zames_makiのブログ

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GHQ占領下で公開されたアメリカ製戦争映画

オールシネマで"戦争"ジャンルとされているもの、製作年が1942から1945は製作時から明らかなプロパガンダ目的で製作された映画、その他もアメリカ政府により日本人の教育・宣伝に好ましいと判断されたもの。配給の多くはセントラル映画。当初は戦争ものは避けたが、1949〜1959年に当時の戦争状況への語りの穏健な戦争映画を公開し、1951年占領解除直前には月1本のペースで戦争中のアメリカ人向け対独戦プロパガンダ映画を日本人教育用に日本で公開したように見える。この中でも「カサブランカ」の公開は時期的に早い

<1946年公開>

  1. カサブランカ (1942)…公開1946/06、出演:Hボガード、フランスと共にドイツと戦うアメリカ人、最も有名なプロパガンダ映画
  2. ■ラインの監視WATCH ON THE RHINE(1943)…公開1946/03、対独プロパガンダ、出演:Bデイビス

<1947年公開>

  1. 嵐の青春(1942)
  2. 海を渡る唄(1943)
  3. 心の旅路(1942)
  4. コルシカの兄弟(1941)
  5. 脱出(1944)
  6. 鉄腕ジム(1942)
  7. 謎の下宿人(1944)
  8. 夜霧の港(1942)

<1948年公開>

  1. ◇我等の生涯の最良の年 THE BEST YEARS OF OUR LIVES(1946)…公開1948/06、監督Wワイラー、出演Dアンドリュース、WW2軍人の社会復帰、平和的な主題、アカデミー賞受賞
  2. □パーキントン夫人 MRS. PARKINGTON(1944)…公開1948/11/、出演:Gガーソン(ミニヴァー夫人の2本目)

<1949年公開>

  1. ■大空に散る恋I LIVE IN GROSVENOR SQUARE(1945)…公開1949/4、戦争下イギリスでの米軍人の恋愛
  2. ◇ミニヴァー夫人 Mrs. MINIVER(1942)…公開1949/05、空襲下英国で戦争に勇敢に立ち向かう銃後の社会、効果的なプロパガンダ
  3. ■果てなき船路 THE LONG VOYAGE HOME(1940)…公開1949/05、監督:Jフォード、主演Jウェイン、WW2勃発で爆弾を輸送する勇気ある船乗り、公開時日本で酷評された?

<1950年公開>

  1. ■鬼軍曹ザック THE STEEL HELMET(1950)…公開1950/8 監督:Sフラー、朝鮮戦争の最中に製作され戦争を悲惨と描く。公開の目的は何か?
  2. ◇戦場(1949)…公開1950/10、監督Wウェルマン、WW2後最初に作られたWW2欧州戦線を描く戦争映画、悲惨な戦闘と描く、公開の目的は何か?
  3. ◇頭上の敵機(1949)…公開1950/11、出演:Gペック、部下を失う恐怖に耐えドイツを空爆する勇敢な飛行隊指揮官

<1951年公開>=毎月の戦争映画公開、この年公開されたアメリカ映画167本、この中で1942〜1944年の間に製作されたもの(すなわちプロパガンダが強く推測される)や、戦争を主題とする映画は以下。コメディシリーズ「腰抜け」「極楽」は戦争開始以前からシリーズで製作されているが、戦時中は戦争主題となりプロパガンダとなったと思われる。

  1. ◇大空輸 THE BIG LIFT(1950)…公開1951/1、出演:モンゴメリー・クリフト、1948年のベルリン空輸でソ連を圧倒する米軍、[http://www.archive.org/details/The_Big_Lift:title=]
  2. 駆潜艇K-225 CORVETTE K-225(1943)…公開1951/02、米軍に協力するカナダ人
  3. ■熱砂の秘密 FIVE GRAVES TO CAIRO(1943)…公開1951/4、監督Vワイルダー、反ナチ映画
  4. ◇サハラ戦車隊(1943)…公開1951/04、出演:Hボガード、アフリカ戦線で多国間協調で戦うアメリカ兵、CIEの評価高い
  5. ■腰抜けと原爆娘LET'S FACE IT(1943)…公開1951/04/ コメディ Bホープ
  6. ■極楽スパイ狩りAIR RAID WARDENS(1943)…公開1951/05/ コメディ・ローレル&ハーディ防空監視員がナチスパイを発見
  7. ■極楽スパイ騒動THEY GOT ME COVERED(1943)…(参考)未公開 コメディ・ローレル&ハーディ、ドイツ軍皮肉る
  8. Uボート撃滅 THE NAVY COMES THROUGH(1942)…公開1951/06、Uボートと勇敢に戦う海軍軍人
  9. 荒鷲戦隊EAGLE SQUADRON(1942)…公開1951/06 真珠湾前に米人が英国空軍に参加
  10. 渡洋爆撃隊 PASSAGE TO MARSEILLE(1944)…公開1951/08、出演:Hボガード、フランスで仏人と協力し戦う米国人、「カサブランカ」の2本目
  11. ◇潜航決戦隊 CRASH DIVE(1943)…公開1951/09、出演:Tパワー&Dアンドリュース&Aバクスター、カラー作品、非常に娯楽的で1961年以降の戦争映画に似る、しかしプロパガンダになっている
  12. 北大西洋(1942) …公開1951/10、主演:Hボガード、ソ連を救援する輸送船団とアメリカ海軍
  13. ◇二世部隊 GO FOR BROKE!(1951)…公開1951/12、欧州戦線での日系2世部隊の勇敢な戦闘

<1952年公開>

  1. 絶海の嵐 REAP THE WILD WIND(1942)…公開1952/07、19世紀の話?
  2. 風と共に去りぬGone With The WIND (1939)…公開1952/09、力強いアメリカを訴えるカラー大作
  3. ■君去りし後 SINCE YOU WENT AWAY(1944)…公開1952/09、出征兵士の銃後、女性も看護婦として貢献
  4. 砂丘の敵 SUNDOWN(1941)…公開1952/09、アフリカ戦線での英国軍の苦闘、[http://www.archive.org/details/Sundown_:title=]
  5. ◇誰が為に鐘は鳴る(1943)…公開1952/10、出演:Gクーパー、スペイン内乱で自由のために活躍するアメリカ人

駆潜艇K-225 CORVETTE K-225(1943)…公開1951/02/、カナダ海軍

烈しい戦闘の後、沈没した駆潜艇の艇長マクレイン中尉は他の生き残りの部下と共に連合軍の駆逐艦に救われ、故郷のカナダの港に帰った。彼の心は、親友カートライト中尉が救命艇の中でUボートに射たれて戦死した哀しみで一杯であった。彼はカートライトの妹ジョイスに兄の死を告げたが、哀しみのあまり彼女は彼を相手にもしなかった。カートライトのもう1人の弟ポールは駆潜艇乗りを嫌がっていたが、皮肉にもマクレインの新艇Kー225勤務を命ぜられ、そして艇は新しい戦闘に向かうため大西洋に処女出撃を行なうことになった。出発の前夜、ジョイスはマクレインに先日の非を詫びに来、2人の心は最後の幾時間かを共に過ごすことで近よった。数日後艇は護衛しているイギリス船を攻撃され、ポールはりりしい武者振りを見せた。目的地に近づいた頃、艇と船団は敵の海空よりの攻撃にさらされた。激闘の後、艇は大損傷を負いながらも敵潜を撃沈した。その潜水艦こそかつてカートライトに残虐を敢てしたUボートであった。修理を終えてイギリスの港から再び北大西洋をカナダへ引き返す頃、故郷の港ではジョイスがマクレインを待ちこがれていた。

熱砂の秘密 FIVE GRAVES TO CAIRO(1943)…公開1951.4、監督Vワイルダー

1942年北アフリカ戦線。ロメル将軍傘下の独軍に追いつめられた英軍の敗残兵ブランブル伍長(フランチョット・トーン)は、ひとりシディ・ハルフェイアのホテルに辿りついた。直ちにロメル将軍(シュトロハイム)が町に進駐して来、ブランブルは先夜の空襲で死んだ給仕に変装してそれを迎えた。ホテルのフランス人女中ムーシュ(アン・バクスター)は、弟をダンケルクで捕虜にさせられたので、その助命をロメルの副官シュヴェグラー中尉(ピーター・ヴァン・V・アイク)に乞い、体を代償にして許された。死んだ給仕は独軍のスパイだったので、ブランブルはロメル将軍の機密に接する機会を得、やがて彼は将軍がエジプトの五地点に秘密貯蔵庫をかくしている事実をつきとめた。一方副官中尉はブランブルが偽者であることを見破り、かえってブランブルに殺害されたが、中尉と秘密の取り引きをしたことから嫌疑はムーシュにかかった。ブランブルは彼女をあとに残して連合軍陣地へ駆け込み、かくて独軍の機密を知った連合軍は一挙反撃作戦を敢行出来た。半年後ホテルへ戻ったブランブルは、ムーシュが連合軍の勝利を叫んで銃殺されたことをきき、改めて冥福を祈るのだった。

君去りし後 SINCE YOU WENT AWAY(1944)…公開1952/09/、出征兵士の銃後

第二次大戦に夫を送り出したアン・ヒルトン(クローデット・コルベール)は、2人の娘ジェーン(ジェニファー・ジョーンズ)とブリジット(シャーリー・テンプル)と留守宅を守っていたが、足りぬ男手を補うため退役大佐スモレット(モンティ・ウーリー)を下宿させることになった。大佐の孫ビル(ロバート・ウォーカー)は虚弱な青年で兵役を好まなかったが、しばしばヒルトン家を訪れるうちジェーンは彼に好意を持った。かつてヒルトン家に女中として使えていたフィデリアという女がまた住み込むようになった頃、昔アンを愛していたアントニー・ウィレット大尉(ジョセフ・コットン)がこの家の住人となったが、やがて彼はひとり戦線へと向かっていった。夫が休暇で帰るというしらせを受けたアンは2人の娘と駆けつけたが会えず、ジェーンが従軍看護婦になりたい希望を訴えた時、彼は戦線から賛成の手紙をよこした。しかし、やがて一家には彼の行方不明の報らせが届き、ビルもジェーンに婚約の接吻を残して去った。が暫くの後彼女の許にはビルの戦死の公報がもたらされたのであった。クリスマスの夜、一家はスモレット大佐、帰還したアントニーらを交えてささやかなパーティを開いた。フィデリアが御主人から托されたと言って家族に贈物を配った頃、けたたましい電話がアンに夫の生存を知らせてきた。

大空に散る恋I LIVE IN GROSVENOR SQUARE(1945)…公開1949.4、戦争下イギリス

ロンドンの上流階級の邸宅の多いグロヴナー・スクエーアにあるエクスモア公爵邸も、半ば徴発されてアメリカ空軍の宿舎となって、アリゾナ生れのジョン・パタースンとブルックリン生れのベンジ・グリーンバーグの二軍曹が宿ることとなった。古い伝統に生きるロンドンで、素ぼくなアメリカ兵士は見るもの聞くものすべてがはだにあわぬ感じで、何となく住み心地が悪かった。家政婦のウイルスン夫人は、英国流の礼儀を知らぬアメリカ兵に反感をおさえることができない。ある日パタースンはウイリァム・ベンの生れたタワー・ヒルへ行くのに、イギリス空軍のデイヴイッド・ブルース少佐の車に同乗し、帰途にはクラブに招待された。英国紳士のよさを認識しはじめ彼は、デヴオンにある公爵家の荘園に行った時、ブルース少佐と再び会った。そこで公爵の孫娘にあたるパトリシア・フェアフアックスという令嬢に会った。彼女の軍務についており、貴族の子女に有りがちの高慢さは清算されていた。彼女はブルース少佐と幼ななじみで、将来結婚するものと予想されていたが、フールター・ダム建設工事の技師であったパタースンに心をよせた。パタースンも彼女と少佐との間柄を知りながらも、強い愛情を感じるのであった。ブルース少佐は祖父選挙に落選したことよりも、パトリシアがアメリカ兵に恋している事実に大きな失望をおさえ得なかった。しかしパタースンは古い伝統にようされた英国貴族の令嬢がアリゾナ男の妻として、とうてい幸福であり得ないことを、知りすぎる位知っていた。彼は志願して第一線勤務についた。彼がとう乗した重爆機が傷いて基地まで帰還し得ないのを知った時美しいエクスモア公爵領の村をめっ茶滅茶にするにしのびず、落下さん降下をあえてせず、無理な不時着をして犠牲となった。この床しい武人の心はパトリシアとブルース少佐を、感激させ傷心させたのであった。