zames_makiのブログ

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ラスト、コーション (2007) LUST, CAUTION [色・戒]

158分 中国/アメリカ 公開2008/02/02 ジャンル ロマンス/サスペンス/戦争
監督: アン・リー 原作: チャン・アイリン
脚本: ワン・フイリンジェームズ・シェイマス
出演: トニー・レオン(イー)
タン・ウェイ(ワン・チアチー=マイ夫人)
…一人の女スパイの愛の葛藤を描く官能サスペンス。日本軍占領下の上海と香港を舞台に、想いを寄せる人のため図らずも抗日運動に身を投じたヒロインが、日本軍と手を組む祖国の裏切り者の男を暗殺すべく、色仕掛けで接近していく中で展開していく男と女のギリギリの心理戦がスリリングに綴られていく。過激な性愛描写が大きな物議を醸した。
 1942年、日本軍占領下の上海。ごく普通の女子大生チアチーは、抗日運動に心血を注ぐクァンに秘かな恋心を抱き、彼と行動を共にする中で次第に感化されていく。やがてチアチーは、日本の傀儡政府に協力する特務機関のリーダー、イーに近づき暗殺を遂行する危険な任務を与えられる。さっそく身分を偽りイー夫人に接近し、冷徹で異常なほど用心深いイーを誘惑する機会を窺うチアチーだったが…。
http://www.wisepolicy.com/lust_caution/(日本語)
http://www.bvi.com.tw/movies/lust_caution/  (中国語)
http://www.filminfocus.com/focus-movies/lust-caution/synopsis.php(英語)
◆レビュー:嘘の世界とリアルな肉体的性愛を対比させたアン・リーの“問題作”(北小路隆志)(eiga.com)
すでに開始から5年が経過しようとする戦争の渦中にあって1942年の上海は実質的に日本の支配下にあり、その手先である現政権は抗日運動を企てる自国民に厳しい弾圧を加えている。本作のヒロインは激しい時代の流れの中で抗日運動に身を投じ、女スパイとして弾圧側のスパイ組織のボスに色じかけ(?)で接近、彼の心をつかむことに成功するが、見せかけであったはずの彼らの恋愛がいつしか本物のそれと見分け難くなる……。  アン・リー監督の最新作は前作「ブロークバック・マウンテン」に引き続き“禁断の愛”を鮮烈な性描写も交えて描く“問題作”だ。たぶん本作で僕らが目撃する性描写は、作戦のための見せかけの恋愛……といった人間の心理的動機の不確かさや弱さを際立たせるために必要とされるのだろう。実際、現政権側の人々によって享受されるブルジョワ的な快適生活は同胞を弾圧し敵国日本の保護を受けてのみ可能な“見せかけ”であり、この映画での上海全てが嘘で固めた世界でさえある。そんな中、ただ男女が裸で渡り合う肉体的性愛のみがリアルな次元にあるのだ。ヒロインとその演劇仲間がいきなり過激な抗日運動組織へと変貌する前半の展開も魅力的だ。彼らはまるで遊戯やお芝居に興じるかのように革命集団になる。40年前に撮られたジャン=リュック・ゴダールの傑作「中国女」での毛沢東に憧れるパリの学生たちのように……。