zames_makiのブログ

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ナチス偽りの楽園(2002)ホロコースト映画

ナチス、偽りの楽園〜ハリウッドに行かなかった天才 原題:PRISONER OF PARADISE
93分 アメリカ 配給:ドリームワンフィルム) 公開:2011/04/23(新宿K's cinema他) ドキュメンタリー
監督:マルコム・クラーク 脚本:マルコム・クラーク ナレーション:イアン・ホルム オフィシャル・サイト=http://www.dreamonefilms.com/ituwarinorakuen/

上映 アルテリオシネマ(川崎市アートセンター

8/6〜8/19 1500円(木曜メンズデイ) 8/6〜14:10/16:30 8/13〜10:00/17:10
川崎市アートセンター小田急新百合ヶ丘徒歩3分)

…戦前のドイツで活躍したユダヤ人俳優兼映画監督のクルト・ゲロン。ナチスドイツによる迫害の手から逃れることに失敗し、最後はナチスが国際社会の批判をかわすために虚飾を施した強制収容所“テレージエンシュタット”でプロパガンダ映画の製作を命じられたひとりの演劇人の知られざる悲劇の物語を明らかにするドキュメンタリー。

1920年代から30年代にかけて、ベルリンでコメディー俳優、映画監督として活躍し絶大な人気を博したユダヤ系ドイツ人、クルト・ゲロンの実話を描いた作品。医者を志してベルリンに来たゲロンは、ナイトクラブの舞台の魔力に取りつかれ、ショービジネスの世界にのめりこんでいく。舞台の脇役で評判になったゲロンが最初に脚光を浴びたのは1921年。「ワイルド・ステージ」に出演中のトルーデ・ヘスターベルクがナイトクラブ「クカ」でゲロンを見て主役に抜擢したのである。彼はそのキャラクターとユーモアで、さまざまな作品に出演し、確固たる地位を築いていく。代表作に、伝説的な女優マレーネ・ディートリッヒと共演した「Blue Angel」がある。またゲロンは三文オペラを脚色し、主役のマック・ザ・ナイフを演じた。そして役者だけに留まらず、監督としても活躍の場を広げ仕事の絶頂期にあった。ナチスが次々にユダヤ人の迫害を続けていく中、ナチスから逃れる為にフランス、オランダと渡ったゲロン。そんな状況下でもゲロンは監督、役者の仕事を続けていった。しかし、ついにオランダでドイツ軍に捕えられてしまう。送られた場所は、楽園と称された強制収容所...。そこで彼はナチスの宣伝映画の監督を命じられたのだった…。

クルト・ゲロン(KurtGerron)

1897年5月11日生まれ。1944年11月15日没。ユダヤ系のドイツ人俳優・映画監督。ベルリンのユダヤ人の両親の元に生まれる。ゲロンは、ハリウッドへ招かれるが、招聘主がファーストクラスの航空券を用意しなかったために、その招きを断り、そのままヨーロッパに留まりオランダに滞在。1943年ドイツ軍がオランダを占領した後、彼はテレージエンシュタット収容所に抑留された。そこで彼は、収容者の慰安のためにカルッセルと呼ばれるキャバレーを運営していた。1944年、ゲロンはナチスの強制により、テレージエンシュタット収容所の人道性を誇示するためのプロパガンダ映画を作ることになる。撮影終了後、ゲロンはアウシュビッツに送られ、到着後すぐに処刑された。
 ゲロンが撮影したフィルムは「テレージ、ユダヤ人入植地からのドキュメンタリー」、「指導者はユダヤ人にひとつの街を与える」と題される予定だった。そのふたつの映画は断片のみが現存している。

作品歴

  • 「テレージ、ユダヤ人入植地からのドキュメンタリー」"Theresienstadt"
  • 「指導者はユダヤ人にひとつの街を与える」"The Fuhrer Donates a City to the Jews"(未完成)

Theresienstadt(1944)ユダヤ人収容所宣伝映画

ドキュメンタリー ナチス制作のユダヤ強制収容所がいかに人道的にユダヤ人を扱っているかを示すプロパガンダ映画、監督:KurtGerron
出演:Paul Eppstein(Vorsitzender des Altestenrates der Juden / Soziologe - Mannheim - Berlin)Karel Fischer(Dirigent)Kurt Gerron(Regisseur - Schauspieler)Frau Gortz(Grafin - Holland)Adolf Hitler(Himself)Hans Krasa(Komponist - Prag)Alfred Meissner(Jurist - ehem. Minister - Tschechoslowakei)Jo Spier(Maler - Zeichner - Holland)
IMDBによる説明)

This is the only film known to be made by the Nazis inside an operating concentration camp. Germany's Ministry of Propaganda produced this 1944 film about Theresienstadt, the "model" ghetto established by the Nazis in 1941 in Terezin, a town in the former Czechoslovakia. Joseph Goebbels intended to use the film to prove to the International Red Cross and the world that Jews were being well-treated in the camps. The film, however, is an elaborately staged hoax presenting a completely false picture of camp life. Upon completion, the director and most of the cast of prisoners were shipped to Auschwitz. Only a few survived to attest to the falsity of the film. Includes study guide. (Written by National Center for Jewish Film)

マルコム・クラーク Malcolm Clarke(英国人ドキュメンタリー作家)

<Malcolm Clarke プロフィール>
監督/脚本家 1953年生 ドキュメンタリー映画監督、脚本家。現在、カナダのモントリオールに在住。英国出身。
作品歴:

  • Soldiers in Hiding(1985):ベトナム戦争帰還兵が故郷での生活になじめずアメリカの荒野で暮らす物語、アカデミー賞ドキメンタリー部門ノミネート
  • Vigilante (documentary) (1987)
  • Do the Guilty Go Free? (documentary) (1988)
  • You Don't Have to Die(1989):悪性リンパ腫と闘う少年、アカデミー賞ドキメンタリー部門授賞
  • Surviving Salvation (documentary short) (1992)
  • Voices (1995)
  • ライ麦畑をさがして」(原題:The Catcher in the Rye)(2001)劇映画、D.J サリンジャーの名作の映画化
  • ナチス、偽りの楽園(Prisoner of Paradise)(2003):2011年日本公開 ナチガス室で死んだユダヤ人俳優、アカデミー賞ドキメンタリー部門ノミネート
  • Chasing Holden (2003)
  • The Pig Farm (documentary) (2011)
  • 「Dancing With Giants」(スティーブン・スピルバーグ監督作予定)
  • 「戦争のない世界へ」World Without War(2012)予定