zames_makiのブログ

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<オリエンタリズムの焦点としての蝶々夫人>

蝶々夫人の物語の歴史)
1887年 海軍軍人ピエール・ロティ(フランス)の小説「お菊さん」
1898年 ジョン・ルーサー・ロング(アメリカ)の短編小説「Madama Butterfly」
1900年 劇作家デーヴィッド・ベラスコ(アメリカ)の戯曲「Madama Butterfly」上記を参考に
1904年、プッチーニ作曲のオペラ「Madama Butterfly」上記を第一幕を戯曲に書き加える→大ヒット


(ほぼオペラ蝶々夫人の"物語"をそのままドラマ化した映画?)
1A la flamme le papillon se brule les ailes (1912) 仏 英題 "At the Flame, the Butterfly Burnt Its Wings"
蝶々夫人Madame Butterfly (1915) 米 Sidney Olcott、メアリー・ピッグフォード、Marshall Neilan →日本公開▲
3Le menage du Madame Butterfly (1920) 仏 
4Grosstadtschmetterling (1929) 独 英題 "Pavement Butterfly"
蝶々夫人Madame Butterfly (1932) 米 Marion Gering、Sylvia Sidney、ケーリー・グラント主演 →日本公開大ヒット▲
6Il sogno di Butterfly (1939) 伊 Maria Cebotari、Luigi Almirante 英題"The Dream of Butterfly"
お蝶夫人の幻想(1940) 製作=朝日映画社 12分 白黒 演出:荒井和五郎・飛石仲也 独唱:三浦環 合唱:三浦環声楽団 英題 "Madame Butterfly's Fantasy"
蝶々夫人Madama Butterfly (1954) 伊=日 Carmine Gallone、八千草薫Nicola Filacuridi →伊=日合作、大作◆
9Hu die fu ren (1956) 香港 Wen Yi、Li Hua Li、He Huang 英題"Madame Butterfly"
10青い目の蝶々さんMy Geisha(1961) 米 シャーリー・マクレーン (参考)
11蝶々さん(1985)TV(TBS) 鴨下信一 三田佳子、ジョージ・チャキリス、…アメリカの海軍将校を愛した売れっ子芸者・八重の半生。
12Madame Butterfly (1995) 仏 Frederic Mitterrand、Ying Huang、Richard Troxell


(参考:GEISHA)
△「間諜777」GEISHA GIRL <未> (1952)日米合作 おかしな描写
◆「サヨナラ」SAYONARA(1957)米 出演:マーロン・ブランドナンシー梅木朝鮮戦争の米兵と日本娘
△「黒船」THE BARBARIAN AND THE GEISHA (1958)米 出演:ジョン・ウェイン・安藤永子 …唐人お吉
△「底抜け慰問屋行ったり来たり」THE GEISHA BOY (1958)米 主演:ジェリー・ルイス、早川雪舟
△「青い目の蝶々さん」MY GEISHA (1961)米 出演:シャーリー・マクレーン
◆「007は二度死ぬ」YOU ONLY LIVE TWICE (1967)米 主演:浜三枝、
△「将軍 SHOGUN」(1980)米TVシリーズ 主演:島田陽子リチャード・チェンバレン
△「ミスサイゴン」1991〜 米 ミュージカル
◆「SAYURI」MEMOIRS OF A GEISHA (2005)米 出演:チャン・ツィイー渡辺謙


(参考:お菊もの)
1932.11.10 残されたお菊ちゃん 製作=松竹キネマ(蒲田撮影所) 浅草松竹館 5巻 白黒 無声 監督:野村浩将 脚本:伊藤冴 原作:伊藤冴 出演:市村美津子
1938.03.08 お菊ちゃん 製作=日活(多摩川撮影所) 富士館 6巻 白黒 監督:森永健次郎 脚本:小島武夫 出演:橘公子 星ひかる
1940.02.01 シベリヤお菊 製作=大都映画 大都劇場 7巻 白黒 監督:吉村操・和田敏三 脚本:土田耕平 原作:土田耕平 出演:水原洋一
1954.03.03 お菊と播磨 製作=大映(京都撮影所) 94分 白黒 監督:伊藤大輔 脚本:伊藤大輔 構成:川口松太郎 原作:岡本綺堂
1954.03.16 裸になった蝶々さん 製作=東芸映画プロ 7巻 白黒 監督:松角知巳男 脚本:松角知巳男 原作:松角知巳男 出演:原田一


(参考:蝶々夫人×オリエンタリズムの本)
◇マッツ・カールソンMats KARLSSON(シドニー大学)による発表→西洋映画での日本女性表象でのオリエンタリズム(性的対象化・裸体露出)
◇志村三代子(早稲田大)による発表→「蝶々夫人1932年版の結末変更のいきさつ」
オリエンタリズムジェンダー:「蝶々夫人」の系譜 / 小川さくえ. 法政大学出版局, 2007.10
×マダム・バタフライ表象における性の政治学 / 宗形賢二=(所収:比較文学の世界 / 秋山正幸編 南雲堂, 2005)=たいしたこと書いてない
□表象としての日本 / 日高昭二. 御茶の水書房, 2009(蝶々夫人物語とキリスト教 / 鳥越輝昭、「マダム」バタフライをこえる試み / 山口ヨシ子)→国会

□1950年代の香港における映画製作の実態に関する一考察--日本での製作活動と『蝶々夫人』を中心に / 韓燕麗 人間・環境学. 12 [2003]
アメリカ演劇における「蝶々夫人」伝説と日本女性--M.Butterflyの周辺 / 古木圭子 高知女子大学文化論叢. (4) [2002]
□オペラ「蝶々夫人」と日本占領の関係について / Brian Burke-Gaffney 平和文化研究. 23 [2000]
ジャポニズムにおける日本像--「蝶々夫人」を読む / 相沢敬久 人文学科論集. (通号 26) [1993.03]