zames_makiのブログ

はてなダイアリーより移行

<パレスチナ映画>

「パンフレット『映画化されたパレスチナ』(出版は1988年以前、著者Taylor Downing:英国映画プロデューサー、『Palestine: Abdication』 (1978年のTV番組のresearcher、 IMDBより)には、公文書保管所に収められている手に入れられる限りの資料を調べその全てが帝国主義の観点かあるいはシオニズムの観点によるものだと結論ずけた。ダウニングはパレスチナ人の立場に同情的なテムズテレビ用にシオニストパレスチナ人の間の争いについて3部作の記録映画を製作しようとしていた」(この際の調査経験から)
「『栄光への脱出』から始まり60年代と70年代を通して映画の中のイスラエルは英雄的行為・開拓事業・反共産主義・反テロリズムと無条件に結び付けられてきた。現在パレスチナ人の表彰についてほとんど容赦ないものだ。ハリウッドや様々な国際資本はひどく暴力的なアクション映画をすさまじい早さで大量生産している。『デルタフォース』『ブラックサンデー』ではパレスチナ人はもっぱら罪のない一般市民を犠牲にする殺人テロリストとして描かれている。(1988年)」(エドワード・サイード「収奪のポリティクス」NTT出版、p211)


パレスチナ/イスラエルの膨大なドキュメンタリー映像の中で印象深いものは(優れたものは)、対立図式に収まらず、対立していることは明確に示しつつも、それらの政治性を明らかにして、その上で映像制作者自身の政治的立場を明らかにしたもの、政治的背景をきちんと示した上で作家自身の関心・テーマを示すものだろう」(早尾貴紀パレスチナ/イスラエルの壁は何を分断しているのか」現代思想、vol35、2007)

(2009年2月現在視聴可能なもの)

◇渋谷UPLINKでの再上映「緊急特集!パレスチナ特集」http://www.uplink.co.jp/factory/log/002933.php
日時:1/31(土)〜2/13(金)10:30モーニングショー料金:一律 ¥1,000
【上映作品/日程】
土・月・水:『パラダイス・ナウ
日:『ガーダ/パレスチナの詩』
火:『1000の言葉よりも/報道写真家ジブ・コーレン』
木:『プロミス』
金:『ビリンー闘いの村』


NHKBS1放送のドキュメンタリー<シリーズ パレスチナとイスラエル>
●封鎖された街に生きて 〜ガザ ウンム・アシュラフ一家の闘い〜 製作:古居みずえ
2月9日 (月) 午後9:10〜10:00
イスラエルによる経済封鎖が続く、パレスチナガザ地区。ガスや電気・水の供給がしばしば止まる。そのガザに暮らす女性、ウンム・アシュラフ(60)さんの一家は、夫・息子たちとその家族、娘の家族、と30人を超える。息子や夫の仕事がなくなり、イライラしてささいな事で家族げんかも起きる。封鎖の中で人々は、一体どう生きているのか。外からではなかなか分からない人々の暮らしを、パレスチナ人女性の目線で描く。‘08年10月12日にBSドキュメンタリーで放送したもの。


●ガザ 〜ハマスと人々の6ヶ月〜
2月10日 (火) 午後9:10〜10:00
‘06年8月5日にBSドキュメンタリーで放送したもの。


ガザ地区 武器密輸トンネルのある町
2月11日 (水) 午後10:10〜11:00
パレスチナガザ地区とエジプトの国境の町ラファでは、2005年9月のイスラエル軍の撤退後、地域社会内部での部族抗争が激しさを増している。かつてイスラエル軍と戦うために武器を密輸していた国境沿いの秘密トンネルが今なお存在し、今度は身内同士の戦いに武器が使われているためだ。ラファの町に潜入した取材班は、その武器密輸トンネルの内部の撮影に、初めて成功した。


●レインボー 〜ガザ あるカメラマンの記録〜
2月12日 (木) 午後9:10〜10:00
2004年5月、イスラエル軍パレスチナ暫定自治区ガザ地区で、パレスチナ過激派に対し大規模な掃討作戦を展開した。この軍事作戦「レインボー作戦」によって南部の町ラファを中心に住宅が破壊され、子どもを含む多数の民間人が犠牲となった。
番組は、一人のパレスチナ人カメラマンの目を通して、「レインボー作戦」によって破壊されたガザ地区を描く。イスラエルの占領を象徴する瓦礫の山をモチーフに、子どもや妻をなくした人々の悲しみに向き合い、ときに自分の半生を振り返りながら、パレスチナの人々が抱える心の痛みや苦しみに迫る。


シャロンはなぜ撤退を決意したのか 〜混迷のガザ〜
2月13日 (金) 午後9:10〜10:00
不安定な情勢が続くパレスチナガザ地区。2005年、長年占領を続けてきたガザ地区からのイスラエル軍撤退という歴史的決断を下したのは、当時のシャロン首相だった。撤退完了から数ヶ月後、シャロン脳卒中で倒れ、現在も意識不明の状態が続いている。
パレスチナ強硬派として知られるシャロンは、なぜ自らの信念に反してガザ撤退に踏み切ったのか。番組は、オルメルトやペレスなどの歴代首相、ライス米国務長官、元側近などへのインタビュー、そしてシャロン自身のプライベート映像を交えながら、命をかけたその行動の背景に迫る。


パレスチナ人の苦悩を描くもの)

●太陽の男たち(1971)劇映画
イスラエル建国で故郷を失い難民となってヨルダンにいるパレスチナ人たちが、仕事を求めてイラクを通り、産油国クウェート密入国しようとする様を描くシリア映画。原作はガッサン・カナファーニーの『太陽の男たち』日本語訳あり
1971シリア [原題]The Dupes Al makhuduoun
[配給]「太陽の男たち」上映会
監督・脚本: タウフィーク・サーレフ  原作: ガッサン・カナファーニー
音楽: サルヒー・アルワーディ 
出演:モハマンド・ベイル・ヘルワーニー、バッサーム・ルトウフィ・アブー・ガザーラ、サラーハ・ハルキー サナーア・デブシー 

●愛と死のエルサレム (1972)劇映画
イスラエルを背景に、パレスチナ解放運動に飛び込んだアメリカの一青年の愛と行動を描く。
[原題]The Jerusalem File
[製作国]アメリカ [製作年]1972 [配給]メトロ配給
監督: John Flynn ジョン・フリン
脚本: Troy Kennedy Martin トロイ・ケネディ・マーティン

パレスチナ/怒りの戦場(1974)
CHILDREN OF RAGE 104分 イギリス 劇場未公開・ビデオ発売
監督・脚本:アーサー・アラン・シーデルマン
出演: ヘルムート・グリーム 、オルガ・ジョルジュ=ピコ 、シリル・キューザック
アラブに住む18歳のオマールは、戦いで兄が殺されたことをきっかけにパレスチナ・ゲリラの一員となる。彼の身体を心配する家族の思惑とは裏腹に、オマールは隊長や仲間たちとの連帯感に支えられて、危険な戦場へと歩みを進めていく。

●ヒア&ゼア・こことよそ(1976)劇映画
ゲリラ組織ファタハ(パレスチナ解放運動)の宣伝映画「勝利まで」の素材をもとに、ゴダールとミエビルが自らの方針転換をした
こことはテレビをながめるフランス人家族。よそとはパレスチナ革命の画像。そしてまたここは今日、騒音と夕食後宿題にとりかかる前にテレビを見ている子供であり、よそは、昨日であり、イスラエル側の機銃射撃に身をさらして作戦を点検するフェダインたちなのだ。
[原題]Ici et Ailleurs
1974仏/ハピネット・ピクチャーズ=アニープラネット
[製作国]フランス [製作年]1976 [配給]フランス映画社
監督: Jean-Luc Godard ジャン・リュック・ゴダール

ガリレアの婚礼 (1987)劇映画
外出禁止令の敷かれたイスラエルガリレア地方のある村の婚礼の一夜を描く。監督・脚本は本作が長編劇映画第一作となるミシェル・クレイフィ。87年カンヌ映画祭国際映画批評家連盟賞受賞作。
1987ベルギー・フランス
監督・脚本:ミシェル・クレイフィ
製作: ジャクリーヌ・ルイ 、ベルナール・ロレーン
出演: アリー・モハメッド・アキリ 、アンナ・アシディアン 、マクラム・クーリー 、ナージー・アクレー
→DVD発売、ヤフオク

●石の賛美歌(1990)ドキュメンタリー+ドラマ
原題:Le Cantique des pierres 
監督:ミシェル・クレフィ 105分 ドラマ+ドキュメンタリー
イスラエル占領下のインティファーダ(反乱)に沸き立つ占領地を舞台に、パレスチナ人の日常生活の緊張感を記録。加えて、イスラエルによって引き裂かれたパレスチナ人の恋人たちの再会というフィクションを織り込み、パレスチナの歴史と現状を描きだした意欲作。

●3つの宝石の物語(1994)ドキュメンタリー
THE TALE OF THE THREE JEWELS
映画 113分 パレスチナ 劇場未公開・NHK教育で放映
監督・脚本:ミシェル・クレイフィ 撮影: R・フロモン
出演: モハンマド・ナッハール 、ハナー・ネウメ 、ガッサーン・アブー・リフダ

●外出禁止令(1994)劇映画
2008年日本の映画祭で上映
原題:HATTA ISHAAR AKHAR カラー 75分 35mm アラビア語 1994年 パレスチナ/イスラエル/フランス/ドイツ/オランダ
監督:ラシード・マシャラーウィ 出演:サリーム・ ダウ、アリーン・ウマリ、
1993年、ガザの難民キャンプ。外出禁止令下に置かれたパレスチナ人一家の3日間をスリリングに描き出す。長編デビュー作。

●ハイファ(1996)劇映画
2008年日本の映画祭で上映
原題:Haifa 1996年 パレスチナ/ドイツ/オランダ カラー 75分 35mm アラビア語
監督:ラシード・マシャラーウィ 出演:モハメド・バクリ、アハマド・アブー・サッルーム、ヒヤーム・アッバース
故郷を追われて精神に異常をきたした中年男ハイファ。彼の目に映る難民キャンプの日常は可笑しくも苦く物悲しく…。名優モハメド・バクリ主演。

●シャティーラキャンプの子供たち(1998)ドキュメンタリー
パレスチナ/47分/ビデオ/1998年
監督:メイ・マスリ
半世紀におよぶ難民生活の中で虐殺・病気・飢えを経てきたシャティーラ・キャンプの現実を生きていく子どもたちの夢を描く。「EARTH VISION 第7回地球環境映像祭」入賞作品
→2007年のパレスチナ映画祭で上映 http://ghada.jp/news02/eigatop.html

●モーゼからの権利証書(1998)
監督・脚本・撮影:アッザ・エル・ハサ
パレスチナ/30分/ビデオ/1998年)
イスラエル入植地の拡大を疑問視するパレスチナ人ジャーナリストが、いとも簡単に破壊されてしまうアラブの村と立ち退かされる人々の現実を提示する。
→2007年のパレスチナ映画祭で上映

●ニュースタイム(2001)
監督・脚本・ナレーター・製作:アッザ・エル・ハサン
パレスチナ/52分/ビデオ/2001年)
アッザ・エル・ハサンはパレスチナ紛争の中心地、ヨルダン川西岸のラマラに住む。2000年から2001年の冬にかけて政治状況が悪化する中、映画撮影スタッフを探そうとしたが、仲間たちは皆ニュース報道に忙しく誰もつかまらない。
→2007年のパレスチナ映画祭で上映

デブリ(2001)
監督・脚本:アブデルサラム・シャハーダ
パレスチナ/18分/ビデオ/2001年)
イスラエルの戦車とブルドーザーが、長年なじみ住んだ家を壊し、子どもの誕生を祈って植えたオリーブの林を根こそぎ倒していった。そのビデオ映像を見る一家の表情には、深い無力感と絶望が刻印されている。
→2007年のパレスチナ映画祭で上映

●プロミス(2001)ドキュメンタリー
2001米/アップリンク
[監][製]ジャスティーン・シャピロ B・Z・ゴールドバーグ 
[監][編]カルロス・ボラド 
[制作データ] 2001米/アップリンク[上映時間] 104分
アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた記録映画。パレスチナイスラエルに住む子供に取材し、紛争が絶えないふたつの社会の問題を見すえていく。ユダヤ人の双子の兄弟、父親がイスラエルの刑務所に拘留されているアラブ人少女など7人の子供の日常に密着。カメラの前で自らの政治的な主張を述べる彼らは、スタッフの提案で一日をいっしょに過ごすことに。
→DVD発売、ヤフオク

●戦場のフォトグラファー ジェームズ・ナクトウェイの世界(2001)ドキュメンタリー
2001スイス/メディア・スーツ
[原題]WAR PHOTOGRAPHER
[製作国]スイス [製作年]2001 [配給]メディア・スーツ
監督: Christian Frei クリスチャン・フレイ
撮影: Hanna Abu Saada ハンナ・アブ・サーダ
編集: Christian Frei クリスチャン・フレイ
約2年にわたって、ナクトウェイと共にインドネシアコソボパレスチナ、ニューヨークをめぐり、この戦争写真家の実像に迫った。
→DVD発売、ヤフオク

●夢と恐怖のはざまで(2001)
パレスチナ/56分/ビデオ/2001年
監督:メイ・マスリ
レバノンのシャティーラ難民キャンプに生きる13歳の少女とヨルダン川西岸のデヘイシャキャンプの14歳の少女は、メール交換から友情を深め、ついに国境の金網越しで出会う。「EARTH VISION 第10回地球環境映像祭」最優秀賞
→2007年のパレスチナ映画祭で上映

●D.I. [Divine Intervention](2002)劇映画
2002仏.パレスチナフランス映画社
[製作国]フランス=パレスチナ [製作年]2002
[配給]フランス映画社
監督: Elia Suleiman エリア・スレイマン
脚本: Elia Suleiman エリア・スレイマン
撮影: Marc-Andre Batigne マルク・アンドレ・バティーニュ
中東紛争を背景に、イスラエルパレスチナの対立を独自の視点で描く異色コメディ。
2002年カンヌ国際映画祭審査員賞、国際批評家連盟賞、同年シカゴ国際映画祭シルヴァー・ヒューゴ審査員特別賞、同年ヨーロッパ映画賞最優秀外国映画賞を受賞。

●ガザ回廊 (Gaza Strip)(2002)ドキュメンタリー(米国でDVD発売)
監督:ジェームズ・ロングレイJames Longley
2002年アメリカ映画(ドキュメンタリー)  74分
2007アメリカでDVD発売 音声: アラビア語&フランス語 字幕: 英 リージョンALL
 アメリカのドキュメンタリー映画監督により製作されたガザ地区ドキュメンタリー映画。2001年第2次インティファーダ真っ最中のガザ地区で、ガザ市民の日常生活に関して、3ヶ月に及び取材。絶え間ないイスラエル軍の攻撃におびえる市民生活の有り様、ユダヤ人に対し反感を高めていくパレスチナ人の日常を克明に追っている。
日本パレスチナ−プロジェクトセンター(JAPAC)による紹介ページ
http://www.ne.jp/asahi/japac/tky/japac_023.htm


エルサレム行きチケット(2002)劇映画
2008年日本の映画祭で上映
原題:Tadhkirah ila al-Quds 2002年 パレスチナ/フランス/オーストラリア/オランダ カラー 85分 35mm アラビア語
監督:ラシード・マシャラーウィ 出演:ガッサン・アッバス、アリーン・ウマリ、ジョージ・イブラヒム
ヨルダン川西岸のラマッラーで子ども向け移動映画館を経営する男。エルサレムでの上映会を企画するが、検問所の通過という難題が待ち受ける…。(2002年)

ルート181 Route 181(2003)ドキュメンタリー
原題:Fragments of a Journey in Palestine-Israel 長編ドキュメンタリー270分
ベルギー、フランス、イギリス、ドイツ/2003/アラビア語ヘブライ語/カラー、モノクロ/DVcam/270分
監督:ミシェル・クレフィ、エイアル・シヴァン
...YIDFF2005最優秀賞 パレスティナ人クレフィとイスラエル人シヴァンの両監督は、1947年の国連決議181条で定められたパレスティナを二分する境界線を「ルート181」と名付け、それに沿って2カ月の旅をする。ふたりは出会うユダヤ人やアラブ人の言葉に耳を傾け丹念にカメラに収めていく。そこに照射されるのは、国家、民族、宗教、国境、差別......。
上映記録 2008年9月22日 ポレポレ東中野(2005年山形国際ドキュメンタリー映画祭にて上映)

●Women in Struggle〜目線〜(2004)ドキュメンタリー
制作:パレスチナ/2004/56分/アラビア語/日本語字幕、
監督・ブサイナ・ホーリー(Buthina Khoury)
DVD販売あり、日本語版DVD製作・販売:連連影展(FAV)
...パレスチナの元政治犯の4人の女性たちの生を繊細に追ったドキュメンタリー映画。ナレーションはなく、女性たちは過去の耐え難い経験や現在のパレスチナでの日常生活を送る上での困難を自らの言葉で証言。占領された祖国の解放のために武装闘争に参与したパレスチナの女たちの、今、なお続く占領下での生活が映し出される。
記録集公式サイト:http://mikoan.com/wis

●あなたが去ってから(2006)パレスチナ
=YIFF2007で上映。
パレスティナイスラエル/2006/アラビア語ヘブライ語、英語/カラー/ビデオ/58分
監督:ムハンマド・バクリ Mohammad Bakri 原題:Since You Left
イスラエル在住パレスティナ人俳優である監督は、彼の創作に影響を与え親交の深かった故エミール・ハビービー(パレスティナ人作家・政治家)の墓の前で、自らに生じた出来事を語りだす。バクリーのふたりの甥がテロ事件への関与で訴追され、自作ドキュメンタリー映画『ジェニン、ジェニン』はイスラエルでの上映禁止の憂き目に会うという苦闘が続いていた。それでも監督はハビービーの言葉をかみしめながら、イスラエル・パレティチナがそれぞれの愚かさに気づき互いに向き合うことを訴える。


●壁(2004)イスラエル
フランス、イスラエル/2004/ヘブライ語アラビア語/モノクロ/35mm (1:1.85) /90分
=アラブ系ユダヤ人監督シモーヌが自らの視点にこだわって制作。分離壁に隔てられる地域を写す、ラスト分離壁に怒るユダヤ人を写す。YIFFで上映。
監督 BITTON Simone 原題:Wall(Mur)
2002年6月。イスラエル当局は巨大な安全壁の建設を始めた。目的は、イスラエルの内紛をパレスチナの脅威から遠ざけるため。その壁は、結果的にイスラエル人とパレスチナ人の両方を閉じこめることとなった。壁は人間の心理にもその陰を落とした。

●シリアの花嫁(2004)劇映画
THE SYRIAN BRIDE 97分 イスラエル/フランス/ドイツ
→日本公開 2009/02/21 岩波ホール
受賞:モントリオール世界映画祭グランプリ、同観客賞、国際批評家連盟賞、エキュメニカル賞の4冠受賞
監督:エラン・リクリス 脚本:スハ・アラフ エラン・リクリス
出演:ヒアム・アッバス マクラム・J・クーリー クララ・クーリー
http://www.bitters.co.jp/hanayome/
...シリアのゴラン高原での結婚式、イスラエル占領により分断されたパレスチナ人の家族を描く。

●アルナの子どもたち パレスチナ難民キャンプでの生と死(2004)ドキュメンタリー
2004イスラエル特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン
[監]ジュリアノ・メール・ハーミス 
[出]アシュラフ マフムード マジディ ユーセフ アラ ニダル 
[制作データ] 2004イスラエル特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン
[上映時間] 84分
パレスチナ難民の少年たちの苛酷な運命をとらえたドキュメンタリー。監督のジュリアノ・メール・ハーミスは母アルナの意志を継ぎ、2006年に難民キャンプで劇団を再開している。1989年、イスラエル平和運動家アルナ・メールはパレスチナのジェニン難民キャンプに子ども劇団を創設。演劇や絵画を通し、心の豊かさを授けるが、やがてアルナが亡くなり、和平も破たん。子どもたちは苛酷な運命にさらされる。

●レインボー(2004)ドキュメンタリー
原題:Rainbow 初公開年月 2008/?(アラブ語)
ドキュメンタリー映画 41分 製作国:パレスチナ
監督:アブドゥッサラーム・シャハダ(アブドゥッサラーム・シャハーダ
2004年5月のイスラエルによるガザ侵攻、占領下のパレスチナの人々の痛み・悲しみを描くドキュメンタリー。 2005年アース・ビジョン第14回地球環境映像祭でアース・ビジョン大賞受賞。
=題名Rainbowはイスラエル軍の作戦命令からとられている。ガザの状況は虹と反対で、瓦礫の中に失った娘の人形や買ってやったばかりの服を探す男を移す映像は悲しい。2004年5月のイスラエルの作戦で、ガザ南部で死んだ人たちを訪ねる、花の貯蔵用冷蔵所は遺体安置所に変わり、それも一杯になった。イスラエル軍の戦車はなおも町の中に居座り続けている。検問所では何時間も待たされ、時には通れない。

約束の旅路(2005)GO, SEE, AND BECOME 劇映画
149分 フランス 公開 岩波ホール 初公開年月 2007/03/10
監督:ラデュ・ミヘイレアニュ 原案:ラデュ・ミヘイレアニュ
脚本:アラン=ミシェル・ブラン、ラデュ・ミヘイレアニュ
出演:シラク・M・サバハ(主人公シュロモ・青年時代)=エジプトのユダヤ人としてイスラエルに移送されるが排斥される、しかし...
、ヤエル・アベカシス(義母ヤエル)
ロシュディ・ゼム(義父ヨラム)
、モシェ・アガザイ(シュロモ・幼年時代
、モシェ・アベベ(シュロモ・少年時代)

 1984年、イスラエルエチオピアユダヤ人を救出するという大がかりな移送作戦“モーセ作戦”を実行する。これを背景に、本来はキリスト教徒の少年が、母に命じられてユダヤ人と偽り、ひとりイスラエルへ逃れ、イスラエルの白人から人種的・宗教的差別を受けながらも、愛情ゆたかな養父母のもと成長し、更に自分の過去を再発見していく姿を描いたドラマ。監督はこれが長編3作目となるラデュ・ミヘイレアニュ。
 1984年、干ばつによる飢饉や内紛を逃れ、隣国スーダンの難民キャンプへと辿り着いたエチオピアの母子。母親はそこでエチオピアユダヤ人だけがイスラエルに脱出できることを知る。母子はキリスト教徒だったが、母は9歳の息子を生かすため、彼にユダヤ人と偽るよう命じ、ひとりイスラエルへと旅立たせるのだった。やがて少年はシュロモというイスラエル名を与えられ、リベラルな思想を持つヤエルとヨラムの夫婦の養子となる。新たな家族から大きな愛情を注がれるシュロモではあったが、実の母への思いは断ちがたく、また肌の色による壁や、自分を偽り続けることへの後ろめたさが彼を苦しめ続けるのだった…。
http://yakusoku.cinemacafe.net/

パラダイス・ナウ(2005) 劇映画
90分 フランス/ドイツ/オランダ/パレスチナ 日本公開2007/03/10
監督・脚本:ハニ・アブ・アサド 脚本:ベロ・ベイアー
出演: カイス・ネシフ 、アリ・スリマン 、ルブナ・アザバル 、アメル・レヘル ジャマール
解決の糸口の見えないパレスチナ問題を、自爆攻撃に向かう2人の若者の視点から問い直す問題作。これまで決して語られることのなかった自爆攻撃者の複雑な内面に迫りつつ、それを肯定することなく、彼らが生み出されていく複雑な背景をありのままに描き出していく。各国で賛否を巡って活発な議論を呼び起こしたほか、パレスチナ映画としては初めてアカデミー外国語映画賞にノミネートされた際にはイスラエルの人々による大々的な反対運動が起るなど様々な物議を醸した。監督はパレスチナ人のハニ・アブ・アサド。また、共同プロデューサーの中にはイスラエル人プロデューサーも名を連ねている。
 イスラエル占領地のヨルダン川西岸地区の町ナブルス。幼なじみサイードとハーレドは、この地区の他の若者同様、希望のない日々を送っていた。そんなある日、サイードはヨーロッパで教育を受けた女性スーハと出会い互いに惹かれ合う。しかしその矢先、彼とハーレドは、自爆志願者をつのるパレスチナ人組織の交渉代表者ジャマルからテルアビブでの自爆攻撃の実行者に指名されるのだった。
→DVD発売、ヤフオク

●ガーダ パレスチナの詩(2005)
2005バイオタイド
ある日本人との出会いによって、自らのアイデンティティに目覚めたパレスチナ人女性の成長を描くドキュメンタリー。女性ならではの視点でとらえた貴重な映像は注目に値する。パレスチナ難民キャンプで生まれ育ったガーダは、アラブ式の古い慣習に反発。自分らしい生き方を模索する中、祖母から聞いた故郷の歌やテント暮らしの老婆の話などから、パレスチナ人の誇りと希望を見い出していく。
[監][撮]古居みずえ [製][編]安岡卓治  [製]野中章弘 [編]辻井潔 
[出]ガーダ・アギール ハリーマ・シュビーア ウンム・バシーム 
[制作データ] 2005バイオタイド[上映時間] 106分
→DVD発売、ヤフオク

エドワード・サイードOUT OF PLACE (2005)
2005シグロ
'03年に白血病で志半ばにこの世を去ったパレスチナ人の文学批評家エドワード・サイード。彼を知る人々の証言によって、その波乱の人生をたどる長編ドキュメンタリー。エルサレムで生まれ、文学批評家としてパレスチナ問題を語り続けたエドワード・サイード。'03年に亡くなった彼の墓は、NYでも生誕の地パレスチナでもなく、レバノンに建てられた。カメラはその複雑な背景に迫っていく。
[監][撮]佐藤真  [製][企]山上徹二郎  [編]秦岳志 
[制作データ] 2005シグロ[上映時間] 137分

●1000の言葉よりも 報道写真家ジブ・コーレン(2006)ドキュメンタリー
イスラエルアップリンク
[監][撮][音][編]ソロ・アビタル 
[出]ジブ・コーレン ガリート・グットマン J・P・バピス ツビ・イェヘズケリ ヨナタン・トルゴプニック アッタ・アウィサト キネレット・ブッサーニ 
[制作データ] 2006イスラエルアップリンク [上映時間] 78分
イスラエル人でありながら、敵対するパレスチナの問題を撮り続ける写真家ジブ・コーレン。そんな彼の姿に、本人や周囲の人々の言葉などを通して迫るドキュメンタリー。自爆攻撃で破壊されたイスラエルのバスをとらえた写真で、その名を轟かせた写真家コーレン。真実を撮ることに使命を燃やす彼は、イスラエル人であるにも関わらず、紛争の相手国パレスチナに足を踏み入れる。
→DVD発売、ヤフオク

●ビリン・闘いの村(2007)ドキュメンタリー
初公開年月 2008/08/02
[監][撮][編]佐藤レオ [出]アブドゥッラー・アブ・ラハマ マンスールマンスール ムスタファ・サムハ ヤーリ ワジー 
[制作データ] 2007HAMSAFilms(日本) [上映時間] 61分
パレスチナ暫定自治区ヨルダン川西岸の分離フェンスに囲まれたビリン村で、非暴力を掲げ戦う人々の姿をとらえたドキュメンタリー。経済格差をはじめ、様々な問題を浮き彫りにする。イスラエルによる分離壁の反対運動に心動かされ、自らカメラを手にパレスチナを再訪問した佐藤監督。ヨルダン川西岸の分離フェンスに囲まれたビリン村で、非暴力を掲げデモを繰り返す人々と、その困窮した生活が映し出される。
→2009/1/31〜2/13渋谷UPLINKで再上映(http://www.uplink.co.jp/factory/log/002933.php

バシールとワルツを(2008)長編アニメ
→「戦場でワルツを」の題名で2009年日本公開予定?
原題:Waltz with Bashir イスラエル/2008/87分
監督: アリ・フォルマン(Ari FOLMAN)
解説:『セイント・クララ』(96)のアリ・フォルマンが、80年代のレバノン戦争にまつわる自伝的ドキュメンタリーをアニメーションで展開。従軍体験を真摯に見つめ、幻想的な映像で衝撃の真実に迫っていく。カンヌ映画祭コンペティションで上映。
批評:http://www.cinemaonline.jp/review/bei/5786.html

パレスチナ1948・NAKBAナクバ(2008)ドキュメンタリー
イスラエルとの紛争が続くパレスチナ。写真報道家広河隆一が40年にわたって同国で撮り続けた映像や写真を通し、その悲愴な歴史と現状に迫るドキュメンタリー。67年にイスラエルを訪れたフォトジャーナリストの広河隆一は、とある廃墟に目を止める。そこがイスラエル建国の際に追放されたパレスチナ人の村であったことを知った彼は、強烈な衝撃を受ける。
[監][撮]広河隆一 [プ][編]安岡卓治  [編]辻井潔 
[制作データ] 2008バイオタイド
[上映時間] 131分
→DVD発売?

●封鎖された街に生きて 〜ガザ ウンム・アシュラフ一家の闘い〜(2008)TVドキュメンタリー
2008/10/12 NHKBSドキュメンタリーで放送
NHK番組サイト=http://www.nhk.or.jp/wdoc/yotei/index.html
取材・撮影 古居みずえ
イスラエルによる封鎖が続く、パレスチナガザ地区。ガスや電気、水の供給がしばしば止まり、生活必需品の欠乏に人々は苦しめられている。そのガザに暮らす女性、ウンム・アシャラフ(60)さん一家をジャーナリストの古居みずえ(映画「ガーダ」監督)が、12年以上にわたって撮り続けてきた。「封鎖」という状況の中、パレステナ・ガザの人々は一体どうなっているのかー。外からはなかなか分からない人々の暮らしを、古居のカメラがパレステナ人女性ウンム・アシャラフの目線で描いていく。

●沈黙を破る(2009)ドキュメンタリー
取材・撮影・監督:土井敏邦 約2時間
2009年5月公開予定

この段階で長さは2時間3分。今年1月から4月にかけて、私自身が粗編集した映像は、2時間30分ほどで、第1部「侵攻」(約1時間)では2002年3月から4月にかけてのイスラエル軍のバラータ難民キャンプ侵攻、ジェニン侵攻とその5年後、第2部「告白」(約1時間半)では、『沈黙を破る』のグループの元イスラエル軍将兵たちの証言と2部構成になっていた。それが編集の段階で、1部と2部を組み合わせシンクロさせたものに変わった。そうすることで、後半の元将兵たちの強烈な証言によって第1部のパレスチナ人の記録と存在感が薄れ霞んでしまう難点、さらに証言を延々と1時間半近くも聞かされる疲労感も解消された。ただ、粗編集を以前見てくれていた映像専門家たちの中には、粗編集の方がインパクトがあったという感想をもった人もいたが。

http://www.doi-toshikuni.net/j/column/20080824.html
http://www.doi-toshikuni.net/j/column/20081108.html

岡真理さんの見た映画

「ダハブ」1953(エジプト映画
ドキュメンタリー「豊穣な記憶」1982ミシュエル・クレイフィ(パレスチナ人)
「ある歌い女の思い出」1994ムフィ−ダ・トゥラートリ(チュニジア
「3つの宝石の物語」1995ミシュエル・クレイフィ
「ギャベ」1996モフセン・マフバルマフ→日本公開2000
「緑の島」1998?リヤーナ・パドル
ドキュメンタリー「夢と恐怖のはざまで」2001メイ・マスリー
ドキュメンタリー「プロミス」2001
アフガン零年」2004モフセン・マフバルマフ
「イン・ディス・ワールド」マイケル・ウィンターボトム
「ファイブ」5人
キングダム・オブ・ヘブンリドリー・スコット=正しいアラブ人
ドキュメンタリー「アルナの子供たち」2003ジュリアノ・メール・ハーミス 
『無期難民』(2006年/03Productions/48分):レバノン南部のパレスチナ難民が置かれた現状と、彼らが抱くアイデンティティについて、ドイツへの移民などの事例をもとに描く。 監督:ハーディー・ザッカーク(レバノン在住パレスチナ人、セント・ジョセフ大学講師)
『危険な状態』(1989年/BBC2/30分):第1次インティファーダさなかの占領地パレスチナの状態と、そこに置かれた人々の生活の実態を描く。 監督:ハイム・ブレシース氏(イギリス在住ユダヤ人、イースト・ロンドン大学教授)

早尾貴紀さんの見た映画

「壁」(2004)シモーヌ・ビットン アラブ系ユダヤ人の視点、分離壁
「鉄の壁」(2006)ムハマンド・アラダール アラブ系ユダヤ人、入植地の問題
「忘却のバクダット」(2002)シモーヌ・ビットン監督、イラクではユダヤ人と呼ばれイスラエルではアラブ人と蔑まれる、アラブ系ユダヤ
「あなたが去ってから」(2006)ムハンマド・パクリ監督、イスラエル内で人種差別あうアラブ系ユダヤ人、家を破壊される、ここは西岸ではないイスラエルなのに!

四方田犬彦さんが見たシオニズム映画

デスペラード・スクエア(1999)黒人のユダヤ人ばかり出てくる
パレスチナは待っている(1923)入植促進プロパガンダ
約束の土地(1934)ユダ・レマン監督、ドキュメンタリー、リーフェンシュタールにそっくり
さまよえるオデット(1934)ハイム・ハラフミド監督、パレスチナ最初の劇映画、夢の村=西部劇の如く野蛮なアラブ人とヨーロッパ風のユダヤ
彼らは10人だった(1960)開拓民、西部劇
月に空いた穴(1965)リ・ゾハール監督、シオニズムを喜劇の対象に、しかし本質は批判せず、ポストモダン的物語構造
ケドマ(2002)アモス・ギタイ監督、シオニズム言説の脱構築

イスラエル建国を賞賛するもの=シオニズム映画

栄光への脱出(1960)アメリ
[原題]Exodus
[製作国]アメリカ [製作年]1960 [配給]ユナイテッド・アーチスツ配給
監督: Otto Preminger オットー・プレミンジャー
原作: Leon Uris レオン・ユーリス
脚本: Dalton Trumbo ダルトン・トランボ
出演: ポール・ニューマンエヴァ・マリー・セイント
ユダヤ人国家イスラエルの建国物語とでもいうべき70ミリ作品。

●脱出(1962)アメリ
[原題]The Inspector
[製作国]アメリカ [製作年]1962 [配給]20世紀フォックス配給
監督:フィリップ・ダン
原作: Jan De Hartog ヤン・デ・ハルトグ
脚本: Nelson Gidding ネルソン・ギディング
出演:スティーブン・ボイド (Peter_Jongman)ドロレス・ハート (Lisa_Held)
オランダを追われたユダヤ人がいかにパレスチナへ向かって脱出するか。

●栄光の丘(1965)米=英=イスラエル
[原題]Judith
[製作国]アメリカ [製作年]1965 [配給]パラマウント配給
監督: Daniel Mann ダニエル・マン
原作: Lawrence Durrell ローレンス・ダレル
脚本: John Michael Hayes ジョン・マイケル・ヘイズ
出演: ソフィア・ローレン(役名Judith)、ピーター・フィンチ
1947年のパレスチナ分割は、ユダヤ人の国イスラエルを生み、アラブとの対立を激しくした20世紀の大きな歴史的事件であった。そのころ、ジュディス(ソフィア・ローレン)は不法入国の移民としてパレスチナにやってきていた。

●巨大なる戦場 (1966)アメリ
[原題]Cast a Giant Shadow
[製作国]アメリカ [製作年]1966 [配給]ユナイト配給
監督・脚本:メルヴィル・シェイヴェルソン
原作:テッド・バークマン
出演:カーク・ダグラス、センタ・バーガー
第2次大戦後、イギリス軍の撤退を機に、パレスチナからユダヤ人を追い出そうとするアラブ諸国の圧力に対抗して、ユダヤ人が民族独立のために戦いをおこそうとした1947年、ユダヤ独立運動の闘士に主人公が協力する姿を描く。

●テロリスト 黒い九月(1976)アメリ
21 HOURS AT MUNICH 101分
監督:ウィリアム・グラハム
出演:ウィリアム・ホールデンフランコ・ネロ/シャーリー・ナイト
 '72年9月5日、ミュンヘン・オリピック開催中の選手村で起こった恐怖のアラブ・テロ事件を、ドキュメンタリー・タッチで再現してみせたTVムービー。テロリスト集団の名は“黒い九月”。11人のイスラエル選手を人質に捕虜仲間の解放を当局に迫ったゲリラたちの犯行。


●狼たちの影 (1976)アメリ
[原題]The Human Factor
[製作国]アメリカ [製作年]1976 [配給]コロムビア映画配給
監督: Edward Dmytryk エドワード・ドミトリク
脚本: Thomas Hunter トーマス・ハンター
Peter Powell ピーター・パウエル
出演: ジョージ・ケネディ
パレスチナ人テロリストに妻子を殺された男が、コンピューターを駆使して復讐をとげていく姿を描くアクション。


エンテベの勝利(1976)アメリ
VICTORY AT ENTEBBE
監督:マービン・チョムスキー 脚本:アーネスト・キノイ 
出演:バート・ランカスターリチャード・ドレイファス/カーク・ダクラス
テルアビブ発パリ行きの旅客機がハイジャックされ、ウガンダエンテベ空港に着陸。人質を奪還すべくイスラエルは特殊部隊で急襲、奪還に成功する……。'76年に実際に起きた事件をもとに、さまざまなエピソードを加えて作られた実録アクション映画。公開されたが不入りで1週間で上映打切り(キネマ旬報)、

●サンダーボルト救出作戦(1977)アメリ
Entebbe:OPERATION THUNDERBOLT 別名:Mivtsa Yonatan  124分
監督:メナハム・ゴーラン 出演:クラウス・キンスキー/ヨラム・ガオン
 '74年7月4日のアフリカ、ウガンダエンテベ・ハイジャック事件をモチーフにしたアクション映画。なかでも壮絶な銃撃戦のもとに行なわれる、イスラエル軍の人質救出作戦のシーンは迫力満点の仕上がりだが劇場公開が決定しながら、政治的理由で公開を中止せざるを得なくなった。

●特攻サンダーボルト作戦(1977)アメリ
Raid on Entebbe 126分 初公開年月 1987/06/
監督:アービン・カーシュナー 脚本:バリー・ベッカーマン
出演:チャールズ・ブロンソン/ピーター・フィンチ
エンテベ空港事件の映画化。オリジナルは150分に及ぶTVムービー。
 当時、「エンテベ急襲」と邦題が決定していたにも関わらず、「ブラック・サンデー」同様、政治的理由で公開されずにいた、「サンダーボルトGO!」とタイトル変更の後、10年目にやっと陽の目を見た。ただしテレビ版ではすべての固有名詞が変更されて完全なフィクションとして放映された。


ブラック・サンデー<未>(1977)アメリ
BLACK SUNDAY 143分 日本未公開
監督:ジョン・フランケンハイマー 音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ロバート・ショウマルト・ケラーブルース・ダーン
サスペンス・アクション映画。日本では政治問題を恐れて公開中止となった。ベイルートのテロ集団“黒い9月”はマイアミで開催されるスーパー・ボウルに照準を合わせ、8万人近く集まる観客を殺そうとする。


●最後の冬(1984アメリ
THE LAST WINTER 86分 アメリ
劇場未公開・ビデオ発売
監督:リッキ・シェラク 脚本:ジョン・ハーツフェルド
出演:キャスリーン・クインラン 、ヨナ・エリアン 、スティーヴン・マクト
 中東戦争で行方不明になった夫を探す二人の女、ジョイスとマヤ。彼女らはある日、軍本部の見せてくれたフィルムにより二人の夫が同一人物であることを知り……。

デルタ・フォース(1985)THE DELTA FORCE
118分 アメリカ 初公開年月 1986/05/
監督:メナハム・ゴーラン 脚本:メナハム・ゴーラン、ジェームズ・ブラナー
出演:チャック・ノリス(スコット・マッコイ少佐)、リー・マーヴィン(ニック・アレクサンダー大佐)
...アテネ空港を離陸した旅客機がパレスチナ人テロリストにハイジャックされた。人質救出のため出動するデルタ・フォースの活躍をマッチョキャストと派手な見せ場で描くアクション大作。
旅客機はベイルートに降りて乗客数人をゲリラ本部へ連れて行き、そしてアルジェリアで女子供を解放したあと再びベイルートへ戻る。デルタ・フォースは、本部と機内に監禁された人質の救出作戦を開始。熾烈な攻防戦の末、まずは本部の人質たちを救い出す。
=サイードが問題のある映画として例示

●アバンチ・ポポロ(1986)イスラエル
AVANTI POPOLO 85分
製作・監督・脚本:ラフィ・ブカイー 音楽:ウリ・オフィル
出演:サリム・ドウ/スヘル・ハダッド/ツブヤ・ゲルバー
イスラエル映画が、宗教や民族の厚い壁を越えて、初めて敵側の視点で描いた反戦映画の佳作。第三次中東戦争終戦の日。エジプト兵のハレドとカッサンがシナイ砂漠の最前線で目のあたりにする歓喜と苦渋。ロカルノ映画祭で、グランプリとアイザック・スター賞を受賞。

トゥルーライズ(1994)TRUE LIES
141分 アメリカ 初公開年月 1994/09/
監督:ジェームズ・キャメロン 脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:アーノルド・シュワルツェネッガージェイミー・リー・カーティス
パレスチナ人テロリストが核爆弾テロを行うと脅かす(本当は金目的、しかし物語の構成はパレスチナ人テロリストは平気でそういう事をするという前提)
=サイードが問題のある映画として例示

●ロング ウェイ ホーム 遥かなる故郷 イスラエル建国の道<未>(1997)
THE LONG WAY HOME 映画 119分 アメリ
劇場未公開 ドキュメンタリー
監督:マーク・ジョナサン・ハリス 脚本: マーク・ジョナサン・ハリス ナレーション: モーガン・フリーマン
声の出演: エドワード