zames_makiのブログ

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金語楼の三等兵(1959)軍隊喜劇

映画 73分 製作:新東宝 公開:1959/01/15
監督:曲谷守平 製作:大蔵貢 企画:津田勝二 原作:有崎勉 脚本:川内康範
…落語でお馴染の山下敬太郎の兵隊もの。

出演:
柳家金語楼(徴兵される)主人公、落語家だが徴兵される、偉い指揮官と友達、志願して中国=満州へ、
坊屋三郎(軍曹)新兵訓練する、戦地へも同行
丹波哲郎(中隊長)新兵訓練
九重京司(嫁になる芸者?)料亭で知り合う美人
川田孝子(中国娘・白蘭?)戦地で助ける、主人公に惚れる

感想

軍隊生活を滑稽に回顧する喜劇(軍隊喜劇)、当時大ヒットし多数作られたものの一つで、本作は徴兵・新兵訓練・中国戦地での生活と戦闘と、定番的な内容と描写であり、悪くも良くもない、今の日本人からは共通体験がなくつまらない、下の上(当時であれば中の中か?)。
徴兵検査ではいかに不合格なるかを皆が工夫するが全て見破られる、新兵訓練では敬礼練習をふざけて行い叱られる、あんパンを食べ過ぎ叱られ、女郎の真似をするいじめ、同僚に殴らせるいじめなど、よく知られた定番的内容だが、いずれも至極軽い扱いで笑いの種にしてる。戦地では、中国娘を助け惚れられ、お芝居の如く非現実的な戦闘を行い、列車を救い、主人公は誉められて終わる。
 全てのエピソードが当時の現実の兵隊生活でよく起きた事を扱い、それをあり得ない事・あったら面白いだろう事に書き換える事で喜劇にしている。だがそれらの出来事の体験のない現代の観客にはひどくつまらない。
 扱われるエピソードは以下、

  • 徴兵検査=見えないふり、どもりのふり、
  • 料亭=偉い軍人と知り合う
  • 新兵訓練=敬礼の訓練、行進の訓練、皆の前で芸をする、褒美に菓子を貰う、持ち物検査、口に餡がついていて叱られる、空想で上官を馬鹿にする、罰として女郎真似、同僚に殴らせる、
  • 戦地=間違いの志願、戦地での豚の調達、慰問袋の調べ、中の手紙を読む、中国娘を口説く、
  • 戦闘=匪賊(軍服はなく毛皮半纏を着てる)との村での戦闘、匪賊が列車鉄橋に爆弾をしかける

金語楼シリーズ>

金語楼シリーズ>は戦前からはじまっており、戦後も多数製作されている。金語楼シリーズでは兵隊ものは金語楼の兵隊さん」「金語楼の三等兵」「金語楼の海軍大将」のみと思われるが、他の作でも部分描写ある可能性は大きい。金語楼の映画デビュー作は「俺は水兵」(1935年 J.O)である。「俺は水兵」と「金語楼の三等兵」には原作に金語楼がクレジットされており、金語楼自身の軍隊経験が反映されている可能性あり。