zames_makiのブログ

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映画「GATE」(2009米)

原爆ドキュメンタリー映画 1時間40分
監督:MattTaylorマット・テイラー
広島原爆から採火した「原爆の火」についてのドキュメンタリー。福岡県星野村にある「原爆の火」から分けてもらった火を米国トリニティーサイトへ運ぶ、米国内25日間の行脚を追う。
予告編:http://www.youtube.com/watch?v=Ks1M5PolJqc
公式サイト:http://gndfund.org/jp/
約60年前の広島。第二次世界大戦終戦の望みをかけ、世界最初の原爆が落とされ、その炎が採取された。3日後、二台目の原爆が日本で唯一クリスチャン都市である長崎に落とされた。二度と原爆使用をさせまいという願いと、平和への祈りの象徴としてその炎はいまだに燃え続けている。長崎が原爆の恐ろしさを体験した、世界最後の都市である事を祈り、何十年にもわたって、禅宗の僧侶達は自らの身を削るように広島長崎間を往復し続けていた。2005年7月、その僧侶達は、アメリカンインディアン、色々な宗派の平和団体と共に、サンフランシスコから世界最初の原爆実験の場所である、ニューメキシコトリニティーサイトまで、砂漠、山、250以上の街を越え、2500キロの道のりの旅をした。60年ぶりにその発祥地に戻った原爆の炎は、いままでの何世代にも渡って続いてきた核兵器の恐れに終わりを告げたのである。その様子は現在ドキュメンタリー映画として製作中。

ひと:マット・テイラーさん 原爆の映画「GATE」監督(毎日新聞2009年2月4日)

 福岡県星野村にある、広島原爆から採火した「原爆の火」。分けてもらった火を、1945年に初の核実験が行われたトリニティーサイトで消すまで、米国内25日間の行脚を1時間40分の作品にまとめた。「核による破滅の輪を閉じるため、原爆が生まれた地で火を消したいと考えたのです」

 家庭の事情で幼少時を日本で過ごし、広島、長崎を訪れて被爆の実相に衝撃を受けた。それが原点となって、被爆60年を迎えた05年に行脚を企画した。

 初の実験があった7月16日にサンフランシスコを出発し、2500キロの旅の終わりは長崎原爆の日の8月9日。事前交渉では無理だと思っていた軍事施設「サイト」の扉が開き、同行した日本人僧侶のほか各宗教の関係者、米国の核実験場の風下で被ばくした人たちなど125人が見守る中、法要後に火は消された。

 07年8月に上映されると反響を呼んだ。米国で最も保守的とされる退役軍人を対象にした試写会では「私たちは何ということをしたのか」との声が上がったという。「反戦を叫ぶわけではなく、ただ歩く。それが平和への祈りとなり、共感も広がるのでしょう」

 日本では、2月の長崎大を皮切りに全国の大学で上映会を続ける。「映画の原点は、実は長崎。長崎の人たちは『ここを最後の被爆地に』と祈り続けている。私も映画を通じて多くの人の心の扉、ゲートを開けたい」【錦織祐一】

 【略歴】Matt Taylor 米国のテレビプロデューサー。民間団体「世界核兵器解体基金」代表を務める。