zames_makiのブログ

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オーストラリア人の戦争認識と映画

オーストラリア人の第2次世界大戦の戦争認識は3つ

  • 日本軍のダーウィン空襲→映画「オーストラリア」
  • ココダでの日本軍との戦闘→映画「ココダ」
  • 日本軍捕虜収容所での豪州兵士虐待→映画「アリスのような町」映画「キングラット」TV「チャンギ」映画「アンポンで何が裁かれたか」など
  • (他)第1次世界大戦の記憶:ガリポリの戦闘

参考書:

◆国民映画としての『オーストラリア』 / 佐和田敬司(「オーストラリア映画史」の著者)
→佐和田敬司は映画「オーストラリア」を批判したYahoo映画評を観測しているがそのまとめは正しくない。Yahooの全ての批判者はダーウィンへの空襲は批判しておらず創作された日本軍のアボリジニ虐殺を批判している。また映画が白人によるアボリジニ虐待を一切描いていないのを問題している。佐和田は豪州人による評価「オーストラリアから見て侵略の認識があった」を根拠にこれを正当化しているが、Yahooの日本人批判者は事実の有無を批判している又彼らはこの映画を嫌ったが空襲の事実は否定していない。又Yahooの批判者はこの映画を「白人はアボリジニを殺さずむしろアボリジニを助けた物語」と認識しそれを批判している。対して佐和田はアボリジニと白人の「未来の関係」を描いたとしているが、日本人観客は「歴史」と受け取っている。これは明らかに佐和田の映画の持つ意味のとり違いによる認識間違いだろう。むしろ豪州内でおきたこの映画への批判を紹介し分析すべきだったのではないか?

◆オーストラリアン・アイデンティティと戦争の記憶 / 鎌田真弓、(所収:オーストラリア研究:多文化社会日本への提言 / 早稲田大学オーストラリア研究所. オセアニア出版社, 2009)
ダーウィン爆撃--公的記憶の再構築 / 鎌田真弓 名古屋商科大学論集 NUCB journal of economics and information science. 53(2) [2009.3]
□太平洋戦争の公的記憶:豪戦争記念館 / 鎌田真弓 名古屋商科大学論集 NUCB journal of economics and information science. 51(2) [2007.3]
□太平洋戦争の記憶と日豪の「和解」 / 鎌田真弓 南山大学社会倫理研究所 社会と倫理. (20) [2006]
□オーストラリア・ナショナリズムに関する考察 / 鎌田真弓 名古屋商科大学論集 Journal of economics and management. 40(2) [1996.03]