暁の翼(1960)自衛隊宣伝
=自衛隊宣伝映画、協力:在日米軍&防衛庁、=救援捜索隊は在日米軍しかないと嘆く自衛隊員、もう死んでるだろうなど、非常に自衛隊に批判的かつ露悪的だがそれは軍隊批判ではなく、もっとよい装備と大規模化が必要との趣旨による。
製作=大映(東京撮影所) 公開:1960.04.06 白黒 大映スコープ
製作:永田雅一 企画:塚口一雄 監督:富本壮吉 脚本:井手雅人 下飯坂菊馬 音楽:大森盛太郎
出演:三田村元 友田輝 金田一敦子 左幸子 菅原謙二
菅原謙二(北川一尉)遭難機の機長、死ぬのを怖がる
友田輝(高井二尉)遭難機の練習生、意気地ない
藤田進(榊一佐)所属部隊長、非常に立派
左幸子(北川和枝)菅原謙二の妻、大変に心配し自衛隊捜索隊に訴える
金田一敦子(高井敏子)友田輝の妻、心配のあまり具合が悪くなる
夏木章(清水二佐)
村上不二夫(田坂二尉)
早川雄三(土橋一尉)
若林祥二(県一曹)
…太平洋上で遭難したジェット機を救助した実話「257号機帰還せず」より
宮崎・新田原基地の自衛隊機の事故で、太平洋上に51時間漂流した隊員2名の救出劇をドラマティックに描く。『257号機帰還せず』を原作とし、本格的航空映画のスケールで、男たちの友情と夫婦の絆、不屈の人間愛をドキュメンタリータッチで謳う感動作。航空自衛隊の教官・北川と学生の高井を乗せた257号機は計器故障を起こし、2人はやむなく太平洋上へ落下傘降下する。日米両軍の懸命の捜索にも関わらず2人を発見することはできなかった。死の恐怖と絶望が2人を襲う。
あらすじ
その日の気象状態は極めて悪かったが、航空自衛隊新田基地からT33ジェット257号機が飛び立つことになった。座席に覆幕をかけて計器飛行の訓練を行うためである。搭乗員は教官の北川一尉と学生の高井二尉。九州南端の赤松山レーダー基地で、土佐沖を太平洋に向けて南下している飛行機を捉えた。応答がない。各基地に問い合せた結果257号機であることが判った。とぎれとぎれの誘導の中で機は飛び続けた。北川一尉は座席の覆幕を取り除いたが視界は霧にきえぎられて全然きかない。計器は全く用をなさなくなった。残りのガソリンはわずかに一一〇ガロン。高度一万五千、突然視界が開けた。眼下は芒洋として拡がる海。高度五千で二人は機を脱出した。落下傘降下。この遭難事故は伝わり、各基地から捜査機が飛び立った。海上保安庁から巡視艇が、海上自衛隊から駆逐艦も出動した。遭難地点は土佐沖約三百哩。北川と高井の降下地点はかなり離れていた。北川は救命ボートの上で、妻や二人の子供のことを考えた。高井も新妻の敏子を思った。翌日、空と海からの捜索に米軍の協力も加わった。敏子は医師から妊娠二ヵ月を知らされたばかりだ。鱶の群が二人を襲った。北川は遺書を書き始めた。朝が来た。二人はもはや生きることをあきらめた。その時見えたのだ。捜査機が二人を発見したのだ−−。