zames_makiのブログ

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NHKの番組操作方法

・・植草一秀の『知られざる真実』(下記参照)による

  • 政府批判出演者の数を支持派より少なくする(2:1や3:1にする、自公民の3党だけにする)
  • 政府支持派の発言時間を長くする(ルールを破って)
  • 出演者選定を操作する(政府批判者に発言力の低い者をわざと選ぶ、中立であるべき識者に政府側人物をあてる、)
  • 弱い発言力の批判者を登用することで公平さを装う
  • 司会者が中立的司会を行わない、そういう人物を当てる(山本孝→島田敏男に変更)
  • 具合の悪い問題では討論を行わない

(2008年9月6日放送「日本のこれから・税金」でのやり方

  • 政府側3(伊吹・竹中・土居):批判側1(森永)の出演者比率
  • 司会者が中立的でない
  • 中立的に設定されている土居氏の発言が中立的でない
  • 若年層への負担が大きいというビデオを流した直後に設問を出して答えを誘導する
  • 財務省から見て真の問題を隠す形で設問を作り誘導する
  • 国からみて望ましい答え(日本型の社会保障)に議論を誘導する、本来2者択一であるはずなのにルール破りのそういう答えを許す、そういう答えを出した出演者を司会者が取り上げることで強調する
  • 本質でない間違った条件説明を行って議論を誘導する
  • 竹中氏の初歩的な間違いを番組は直さない、中立的である土居氏が直さない

御用マスゴミNHK増税推進番組(植草一秀の『知られざる真実』)

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/nhk_2cc1.html

御用マスゴミNO.1のNHKが9月6日夜、増税キャンペーン番組「税金 日本のこれから」を放送した。番組の内情については、「神州の泉」ブログに日本経済復活の会会長の小野盛司氏が記述されている。

9月6日の増税キャンペーン番組にも、偏向報道の基本スキームが用いられていた。出演した識者4名は伊吹文明財務相竹中平蔵氏、森永卓郎氏、土居丈朗氏だった。伊吹氏は財務省を代表し、竹中氏と土居氏は御用識者代表だ。反対意見を表明する人物は森永氏しか出演していない。


土居氏は私が1985年から1987年にかけて勤務した大蔵省財政金融研究所を前身とする財務省財務総合研究所の主任研究官を2年勤めている。財務省御用の学者である。竹中氏はテレビ番組に出演する際に援軍の同席を求めることが多いと思われる。


私が大蔵省に勤務していた1985年に、大蔵省による組織的な「情報操作=世論操作活動」が始まった。詳細を拙著『知られざる真実−勾留地にて−』に記述したので参照いただきたいが、「TPR」の名称が付けられた活動が始動した。「TPR」はTAXのPRを意味する。「TPR」はその後、主税局大臣官房企画官の職務になって、現在に引き継がれているはずである。


1985年に私は大蔵省での仕事としてマクロ計量経済モデルを用いた「税制改革の経済効果政府試算」を請け負った。中曽根政権が「売上税」を導入する計画を立て、大蔵省がそのためのプロジェクトに着手した。「TPR」はその一環として創設された。


詳細の記述は省略するが、政府試算では「税制改革が経済成長、個人消費、設備投資、住宅投資にプラスの影響を及ぼす試算結果」の導出が厳命された。マクロモデルを使用した推計結果があらかじめ決められた結論に合うように、人為的操作をモデルに加味して試算結果を導くことが任務だった。


一方で大蔵省は組織をあげて活動を展開し、あらゆるメディアに対する「言論統制」、「言論検閲」を実行した。テレビなどのマス・メディアに対しては密室での接待を含めて、最高幹部が直接、折衝した。財政金融研究所研究部が「TPR」の事務局にされたために、事務局にはすべてのデータが持ち込まれ、デイリーで情報が更新された。週間動向は「TPRウィークリー」にまとめられて関係者に配布された。


大蔵省は捏造した「政府試算」が経済企画庁から発表されるように画策した。当時の経済企画庁長官は近藤鉄雄議員だったが、大蔵省から経済企画庁に派遣されている官房長や調整局財政金融課長などが軸になり、経済企画庁内部の工作が展開された。


こうした大蔵省の極秘行動の詳細を収録したファイルが、その後共産党の手に渡り、共産党が国会で追及した。しかし、国会会期末を迎えて、問題は迷宮入りした。


9月6日夜の番組では、高齢者の社会保障を支えるための現役世代負担が重くのしかかることが、若年層へのインタビューなどで強調された。その直後に「社会保障制度を維持するための高齢者一部負担に賛成か反対か」の質問が示された。典型的な「誘導尋問」だ。


後期高齢者医療制度の最大の問題は、制度導入時の高齢者負担増加にあるのではない。高齢者の負担比率が1割と設定され、今後の高齢者負担増加スピードが現役世代の負担増加スピードを大きく上回ると予想されることが最大の問題なのだ。


高齢者が負担の激増に耐えられるはずがなく、新制度は必ず高齢者に対する医療の切り捨てをもたらすと考えられる。高齢者に対する医療を切り捨てようとする「制度設計の精神」が問題なのだ。新制度が今後、高齢者負担増加率の突出を招くことが問題とされるのだ。


NHKは設問によって問題を完全にすり替え、後期高齢者医療制度を肯定する結論を誘導している。番組末尾の米国とスウェーデンの比較では、どちらの制度も日本では簡単には選択できないと思わせ、両者の中間であると位置付ける日本の制度を充実させていくしかないとの結論を無理に導こうとするものだった。


司会者がどちらかを選びかねる番組参加者に注目したのも、伊吹財務相が「どちらでもない日本」と回答したのも、「やらせ」である可能性が極めて高い。番組参加者の一人は伊吹氏に「日本と答えるように」と教唆されたことを暴露した。


タウンミーティングでの「やらせ」が2006年に問題になったが、大蔵省は「やらせ」の発祥地でもある。大蔵省が開催していたシンポジウムでは必ず、事前にフロアからの質問と出演者の回答が用意されていた。日本経済復活の会の小野盛司会長が出席されようとしていた公開討論会でも同じようなことが計画されていたのではないかと思う。


NHK番組は「高齢者の1人当たり資産残高」が大きいことを強調して、高齢者の社会保障負担を肯定しようとしていたが、資産残高の調査では回答の「分布」が極めて重要な意味を持つ。


少数の「超資産家」が平均値をかさ上げしている可能性が高いからだ。保有資産残高別の人口分布を示さなければきめの細かい論議は不可能だ。


資産を保有せず、生存権を脅かされる高齢者が多数存在することが最重要の視点である。このような初歩的な視点を意図的に隠ぺいするところに「御用番組」の特性がいかんなく発揮されている。


竹中平蔵氏は日本が分権化した時に、「地方間の財政調整ができない」と絶叫していたが、このような初歩的な間違いを公共放送で発言したことを直ちに陳謝すべきである。地方分権を進めても、財政調整制度を残すことは十分に可能である。私は一貫して地方分権を進めつつ財政調整制度を残すべきだと主張してきた。


拙著『現代日本経済政策論』第11章「国と地方」(3)「地方の財政自主権」に、税源の地方間格差について、「税源のばらつきを均等化する財政調整制度は維持すべきである」と記述した。分権化を進めつつ、財政調整制度を維持することは技術的にも十分可能である。寝ぼけた話によって出演者の正論が封じられたのでは、とても建設的な論議は実現しない。NHKは初歩的な誤りが番組中に正されるような出演者選定を考えなければならない。


また、森永氏が「競争条件を同一にしたうえでの競争を主張する竹中氏が相続税に反対するのはおかしい」と指摘したことに対して、竹中氏は論理的な反論を示すことができなかった。日本の所得税体系は結果における格差をある程度容認するものになっている。これを前提に考えれば、高額資産保有者に対する相続税を強化すべきとの森永氏の主張は合理性を有している。


土居氏は他の出演者の発言を封じて、相続税算出の根拠となる資産把握が困難であることを長時間力説したが、瑣末な技術的問題を本質的論議に無理に絡ませる姿勢は、視聴者の不信を招くだけだ。NHKは税の問題を重要だと考えるなら、政治的偏向を回避すべく、視点の異なる独立した有能な有識者をバランスよく出演させるべきだ。


「御用マスゴミ」番組に正論を求めても無意味な気もするが、NHKの活動を財務上支えている視聴者が結束して偏向報道是正を求めて行動を起こせば、影響力を発揮できるかも知れない。「メディア民主化」の第一歩としての「NHK抜本的改革」が重要であると思う。

NHK討論番組出演者の体験談

2007年8月15日「日本のこれから、憲法9条を考える」に出演した、久松重光氏の体験、翻訳家、山梨自衛隊違憲訴訟の事務局。
http://blog.livedoor.jp/hsmt55/archives/2007-09.html
(メモ)MLで答えた意見に注目してNHKの人から電話→訪問→2時間も話す→番組出演
NHKからは是非忌憚なく自分の意見を語れとして、応援を受けNHKは護憲的との印象
護憲派の中でも差があり久松氏は、現実派とNHKは分析
番組は1人30秒程度、メモ、ペン、資料持ち込み禁止
NHKは参加市民同士の自然な討論状態を作りたかったという
番組に慣れず発言の少ない氏にNHKディレクターがもっと発言するよう励ました
しかしNHKのYES/NOの問題設定に慣れず、発言少ないまま終わる
参加市民で改憲派の中には一方的でやたら語気の強い人がいて飽きれる(気押される)
番組終了時に護憲派から三宅アナウンサーにこれではひどいという文句あり

  • NHKが周到に討論番組を用意しており、出演市民はかなりの検討の末に決定しているのがうかがわれる。それは有効な討論形成のために必要だが、どんな市民を出すかで討論の行方自体が大きく左右されるのは明らかであり、一概に公平・公正とも偏りとも判断しにくい。
  • 改憲派に威勢のいい人が多かったのはNHKの設定のためか?あるいは改憲派市民にはそんなバカしかいないからかは不明。
  • Yes/Noで問題設定を行うのには、大きな議論誘導の可能性がある