zames_makiのブログ

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舛添厚生労働大臣のみのもんたへの所感

 国民年金問題で舛添厚生労働大臣みのもんたから「ひどく攻撃されたと実感」している。


 実際TBSテレビのみのもんたの「朝ズバ!」では3年以上も国民年金問題を頻繁にとりあげている。また番組内で年金問題を取り上げる長さも長い。番組は名前どおり、政治的問題もズバッと明快に伝えるのが特徴であり、年金問題については2008年では、××が問題、政府は○○と言うが、実際このように解決していない、どうして解決しないのか、舛添さん△△してください!という形で明確に述べている。番組コメンテーターは毎日新聞論説委員を代表にしたリベラルな立場の人が多く、政府に厳しいコメントをしている。


 舛添厚生労働大臣は2008年秋、この番組で後期高齢者健康保険制度について、見直し私案を番組内で、テロップなどを準備した状態で述べて、国会を含め波紋を呼んだ。しかしこの私案は行政内で実施担当者が示したものでかつ、政府内の支持を得ておらず、与野党両者から批判を浴びた。みのもんたが「舛添さん」と言うのはこうした経緯があるからであり、又舛添氏が論文内でみのもんたを名指しで批判しているのも、それが理由の一つであろう。


 「朝ズバ!」の土曜版「土曜ズバ!」では2008年末までに140回以上も年金問題をとりあげており、そのペースはほぼ毎週になる。出演者の女性アナウンサーは毎回年金問題を説明することになり「年金の女王」とみのもんたは呼んでいる。土曜番組は特別編成で与野党政治家が出演することが多いが、2008年末の状況では、主に公明党議員が年金他の政府の支持・説明に回り、民主党共産党社民党から厳しく批判される事が多い。


以下は中央公論2008年12月号の舛添氏の論文「俺の言うとおりにしないと、自民党は終りだ!」より抜粋

「敵」には、例えばみのもんた氏のような、メディアで「活躍」する人物もいた。彼が毎朝のように「老人いじめですね」と浴びせる砲弾の威力は、凄まじい。対するわが方の大砲はといえば、まるで威力がない。国会の厚生労働族の方々は、私に噛み付く前に、みのもんた氏の番組に出て彼と対決したらどうなのか。(中略)


論壇誌や新聞であれば、読んだ人間は多少なりとも「考える」。だが、テレビはそれを許さない。「衝撃映像」にかぶさる印象的な一言が脳裏に刻み付けられ、次の瞬間、別の話題に切り替わる。みのもんた氏は「ほっとけない!」と叫びはするが、代替案はない。そして視聴者も、多くはそこで思考停止になってしまう。

上記論文は以下で読める
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20090105-02-0501.html
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20090105-03-0501.html


(感想)
舛添氏の行動および認識は、老人関係の医療制度・年金制度は批判は多く、直すべき部分は多いが、野党の言うほど現制度自体は悪くない。後期高齢者医療制度は制度自体は、よいものだが、国民ほぼ全体から批判を浴びている以上、やめるべき。やめて、国民全体で老人医療を支える制度の改定しようというもので、番組内で彼が示した私案に沿うもの。年金問題については論文はほとんど述べていない。

 舛添氏の態度は、直すけど根本的には現行で良い。年金問題は仕方がない。となろう。またこうした彼の態度さえ政府内では支持を得られるはずもなく、TBSのみのもんた番組でワザと露出することで、世論の後押しで政府自民党を変えたかった、という意図に見える。


 みのもんたのTBS番組では、長期間の年金問題の取り上げで民主党年金問題への批判がほぼ全て出ている。即ち、年金問題では、少数の明らかになったケースだけでなく全件を調べる事、国家として本腰を入れ第予算を組んで早急(半年程度?)で処理解決すること、であり、これに舛添氏は反対している。

 番組内でみのもんたは、直接こうしろとは言わないが、年金問題では、繰り返しこうした主張が紹介され、自民党公明党)の説明では問題が解決されないことが、視聴者にも明確になっていると思われる。


 上記から、舛添氏の「みのもんたは問題は提起するが、代替え案は示さない」は一般論としては正しい指摘と思われる。しかし年金問題では視聴者には通らない主張に見える。視聴者は民主党の指摘・問題的・代替案を繰り返し聞いており、みのもんたはそれを要求していると思っているだろう。