zames_makiのブログ

はてなダイアリーより移行

普天間問題へのアメリカの反応は操作されている可能性が高い

普天間基地移設問題に関して年内に決定しなければ日米同盟が危機になるというのが、産経新聞などの右派の論調だったが、2009年12月23日までにアメリカからの反応は、(1)海兵隊司令官が米軍再編が遅れるのではないかとの懸念を示した(2)クリントン国務長官が藤崎駐米大使を呼び出してアメリカは延期に同意していないと釘をさした、の2つだ。しかし(2)はおきている事実自体がかなり怪しい。
 アメリ国務省は藤崎駐米大使を呼びつけていないとと会見で述べている。また元外交官の天木直人氏はおきた事実事態をその経験から考えてかなり怪しいと推測している(天木氏ブログ→「鳩山政権の対米外交を占う二つの出来事」http://www.amakiblog.com/archives/2009/12/23/)。この件は注意が必要だ。

国務省の「呼びつけ」を否定するニュース(TBSニュース2009年12月23日)

国務省「駐米大使、呼びつけてない」(12月23日12時31分配信 TBS)
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn/20091223/20091223-00000035-jnn-int.html

 「(クリントン)長官が大使を呼ぶというのは、めったにないことでございますが・・・」(藤崎一郎駐米大使)21日、藤崎大使は、クリントン国務長官に呼ばれて国務省を訪れた、と述べました。これについて、国務省クローリー次官補は呼び出しを否定しました。「大使は(クリントン長官に)呼ばれたのではなく、国務省に立ち寄ったのだ」(国務省クローリー次官補)そして、訪れた理由については、「普天間問題の解決には、さらに時間が必要だ」との日本側の立場を伝えるためだったと説明しました。

 アメリカ側は、大使の呼び出しを否定することで、「異例の会談」との印象を払拭し火消しに走った形ですが、双方の食い違いは、ギクシャクする日米関係を象徴するものといえそうです。(23日11:28)

この件に関するアメリ国務省の会見(2009年12月22日)

アメリ国務省HP→http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2009/dec/133952.htm
「Daily Press Briefings : Daily Press Briefing - December 22 [Part 2]」
(関係部分抜粋)

クローリー「藤崎大使はキャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)とクリントン長官に会い(stopped by)にやってきました。大使は(普天間移設問題に関して)日本の方針決定には時間がかかるということを伝えに来たもので、われわれは現行プランが最善のものだと信じていますが、日本政府との協議を継続していくつもりです」

記者団:「立ち寄った?呼び出されたのではないんですか?」

クローリー:「呼び出されたのではないと思います。藤崎大使がわれわれに会いに来たんです」


MR. CROWLEY: The – I think the Japanese ambassador came by to see both Assistant Secretary Kurt Campbell, stopped by to see Secretary Clinton. During the course of the meeting, the ambassador gave us an indication that they needed more time to work through issues related to the basing agreement. We continue to believe that the current plan provides the best way forward, but we’ll continue our discussions with Japan on this issue.
QUESTION: You said that – “stopped by.” You wouldn’t describe him as being called in on a --
MR. CROWLEY: All right, let me --
QUESTION: -- day when the government was being closed and --
MR. CROWLEY: He was – I think – my – I mean, he – I don’t think he was called in. I think actually he came to see us.Yes.

全体はブログ「すみっち通信」日本メディアは襟を正せ!(12月22日)で翻訳されている。
会見の翻訳は→http://sumichi7878.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-4a75.html

これを伝える琉球新報(全国紙は全て黙殺)

米国務次官補「大使が会いに来た」 「呼び出し」報道を否定(琉球新報 2009年12月24日)

 クローリー米国務次官補(広報担当)は22日の記者会見で、クリントン国務長官が21日に藤崎一郎駐米大使を米軍普天間飛行場移設問題で呼び出したという日本メディアの報道について「藤崎大使の方から訪れた」と否定した。その上で、大使の「日本は方針決定に時間を要する」という説明に理解を示し、日本との協議を継続する考えを示した。
 記者の「クリントン国務長官が藤崎大使を呼び出したそうだが、会議内容についての資料はあるか」との質問に対し、クローリー氏は、呼び出したのではなく藤崎大使の方からクリントン長官とキャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)を訪れたと説明した。
 クリントン氏がコペンハーゲンでの鳩山由紀夫首相との会談内容に触れ、普天間問題についての見解を藤崎大使に示したという日本メディアの報道には「(コペンハーゲンで)クリントン長官が鳩山首相と会ったのは会合へ向かう途中と晩さん会の2度。何を話したかは定かではない」と述べた。
 米政府の見解として「(普天間移設問題は)日米間において重要な問題であり、日本政府との協議は継続していく。現行計画は、沖縄の負担軽減と日本防衛、地域の安全維持という点において最善なものだと信じている」と強調した。
 記者会見の内容は米国務省のホームページで確認できる。(平安名純代ロサンゼルス通信員)

これを指摘するネットニュース(JANJAN 2009/12/25)

またしてもNHKニュースで報道の名を借りた「世論誘導」 山崎康彦(JANJAN 2009/12/25)
http://www.news.janjan.jp/media/0912/0912250780/1.php

NHKはまたしても25日朝のニュースで報道の名を借りた「世論誘導」を行いました。(略)藤崎駐米大使が日本の外務省が発表する前に現地で記者会見で言ったように「クリントン国務長官が藤崎駐米大使を呼びつけた」ことが本当だったのか嘘だったのかの疑惑です。「呼び出し」の翌日クローリー国務次官補は「呼んでいない。(藤崎)大使が立ち寄ったのだ」と記者会見で反論しました。藤崎駐米大使が何らかの目的で「でっち上げた」のではないのかとの疑惑が広がっているのです。
(中略)
 このニュース自体はほんの1分程度の短いものでしたので「世論誘導」だったことに気づいた人はほとんどいなかったと思われます。これこそ「ニュース報道は真実である」「NHKニュースは正しい」との国民の素朴な思い込みを利用したNHKの「世論誘導」の手法なのです。