日本国民の半分は検察を疑っている（2010年1月23〜24日JNN電話調査）

あなたは小沢氏と検察のうちどちらを支持しますか？検察を支持しない＝合計46％

　驚くべき結果だ。全ての大手新聞と主要テレビがリーク垂れ流し報道を行い、検察が絶対正しいとの報道にもかかわらず、すでに検察の捜査への信頼性はかなり怪しくなっているようだ。捜査側としては「検察を支持する」が圧倒的多数でなければ自分たちの仕事は成り立たないと考えているだろう。この結果をzakzak（夕刊フジ）など産経新聞系は小沢批判が多いと伝えているが間違いだろう、これは与野党間の政策選択を問うような質問ではなく、法の下の正義を掲げる検察と犯罪者扱いされている小沢との比較だ、検察に圧倒的多数の支持があるのが普通の状態だ。

　ただし考慮しておくべきなのは、この世論調査ではたして国民の検察への信頼性が正しく図れているか不明なことだ、これは実際には単なる電話調査でしかなく気分調査でしかないし、質問の意味が不明だからだ。
　ただ少なくともここで「どちらも支持できない」という答えは小沢一郎は嫌いだがこれは犯罪ではないという事であり、検察の捜査は見込みがないという事だろう。更にこの調査が小沢一郎の任意聴取とその後の会見を挟んだ調査であり、回答者のかなりはこの会見を聞いていない事を考えると、今後は更に「どちらも支持できない」が増える事が推測できる。
　小沢一郎の会見後ではメディアもまだ疑問がある、といった程度に疑惑のトーンを下げており、今までの情報を総合すれば、せいぜい政治資金規正法の虚偽記載の共犯で在宅起訴程度しか見込めないというのが大方の予想する結果だからだろう。しかもそれで与党大物政治家をこれだけ強制捜索し国政を混乱させるだけの必要性があったかを問われれば大いに疑問なのも感じている為だろう。

　検察が早急に新たな証拠をリーク情報で流さなければ検察の信頼は失墜するだろう、検察は確かに追い詰められている。

JNN世論調査：あなたは、小沢氏と検察のうちどちらを支持しますか？

http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/yoron/backnumber/20100123/q2-3.html

【質問】小沢氏は、検察側の捜査のやり方などに強い不満を示していて、全面的に対決する姿勢です。あなたは、小沢氏と検察のうちどちらを支持しますか？つぎのうちからひとつ選んで下さい。
【結果】
　　・小沢氏を支持 7%
　　・検察を支持 54%
　　・どちらも支持できない 36%
　　・答えない・わからない 3%
（調査日 2010年1月23日・24日：小沢氏の任意聴取とその後の会見を挟んだ調査、調査方法：電話による聞き取り方式 全国20歳以上の男女 有効回答数：1200 最大想定誤差：±2.8% ）

テレ朝「TVタックル」も小沢支持？

　上記の調査結果を眺めていたら、テレ朝の「ビートたけしのTVタックル」で、小沢一郎問題を扱っていた（2010年1月25日）。そこでは驚くべきことに、検察への信頼性について疑問が呈されていた。冒頭、東京新聞の長谷川幸洋論説委員が新聞各社が推定無罪の原則を無視しあまりにひどいと口にし、レギュラー出演者の大竹まことが「世間の雰囲気はもう検察を信じてない」と切り出した。この後も大竹は検察VS小沢であって、それが正しいかどうかは俺らはわからんという論調で、間接的に検察の正当性に疑問を呈していた。残念なのはこれに反論したのは平沢勝栄らの自民党政治家でありメディアや検察のあり方を正面から問うような討論は行われなかった。しかしここ数日のメディアの状況と異なり、この番組内では小沢一郎の疑惑についてはこれ以上ふれらる事はなかった。

ネットの論調は検察の敗北は決定的

　2010年1月27日の東京新聞夕刊コラムで斎藤学（精神科医）が小沢一郎の事件を報ずるメディアの状況について述べている。彼の見方では、新聞では全て検察支持。週刊誌では上杉隆の検察批判を２週にわたって掲載した「週刊朝日」につづいて「週刊ポスト」も検察批判に加わった。テレビは割れている。そしてネットは検察の敗北一色だという。

検察をとめるにはどうしたら良いのか？

問い：検察を「方向転換させる、正常化させる」ために国民ができることはなんでしょうか？（@micamika）
答え：世論です。検察は、記者クラブマスコミによる世論操作を背景に、強権を行使してきました。言い換えると、その流れが変われば彼らも苦しくなるんです。（@iwakamiyasumi）

（ジャーナリスト岩上安身氏のツイッター：2010年1月27日から＝http://twitter.com/iwakamiyasumi）