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民主党政権誕生までのテレビの政治番組はどんなものだったか(1)

以下は2008年10月1日〜2009年9月末までの自民党政権末期、歴史的な民主党政権誕生の時期のテレビの政治ニュース番組、政治をあつかったワイドショー番組、政治討論番組などの状況のメモである。筆者はこの間、多くのテレビ番組を視聴したのでその備忘録のために記す。筆者がそれらの番組を見た動機・視点は以下への疑問だ。

  1. 小泉劇場のようなテレビでの政治の娯楽化、ワイドショー化はあったか
  2. テレビ局の政治的立場による偏向・傾向はあるのか
  3. 投票行動など国民はテレビの政治番組から、どれだけ影響を受けたか

記事の続き、第2部は翌日ブログにどのような報道状況であったかは第3部にある。

1:記述条件

期間:2008年10月1日〜2009年9月27日(福田康夫首相の辞任による自民党総裁選開始〜鳩山政権誕生と鳩山首相の国連での外交まで)

視聴対象:視聴したテレビの政治関係番組は以下、

視聴方法:主要番組は毎回録画して視聴、政治以外の話題は無視している(従って言及箇所については聞き間違いや聞き逃し等の問題はない)

2:テレビ政治への3つの疑問への答え

(1)問い:小泉劇場のような政治の娯楽化、政治のワイドショー化はあったのか 
 → 答え:なかった又は非常に低調だった
。(理由1)メディアが小泉劇場に反省し、自民党総裁選開始時点ですぐに反省すべだとの記事が新聞に掲載され、テレビのコメンテーターでもそうしたコメントが現れた為であろう。(理由2)麻生氏は小泉氏ほどテレビを使う能力がなかったため。麻生氏はその意図はあったが小泉のようにテレビに向く台詞や行動ができず(両者の演説を比べればわかる)、テレビを通じた国民の操作に失敗した、又テレビ局側ではそれを助けることはしなかった為と思われる。(理由3)一方選挙では多くの刺客を立てた民主党はテレビを使った政治に無関心であった為。民主党小泉劇場に敗退した経験を持ちその効果を十分認識していながらその信条からテレビを積極的に利用する事はしなかったと思われる(例えば小沢一郎はどぶ板選挙を基本としテレビを重視していない、鳩山代表の演説はワンフレーズ的ではまったくない)。

(2)問い:テレビ局の政治的立場による偏向・傾向はあったのか
  → 答え:局の政治的偏向・傾向は明確にあった
NHKは政府自民党の言うことしか伝えず、それが結果的に自民党支援になるのは報道側に立てば明白だった。しかしこの期間NHK政権交代を予想しむしろその姿勢を自粛したというべきだろう。その表れとして選挙になってもNHKスペシャルなどの形の視聴者誘導の道具となる番組を制作しなかった。日本テレビ、フジテレビは自民党を支持する姿勢は明確でニュース番組中での民主党マニフェスト民主党代表者への攻撃の姿勢はかなり強かった。しかしこの2局はそもそも局としてニュースや政治関係の編成枠や人材が弱くその力は小さいものだった。また視聴者の注意をひく自民党の魅力的な候補(刺客)などの素材がなく、小泉劇場時のようなワイドショーでの特別な番組制作はできなかったと見受けられる。一方テレ朝、TBSはジャーナリズムの観点から公正を保ったと言えるだろう。

(3)問い:テレビは政治について国民にどれだけ影響を与えたのか
 → 答え:不明

  • (A)肯定面:この間たしかにテレビのニュースは自民党政治を批判し続けそれが国民の意見形成に影響を与えたことは否定きない。高視聴率のみのもんたの番組では年金問題が数年間も継続的に繰り返し取り上げられ政府自民党が批判された、中川昭一氏の酩酊会見は自民党を批判するテレビの効果は決定的だった、西松違法献金問題で小沢一郎秘書逮捕はおかしい事を新聞は小さくしか扱わなかったが、テレビでは郷原氏が何回も出演し説明しつづけた(それにより少なくとも民主党自体への批判は広まらなかった可能性は大きいだろう)、麻生氏の毎夜の高級バー通いなど麻生氏の人格的な不安をテレビはひつこく扱った、麻生太郎VS鳩山由紀夫の討論ではテレビは麻生氏に厳しい点をつけた、世論調査自民党の支持が民主党を下回る事が選挙の前の時点で決定的に明らかになった、選挙では民主の美人刺客VS自民の老醜議員の対決を大きな変化もないのに繰り返しテレビは報道しつづけた。これらのテレビが民主党政権誕生をもたらした可能性はある。
  • (B)否定面:自民党過半数を割った2007年参議院選挙の時点から国民の選択自民党を捨て民主党で決まっていたと思われる。福田辞任後の自民支持率は、麻生政権誕生直後だけが50:50で拮抗したが他は全て民主党が上回っていた。新自由主義による弱肉強食社会と社会保障の切捨て、地方経済の崩壊など、日本社会の様々な痛みから国民の大意は2007年に決まっており、この期間麻生氏は効果もないのに選挙を引き伸ばしただけと言える。テレビはその麻生氏の悪あがきの経緯を伝えただけであり、テレビの側が国民の意思決定に影響を及ぼしたとは言い難い。

3:基礎的情報

(1)この期間のおおまかなテレビ政治番組の状況
 福田康夫首相の辞任から政権交代の可能性もありうる衆議院総選挙への予想、期待がテレビで政治を扱う大きな動機となった。2007年8月の参議院選挙により参議院自民党公明党過半数をわり、国民の信任を問う衆議院選挙がいつ行われるかが注目された。2008年9月安倍晋三に続き福田康夫の辞任で次の自民党総裁により衆議院選挙が行われると予想されテレビは「いつ選挙か」を報じ続けた。麻生首相は就任直後の国会では対決姿勢をみせすぐに選挙があると思われたが、金融ショックを理由に麻生氏は選挙より景気対策とし国会解散をしなかった。このため2009年4月ころまでは麻生首相の下いつ選挙が行われるかの「いつ」が焦点だった。しかし2009年4月以降では、選挙は衆議院の任期の切れる直前以外選択肢がないと判断され、焦点は定額給付金など麻生政権の政策への批判、民主党代表小沢一郎氏の西松建設からの違法献金問題、民主党代表の交代、そして政党支持率や誰が首相にふさわしいかなど民主党自民党のどちらが次の政権を担うかなどがテレビの焦点になった。民主党代表に鳩山氏がなった後は世論調査などで自民党の劣勢が明確になり、自民党麻生首相へは敗北必至との冷たい扱いが常態になった。2009年8月国会解散の後は民主党マニフェストへの反論が政治番組の大きなテーマになった。しかし長く待たれた選挙の割には選挙についての報道は押さえ気味で前回選挙よりテレビの扱う量は少なかった*1。歴史的な民主党政権誕生の直後から、民主党議員が毎日各番組でマニフェストを解説する状態となった。国会で首相指名の後は今度は新大臣によるあいつぐ自民党政策の見直しが毎日報道され、その後鳩山新首相の国連での初外交と演説が主題となった。


(2)政治関係をたくさん扱った番組はどれか
みのもんたの朝ズバッ!(TBS)、NHKニュース7、報道ステーション(EX)、スーパーモーニング(EX)、スーパーJチャンネル(EX)が政治を扱う時間が長かった。日本テレビ、フジテレビはニュース番組中でも政治を扱う量はTBSなどよりずっと少なかった。テレビ東京はニュースの量自体が少ない上、その中でも経済しか扱わず政治の扱いは小さい。


(3)政治関係で優れた報道・伝え方をした番組はどれか
内容豊富のジャーナリズム的に優れたものという価値観で見た場合、質的に優れた番組は、報道ステーション(EX)、みのもんたの朝ズバッ!(TBS)、みのもんたのサタデーズバッっと!(TBS)、サンデープロジェクト(EX)、などがあげられる、これらの番組は話題について詳しく解説し、かつなるべく多様な視点を提供し、場合によっては政治家・専門家を呼んで意見を述べさせている。

 「報道ステーション」は番組製作者の扱う事件・問題への理解が優れ、議論すべき問題点についてより視聴者がより深く理解できるよう必要な情報が集積整理されて制作されている、これはNHKの7時および9時のニュースと比較するとよくわかるもので、それらが長い放送時間をかけても伝えていないものを示していた。

 「みのもんたの朝ズバッ!」は毎回図式化したパネルを用い司会者みの氏が氏の庶民感覚のリベラル的な個人的意見を加える事で、非常に判りやすく伝えている。この番組は視聴率もよく社会的影響力は大きい。同時に毎日新聞論説委員などのコメンテーターが適切なコメントを加えて理解を助けている。特筆すべきは毎日新聞与良正男論説委員のコメントであり与良氏は読売新聞など反対意見も踏まえた上で、リベラリズムの視点で優れた解説を加えている。この期間では与良正男氏は最良のコメンテーターであろう。

 NHKの「ニュース7」および「ニュースウオッチ9」は放送時間は長く政治の扱う量も多いものの常に政府与党の側にたった公式見解しか伝えない姿勢で、時間が長くても問題の理解に結びつかない、かえって自民党側の視点しか伝えず誤った視聴者誘導をしかねないものと言えよう。


(4)影響力の大きな番組はどれか
結論として視聴率と番組の質的内容を勘案した影響力を考えれば、この期間影響力の大きな番組は、ニュース7(NHK)、報道ステーション(EX)、みのもんたの朝ズバッ!(TBS)、サンデープロジェクト(EX)、TVタックル(EX)が上げられるのではないだろうか。

4:テレビで政治を扱った番組はどんなものだったか(分析、評価)

  • NHKニュース7(NHK:かなり視聴率が高く社会的影響力の大きいニュース番組、調査では日本人はニュースを見たい時にはNHKを選択するようだ。政治を扱う割合は民放に比べずっと大きい。取材量が多く情報量も多いが伝える内容は常に大半が政府の発表であり、その他の発信情報でも常に政府側の視点で見たものであり、どんな事件でも政府が問題ないとすれば番組の基調は問題ないとなってしまう。そうした意味でまったくジャーナリズム的でなく、結果として報道番組というより政府の広報という性格になってしまっている。これはNHKの予算が国会で審議され与党自民党の意向に沿うことが要求されたこと、それが長い自民党政権下で続いたためだろう。しかし政権交代民主党政権になっても、番組姿勢は同じであり今度は民主党政府の視点で伝えている。NHKにはジャーナリズムの精神もないし又公共放送とも言い難いと思われる。まったく困ったものだ。
  • 報道ステーション(EX):ただおきた事を伝えるのではなく常に問題を提起する形の本来あるべきジャーナリズムの視点で制作された番組。司会者古舘伊知郎氏の問題の核心を突く正義感を明確にした情感の篭った伝え方、常任コメンテーター(朝日新聞OB等)により毎回問題がより掘り下げられること、時には専門家を出演させより深い問題解説や問題提起が行われること、政治家の出演ではかなり突っ込んだ質問が行われる事などが優れている点だろう。NHKより短い時間枠ではるかに問題の核心にせまった番組となっている。欠点は政治姿勢が明確でそれが時に鼻につくことだろう。視聴率も高く、結果として日本で最も信頼すべき報道番組となっている。
  • みのもんたの朝ズバッ!(TBS):政治ニュースをわかりやすく報道する朝の報道ワイドショー番組、視聴率は高く時に15%程度にもなるという。早朝5時半から8時半まで繰り返しニュースを伝え、その中の政治の分量は多い。有名司会者みのもんた氏の素人視点でのわかりやすく直接的な言葉、ニュース内容を紙芝居的に図示したわかりやすい表示方法、複数のコメンテーターによる問題掘り下げと多声的な視点の提供が優れている。最大の長所はかなり頻繁に複数の与野党政治家が出演し議論を行う事だろう。議論は公平だがみの氏やコメンテーターの追求は非常に強い政府自民党批判姿勢であり自民党政治家は厳しい立場に立たされる。この番組(土曜版)に出演した舛添厚労大臣は、当時問題になっていた後期高齢者健康保険制度で、政府内で調整しないまま番組内で自分独自の見直し案を示し問題となった。番組での強い改善圧力が舛添氏にそうした行動をさせたのだろう。番組は3年以上にわたって年金問題を毎週追求し続け、多くの視聴者に自民党政府批判の視点を与えたと思われる。実際舛添氏はこの番組が政府自民党への批判で大きな役割をしたと雑誌投稿で述べている*2。この番組にはコメンテーターとして毎日新聞論説委員およびOBが多数出演しており、彼らの厳しい政府批判のコメントも自民党政権を崩壊へかなり寄与しただろう。
  • サンデープロジェクト(EX):ベテラン司会者田原総一朗が支配する異常な政治討論番組。与野党政治家による討論、田原およびその取り巻きジャーナリストによる政治家への追求が主な内容だ。毎週日曜朝に各局で放送される一連の政治番組のしんがりを勤めるもので、しばしば各局に同じ出演者が出て同じ話をするが、田原氏の厳しい追及のため見て最も面白いものになっている。田原氏はベテランジャーナリストで諸問題に詳しく、より疑い深く追求する事、政治家の表面的な言いつくろいを許さず大声でひつこく追求する事、この手法で政治家の本心を暴いたり言質をとってしまう事などが、この番組の他にない売りだ。田原氏の追及はある種のジャーナリスト精神にあふれているがその姿勢は今や誉められたものではない。田原氏は憲法改正に賛成し軍隊を積極的に容認している。小泉構造改革を支持し続け、この時期ではメディアから完全に否定された竹中平蔵氏を番組に呼び続け、彼の下らぬ弁明を何の批判もせず流し続けた。大企業優先の輸出に頼る経済構造を積極的に支持し続け、民主党などからの新しい提案を頑強に拒否し続けた(討論で検討するのではなく単純に拒絶)。派遣労働を規制する事に反対し逆に正規雇用労働者の権利の取り崩しをひつこくテーマにし続けた。こうしたテーマの取り上げ方は田原氏なりの正しさの意識からきているようだが、明らかに国民一般の関心から外れたものであり、田原氏が問題をそらすため結果的に自民党の強い応援部隊になっていた。この番組は政治家に公平な議論の場を与えるのではなく単に田原氏の関心に答えさせるため尋問し、それに外れる答えは禁止した。この被害にあったのが共産党社民党の政治家で彼らはその主張が田原氏にとって都合のよい時だけ発言を許される存在になっていた。こうした傾向は田原氏が司会をする「朝まで生テレビ」も同じだ。番組は見ていて確かに参考になる場合もある、しかしもはやまともな政治討論番組とは言えないだろう。田原総一朗氏は早く引退すべきだ。
  • TVタックル(EX)ビートたけしが司会を行う、政治家の口論を娯楽的に見せる政治娯楽番組。政治のワイドショー化の先頭にたつもので2005年の小泉郵政選挙では刺客選挙を盛り上げ、政治家本人が出演する事件をもじった時代劇を作るなど劇場化に邁進した。この期間ではそうした動きは少なく与野党政治家による口論をひたすら見せるものだった。これは討論ではなくあくまで口論であり、何か新しい視点を提供しようとか、やりとりから何らかの結論を出そうとするものではなく、単に「言い合う」だけのものだ。この為結果的に自民党政治家の聞くに値しない、内容のない下らない主張なども多く流され、真面目な視聴者からひどく嫌われている。テーマや反論など番組で交わされる意見は他の政治番組で取り上げられるものと、まったく同じもので内容的には目新しさはない。「みのもんたの朝ズバッ!」であれば、多くの場合自民党側が問い詰められて終わるものだったから、批判はもっともだと思われる。違うのはこれは政治ネタの娯楽番組であり、口論ショーであると理解すべき事だろう。
  • ズームイン!!SUPER(NTV):早朝のニュース番組。ニュースの中で政治を扱う割合は大きくないが、扱う時には辛抱治郎(読売テレビ)、橋本五郎(読売新聞)などの解説員が登場し日本テレビ自民党支持の政治的立場を反映した解説や意見を述べているのが特徴。その立場の明確さ・民主党反対の意見を述べる点では同時間帯のTBSの「朝ズバツ!」よりも明確だ。夕方のニュース番組では解説は少ないので日本テレビの政治姿勢がもっともよく出ている番組と言える。民主党政権成立後はマニフェストへの異議を毎日特集していた。
  • 太田光の私が総理大臣になったら(NTV):最も悪質な政治を娯楽化した番組。お笑いタレント爆笑問題太田光氏が総理大臣となって政治的内容の提案(マニフェスト)を提起、政治家とお笑いタレントの混じった出演者が議員として賛否を議論する。マニフェストの内容はその時話題の事件を非現実な程極端化して解決するものでマニフェストそのものに意味はない。出ている政治家は真面目に喋っているようだがタレントは真面目・不真面目な混在の発言を行い、視聴者にとってまともに意見が聞ける場ではない。番組の狙いはテレ朝の「TVタックル」と同じで政治家の口喧嘩を楽しむことでテーマについての情報提供ではない。視聴者の意見を紹介したりや表面上採決が行われるなど錯覚を招くよう構造化されておりより悪質である。総選挙投票直前の週には最悪の特別番組を制作、政治家を時間が来ると自動で閉まる箱に入れ、1分で主張を行わせ時間切れでおきるハプニングを笑い飛ばす事をしていた。それでも与野党政治家は演説したさに「芸」をしていたのには驚いた。
  • NEWS ZERO(NTV):「報道ステーション」に対応するニュース解説番組。キャスター村尾信尚氏がほとんど一人でしゃべりまくるもので、その為か日本テレビの政治的姿勢に必ずしも沿っておらず奇妙なことにかなり中立的である。若者層を意識した基礎的事項から説明する姿勢が特徴。ただし村尾の野党民主党の政治家への質問姿勢は非常に攻撃的・批判的であったのは日本テレビらしさが出ていた。
  • サキヨミ(CX):日曜の夜にその週のニュースをまとめて伝える番組。視聴者操作に最も熱心な番組と言える。政治を含む話題を扱い、その問題の是非を視聴者の投票で問い、かつスタジオで説明が加えられる。政治的な話題を扱う回数は少ないが扱う場合は政治的な話題でもはっきり是非が示される場合が多く、そこではフジテレビの自民党支持の政治的姿勢が示されている。問題なのはコメンテーターの選択が政治的立場の点で偏っている場合が多いこと、その問題の専門家でもない場合が多いことだ。このため政治討論番組としてみれば到底納得できないし、あらかじめ問題意識を持っている視聴者も納得させる事ができない場合が多い。しかし事前に情報を持っていない無垢な視聴者には、ビデオの説明、コメンテーターの意見、視聴者の投票、そして司会のまとめで、明確に結論を与えられ視聴者を操作する上では最も効果的な番組と思われる。
  • 新報道2001(CX):週末の政治討論番組。討論のテーマ設定やコメンテーター黒岩祐治氏の質問にフジテレビの政治的姿勢がよく出ており、大企業優先の経済成長優先の視点と、自民党支持の姿勢、民主党への厳しい批判が特徴になっている。
  • ニュースウオッチ9(NHK:この期間のこの番組は「NHKニュース7」を水で薄めたような内容が多く見る価値のない場合が多かった。基本的には「NHKニュース7」に問題の詳しい説明、政治家の出演などを加えたもので、2008年末までは論調は「ニュース7」と同じものの解説員が出演しNHKの視点(それは政府の視問題の点であるが)をよりはっきり説明する点でよりNHKらしい番組だった。しかし民主党の優勢が決まり総選挙が迫った時期ではそれもなくなりより価値がなくなった。本来的にはテレ朝の「報道ステーション」と同じ質が期待される番組だが、それを支えるキャスター田口五朗氏はそれと正反対の存在で日本で最低のキャスターであろう。
  • 日曜討論NHK:最もつまらない政治番組。党代表者など豪華な出演者が討論を行うが司会者(NHK解説議員)が厳格に仕切り2往復程度しか発言を許さないので実質的には討論ではなく単なる演説に終わっている。結果として国会での答弁を思わせる退屈なもの(又はそれ以下)になっており、新規な情報は少なく聞いてもわかりずらい。この番組の影響力は非常に小さいだろう。
  • スーパーモーニング(EX):朝の情報ワイドショー番組。政治を扱う量が非常に多く選挙期間中はマニフェストの解説、政治家出演による討論、選挙区状況などを多量に流した。政治記者出身の三反園訓氏、ベテランジャーナリと鳥越俊太郎など、朝日新聞と近いリベラルなコメンテーターが多く、それらの間のやり取りで和やかに番組が進むのが他と異なる。司会者赤江珠緒アナはアナウンサーながらも、かなり仕切る点で異色だ。
  • 総力報道!THE NEWS(TBS):夕方のニュース番組。視聴率を狙ってか政治を扱う量は少ないし特別なものもない。キャスター後藤謙次氏のコメント以外あまり面白みのないもの。

続きは翌日ブログ以降に掲載
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*1:朝日新聞記事 2009年8月26日『テレビの政治番組半減、各局「小泉劇場」を反省・公的報道「力量不足」批判も、主戦場はネット?批判CM席巻』

*2:中央公論2008年12月号『俺の言うとおりにしないと、自民党は終わりだ!--後期高齢者医療制度の「舛添私案」はこれだ』舛添要一