ないでしょう。

 これらの現象は田母神論文支持者が「田母神目当て」で田母神の活躍する番組を期待して番組を視聴したのに、それが得られなかった不満をネット上に残した結果と思えます。現在も田母神論文の内容自体を肯定する情報は少なく、田母神支持者はそれを番組に期待したと思われる、この時番組で田母神が批判されたと感じた支持者は、素直に番組内容を受け入れず怒りだけを残したのでしょう。

 これが顕著なのは朝まで生テレビであり、これについて書かれたブログでは番組内で田母神論文が否定された事を嘆きながらも、田母神支持を叫ぶ内容になっています。また番組最後のアンケートも同じ動機で支持者が答える事が多かった為上記の結果になったのでしょう。
 これらを裏付けるのがTVタックルに関して田母神支持を表したブログでのコメント欄での私の応答経験で、ブログ主と質疑した結果そのほぼ全て(約20件)で、具体的に問い詰めると彼らが田母神を支持した根拠は後退してしまう。彼らは論文の正しさには自信はなく支持する根拠は具体的にはないと思われます。


 こうした田母神支持者の、田母神論文への態度は国防論に対してもほぼ同様で、「自衛隊は軍隊である」などの田母神の主張を支持しています。しかしその具体的な根拠はないと思われます。このため番組内で田母神が批判されると無条件に番組自体を貶すのでしょう。

 一方世間的な雰囲気では田母神論文はほぼ否定されており、多数を占める一般的な視聴者は田母神が批判(あるいは適度にいなされる)された番組には特別な反応を示さない。これは従軍従軍慰安婦問題でも同様で、日本軍の過去の犯罪的な歴史的事実について、多くの日本人の反応は受動的に認めるのが普通で、それが明示されたり田母神のような誤った主張の方が批判されても格別の反応は示さないのが普通でしょう。

 まとめますと、田母神支持者は田母神がテレビに出てきて司会者を圧倒するのを期待したが、それが満たされないと不満をぶちまけた、この行動が他の一般視聴者に比べ顕著だったので結果的に目立つ事になったのでしょう。


理由2:森永氏の軍隊否定、あるいは憲法9条の精神に基づいた国防論は、これまでの他の番組でのブログの感想でもひどい言葉で批判されています。「幼稚・論外」といった言葉で表されるそれらの感想は、国には軍隊があるのが当たり前という意識からきていますね。

 しかしそうした人に森永氏の憲法9条の精神に基づいた国防論が本当に理解されているかは疑問です。これは田母神の出演したビートたけしのTVタックルに対してのブログのコメント欄でのブログ主との質疑の経験から言えるのものですが、細かく森永氏の考え方を説明すると、当初は「幼稚」などと切り捨てたものが、説明を加えると最後には一概には否定できなくなるようです。つまり森永氏の批判者は、実は安全保障などについて、軍隊で国を守るという素朴な自分の考え方だけで自分勝手に判断し批判しているだろうという事です。

 従って番組でも森永氏の安全保障に関する考え方を細かく説明していけば、視聴者の支持は得られると思います。ただ現在のテレビではそれは時間的に困難ですね。また実際に日本政府は安保条約と核の傘で日本の安全が守られていると説明しているわけであり、憲法9条の精神に基づいた国防論を説明するにはかなりの専門的な知識が必要でしょう。森永氏は経済が専門でありこの点も森永氏へのひどい批判に結びついているのでしょう。

 日本人の圧倒的多数が平和を強く重んじる立場であり、軍隊を持ちたくない、軍備は少なくしたいという意見には肯定的でしょう。問題はそうした中立的な人にとってもテレビで刹那的に示される森永氏の意見が具体的・実感的には理解し難いことではないでしょうか?それよりも軍隊には軍隊で対抗するという「原始的な考え方」の方がわかりやすい為、森永氏を批判するのだと感じています。


以上、勝手な分析ですが、こうした事に多少なりとも関心と知識のある者として、書かせていただきました。

<テレヤツ:2009/1/14田母神氏出演回に関するブログ>

2009/1/16午後検索 Googleブログ検索 検索語:田母神×久米宏
 →全28件(肯定11否定12不明5)コメントしたもの9件(否定7肯定1不明1)

(分析)
1素人の簡単なメモが多い、印象のみで肯定否定の判別不明のみのもの多し、番組否定側でもそれ以前の右翼的行動の結果ではなく、単に番組への印象として否定的なだけ
2肯定が多い、久米宏への好感、コメンテーターへの好感。別に若者が戦争終結日を知らないことへの感想も多し、この点でも番組否定は少ない
3否定での批判内容は、久米宏が田母神を喋らせない、森永は馬鹿だ、の2点。特に森永氏の軍隊不要論はアピール大きい
4年齢は10代から50代まで、女性を含む、全体として視聴者をよくサンプリングしている印象あり→従来のと異なる
5田母神出演の従来番組(たかじんTVタックル朝まで生テレビ)との比較
 根っからの右翼的志向の方の感想が非常に少ない
 短文だが、印象を多く書いている(従来は、長文で、田母神礼賛に終始し番組内容は書かない)
 若者の知識に触れ田母神以外も焦点になっている

(感想:テレヤツ11回への感想・未投稿の可能性大)

こんばんわ、サイトを訪れたので感想を書いておきます。
 昨晩の番組はしごく普通に視聴しました、面白くもつまらなくもない。実は最初はかなり面白みを感じたが、次第にトーンダウンした。それは今年(多分年末まで)日本の政治はこんな感じなんだろうなあ〜、という冷めた感覚が表れてきたため。衆議院選挙は10月頃まで行われず、それまで日本の危機に関わらず政治は止まる。周辺の予想の言葉だけが横溢し、合従連合の期待と予想だけが走るが、動きはないだろうという停滞感。停滞したものは面白くない。
 更に私は既にそういう報道に接している為、停滞するという情報の目新しさもない。


 あるのは倦怠感だけ。本当にさっさと選挙をして欲しい。久米氏は政治家が嫌いなようですが自民党(出身)の政治家はあんな感じでしょうね、失望も不満も期待もない、ああそうかとしかいい様がない。彼らの言ってる事もわかるし選挙で選ばれるメカニズムも判る。批判はしない。
 彼らに決定的に欠けているのは政策論、「こういう事をするのが××の理由で正しい」という「議論」とそれを支える「動機・熱意」の不在ですね。逆にあるのは政治家としてより権力のある立場に立つ為の仕掛け論でしょう。確かに野中氏には日本に戦争をさせないという個人的な強い意志は感じるが、それが彼の政治的行動としては見えてこないのは非常に残念だ。

 まあ自民党(いや民主党も)政治家の相当な数はこういう感じかもしれない、そういうのを再確認させた点で他の政治を扱った番組と異なっていたのは面白かったですね。