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パレスチナ(ガザ)でオバマの化けの皮がはがれる

 ここ数日テレビ・新聞はオバマの就任パレードと演説で祝賀ムード満開だ。確かにオバマイラク戦争をやめ、アメリカが単独行動主義により世界中で戦争をしかけるのをやめてもらえる期待感がある。しかし今のイスラエルのガザへの攻撃、その背景となっているイスラエルパレスチナ占領に気をとめている者にとっては、オバマはずっと懐疑的な存在だったのではないか?
 今回のイスラエルのガザへの攻撃は、明らかにオバマの就任前の駆け込みであり、パレスチナ人の大量殺人を世界中の人の前で平気で行っているイスラエルも、オバマには配慮していた、オバマにしても現在進行形で行われている大量殺人には否定的な事を言いやすいから。そして私も少しだけ期待した。

 しかし今日そのオバマの化けの皮がはがれた。以下のTBSニュースが示しているのは、オバマパレスチナ問題に関してはブッシュと差はないという事イスラエルの大量殺人は容認し、パレスチナ人のささやかな抵抗には止めろという。そして占領を容認し、ゆっくりとしたパレスチナ人のガザという大規模な収容所での死を当たり前の事と容認する。


 これが現実だ。オバマの言ったことを分かりやすく、直す。
1「イスラエル自衛権を支持する」→イスラエルの圧倒的な攻撃によるパレスチナ人の大量殺人は継続して行ってよい


2「ハマスにロケット攻撃をやめるよう要求」→対してパレスチナ人の抵抗は禁止する、被占領者のささやかな抵抗を理由に占領側の圧倒的な虐殺は容認される


3「ガザ地区の人道状況には懸念を示した」→占領・封鎖解除にはふれない。従って占領と封鎖でイスラエルが食料・燃料を与えず、生かさず殺さず状態によるゆっくりとしたパレスチナ人の殺人は容認する。



 オバマは「医療品の欠如・病院がないことによるパレスチナ人の死は当たり前の事だ、ガザが封鎖されることで産業が成り立たず、最低限の貧困状態に意図的に放置されるのは当たり前の事だ。パレスチナ人の若者には教育も産業も将来はなく、ガザという収容所でのゆっくりとした死か、イスラエルへの攻撃しか将来はないのは当たり前のことだ。ハマスイスラエルに抵抗するからパレスチナ人が公正な選挙で選んだ代表であっても認めない。即ちパレスチナ人の民主的な組織は認めない。その結果国際社会の側がパレスチナ人との対話を拒否している事は正当なことだ」と言っているのに等しい。

オバマ大統領、イスラエル支持鮮明に(TBSニュース 2009年1月23日09:10)

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4045204.html

オバマ大統領は、就任後初めて中東情勢に言及し、多くの死者を出したパレスチナ自治区ガザへの攻撃を批判することなく、イスラエルを支持する姿勢を鮮明にしました。「はっきり言います。アメリカはイスラエルの安全にコミットします。脅威に対するイスラエル自衛権を支持します」(オバマ大統領)

 (中略)就任まで発言を控えてきた中東情勢については、イスラエルに対し「自衛権を支持する」と明言する一方で、パレスチナ側に対しては対イスラエル強硬派ハマスにロケット攻撃をやめるよう要求しました。ガザ地区の人道状況には懸念を示したものの、多くの死者を出したイスラエルの攻撃を批判する言葉はなく、これまでイスラエル寄りの姿勢を取り続けてきたアメリカの方針に、新政権でも大きな転換がないことを伺わせました。

参照

イスラエルのガザ攻撃で何が問題か、についてなぜかメディアは正しく伝えていない。問題はハマスのロケット弾ではなく、イスラエルが占領を続け、ガザを封鎖していることだ。これらを伝えている専門家などのサイトは以下を参照。

◆「問題はハマスのロケット弾ではない」(広河隆一)→http://daysjapanblog.seesaa.net/article/112508511.html
◆「一方的戦闘行為停止は攻撃継続に等しい」(早尾貴紀)→http://palestine-heiwa.org/news/200901180745.htm
◆「ガザの人たちを沈黙のうちに死なせないために」(アリ・アブニマー)→http://palestine-heiwa.org/news/200901220004.htm
「2009.1.11緊急集会での専門家コメント」
◆錦田愛子(東京外語大学・研究員)犠牲者はパレスチナは負傷者3000人、死者760人、イスラエルは負傷62人、死者13人。このどこが「どっちもどっちなのか?」
◆山本薫(東京外語大学助教):イスラエルは2007.10頃からガザを封鎖し収容所化している、食料・燃料を与えない。そして2008.3.1にロケット弾攻撃がやまないないならガザをホロコーストするとし、2008.6から攻撃を計画、エジプトなどは事前に知らされている、攻撃前には計画的に停戦しそこれをハマスが破ったことを理由にしている。今回の攻撃は完全に計画された一方的な大量殺人だ。
臼杵陽(日本女子大学・教授):イスラエルの侵攻作戦の名前は「オフェレット・イェツカー」ユダヤ教の祭りハヌカーで使う子供の遊具こまの名前だ。戦争ゲームなのか?(前田哲男を引用し)我々は、ゲルニカ重慶ヒロシマ−の流れに、ガザを加えなければならないのか?実際、イスラエル国民はこれを支持している。それは見ても見えないから、それは日本人が重慶爆撃を無視したように。
◆飯塚正人(東京外語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・教授):対テロ戦争は誰がテロリストかわからない、制服をきていないから。結局死んだ奴がテロリストになってしまう。パレスチナで死んだ男は皆テロリストとされかねない。そんな無茶な論理が通るのか?日本で通っている例を知っている「どこか安全地帯か私が知るわけがない、自衛隊の行く場所が安全地帯なのだ」と首相が放言し通ってしまった。
酒井啓子東京外語大学):「私たち専門家がパレスチナ問題については大量に情報を出しているのに、日本社会は無視している、まったく浸透していない」
http://uiam.at.webry.info/200901/article_11.html
◆「イスラエルの一方的攻撃停止はまやかしだ」→http://0000000000.net/p-navi/info/news/200901181513.htm
◆「パレスチナ問題を理解するための基本前提」(素人視点でのわかりやすい問題理解)→http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20090117/p1
◆「歴史はカッサムロケットで始まったわけではない」(アミラ・ハス)→http://esperanzasroom.blogspot.com/2009/01/blog-post_14.html
◆「ガザでの写真」→(http://www.elfarra.org/gallery/gaza.htm
◆ガザQ&A→http://www.jca.apc.org/~kmasuoka/places/znet090116.html
◆映像で対比するナチスとガザ1→(http://axisoflogic.com/artman/publish/article_29348.shtml
◆映像で対比するナチスとガザ2→(http://axisoflogic.com/artman/publish/article_29350.shtml



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