zames_makiのブログ

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わかった!ハマスがイスラエルを認めない理由&CNNのプロパガンダ記事

イスラエルのガザ虐殺を批判する人でも、ハマスイスラエルを認めない事に不満を感じているではないだろうか?しかしハマスは実質的にイスラルを認めている、彼らは2国家解決案を繰り返し提案しており、実質的にイスラエルを認めていない(弊ブログ過去記事参照)。しかし私は、ではなおさら、なぜハマスは公式にイスラエルを認めないか不思議に思っていたが、今日のニュースはそのヒントを与えてくれた。
 記事はネタニヤフ首相が「イスラエルユダヤ人国家として認める」事を要求し始めた事を伝えている。これ認めればすぐに「イスラエルユダヤ人国家なのだから、ユダヤ人ではないパレスチナ人の難民は帰還する事は認めない」となる。すなわちイスラエルを安易に認めることは難民の帰還権を否定する事になりかねないのだ。難民の帰還問題はメディアで表面的には話題になっていないが、パレスチナ問題の核心であり難民の帰還を認めれば、その人口増加率の高さからイスラエルは最終的にはアラブ人国家となり、ユダヤシオニストは敗北するだろう。だから今までイスラエルは完全に拒否してきた。

 こうした事情がハマスの言い方に現れているのだ、と思い至った次第だ。


イスラエルへの圧力要求 パレスチナ議長 米特使と会談朝日新聞2009年4月18日)

エルサレム=井上道夫】パレスチナ自治政府のアッパス議長は17日、ヨルダン川西岸のラマラで米国のミッチェル中東担当特使と会談し、イスラエルによるユダヤ人入植地の拡大などが和平を阻害する要因になっていると指摘した。イスラエルのイディオト・アハロノト紙(電子版)などが伝えた。 パレスチナ解放機構PLO)によると、アッバス氏は入植地拡大や、東エルサレムなどでパレスチナ人住宅の破壊が続く限り和平の進展は不可能との見解を示し、こうした活動を止めさせるため米国がイスラエルに圧力をかけるよう求めたという。


 一方イスラエルのネタニヤフ首相は16日米国などが目指すパレスチナ国家樹立に向けた和平交渉の前提として、パレスチナ側がイスラエルを「ユダヤ人国家」として認める必要があると述べた。
 この発言に対し、パレスチナ側はイスラエルを「ユダヤ人国家」として認めれば、中東和平交渉で争点の一つになっているパレスチナ難民の帰還権を放棄することにつながるとして反発。PLOのエラカート交渉局長は17日「和平実現の新たな障害になる、新政権が和平実現に興味がないことの表れだ」と批判した


 難民の数は、子孫も含め2008年までに461万人(国連パレスチナ難民救済事業機関への登録数)に及ぶ。ネタニヤフ氏の発言は、難民が故郷に戻る権利の否定につながり、今後の和平交渉に影響を与えることは必至だ。

これと同じ内容は読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090417-OYT1T01022.htm)が伝えている。


そして同時に、上記の記事がハマスイスラエルを認めない根拠である理由は、同じ会談を報じた以下のCNNの記事と見比べればより一層明確になる。そして見比べればサイードプロパガンダと呼んだアメリカメディアのおかしな報道の様相が見えてくる。
 即ちCNNの記事では単に「イスラエル国家として認めることが和平協議開始の条件」「ハマスイスラエル生存権を拒否」としか報じてない。従ってこの記事を読んだアメリカ人はイスラエルパレスチナにどんな要求をしたか不正確なまま、単にパレスチナ側(ハマス)がイスラエルの要求を頑迷にはねつけていると感じるだろう。しかしそれは上記の朝日新聞の記事と読み比べれば間違いだ。こういうアメリカメディアの小さな、しかし決定的におかしな報道の積み重ねが、人口の98%を占める非ユダヤアメリカ人のイスラエル支持を強固にするのだろう。

CNNの重要な点を伝えない問題のある記事、これがプロパガンダの例!

 (なぜプロパガンダなのかは前節を参照してね)
イスラエル国家の認知が和平協議開始の条件、ネタニヤフ首相(CNN JAPAN 2009.04.17)
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200904170018.html

エルサレム(CNN)】イスラエルのネタニヤフ首相は16日、同国を訪問中の米国のミッチェル中東和平担当特使と会談し、パレスチナ国家樹立の問題で、パレスチナ側が最初にイスラエル国家として認めることが和平協議開始の条件とする考えを示した。

パレスチナ自治区ガザを支配するパレスチナ強硬派ハマスは、イスラエル生存権を拒否している。オバマ米政権は、2国家並存を中東和平交渉の基礎としており、ミッチェル特使もこの方針を首相に説明したとみられる。

ネタニヤフ首相の今回の発言で、今後の中東和平交渉は早くも難航含みとなった。対アラブ強硬派のネタニヤフ首相はこれまで中東和平に関する見解を公式に示しておらず、特使は会談で説明を求めたともみられる。

そして共同通信もCNNと同じように曖昧に伝えている。これは危険な記事だ(http://www.47news.jp/CN/200904/CN2009041701000249.html)。