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天狗党(1969)反体制

原作:三好十郎()
製作=大映(京都撮影所) 公開:1969.11.15 9巻 カラー ワイド
製作:永田雅一 監督:山本薩夫 脚本:高岩肇 稲垣俊
出演:仲代達矢 若尾文子 加藤剛 十朱幸代 中村翫右衛門 山田吾一 神山繁

感想:三好十郎は反体制作家

日本映画専門チャンネルで視聴、原作者三好十郎は反体制作家であると
主演仲代達矢氏がインタビューで述べていて興味を持つ。
幕末、暴力的な世直し(尊皇攘夷)を行おうとする水戸藩の浪士の戦闘集団に百姓あがりの渡世人が加わる話。主人公は政府の非情な税取り立てで拷問を受け、その手先であるヤクザへの恨みを晴らすため、刀を振るい結果としてヤクザとして天狗党に加わる。しかし天狗党は仲間内の政治に傾き、百姓=庶民を顧みず、ついには協力者である主人公まで自分たちの存命のために殺そうとする。
 庶民がいかに為政者や、名前だけの革命家に泣かされ虐げられるかを訴えている。江戸時代の話であるし、立ち回り多く娯楽的だが、そのまま政治風刺にもなっている。その全体枠はよいが今見ると救いがないし、画面が暗いし、開放感がなく好きになれない。左翼的・民主主義民衆活動に勢いがあったときに反省的・きっかけ作りに見るべき作品だろう。

<三好十郎(脚本家)>
『斬られの仙太』=政府に対する民衆の反抗→映画化:「斬られの仙太」(1949滝沢英輔)「天狗党」(1969山本薩夫)「戦国群盗伝」(1969杉江敏男

脚本映画リスト
1935.11.29 傷だらけのお秋  新興東京
1936.09.21 母なればこそ  P.C.L.(原作)
1936.11.12 彦六大いに笑ふ  P.C.L.
1937.02.11 戦国群盗伝 前篇 虎狼  P.C.L.=前進座
1937.02.20 戦国群盗伝 後篇 暁の前進  P.C.L.=前進座
1938.02.01 地熱  東宝映画東京
1940.01.27 幸福の窓  日活多摩川
1940.03.07 彦六なぐらる  南旺映画
1941.04.17 相寄る魂  新興東京
1941.10.25 鷲ノ王峠  松竹下加茂
−−−−敗戦−−−−
1947.09.02 おスミの持参金  東宝
1949.04.05 斬られの仙太  東宝=49年プロ(反体制テーマ)
1954.03.31 美しい人  ダヴィッド・プロ
1955.10.11 沙羅の花の峠  日活
1959.08.09 戦国群盗伝  東宝(再映画化)
1969.11.15 天狗党  大映京都(反体制テーマ)