zames_makiのブログ

はてなダイアリーより移行

厚生省元事務次官殺害事件から考えるべき方向(メディアについて)

>「民主主義」がうまく機能していないからこそ「暴力」によって意見を行使しなければいけないことになる。

私はTVなどのメディアを政治情報の視点でチェックしていましたが、この意見には一応同意したい。私の感想は弊ブログ11/28にも書きました。ある意味では私はこの殺人事件はテロだと思ってます。
しかしそこから先どう考えるべきでしょうか。私は残念ながら日本では民主主義がまだ根付いていない、だから日本人はもっと民主主義に「必要な行動」をすべきだ、と言うべきだと思います。すなわち政治家やシステムの側より国民の方に問題が大きいという事です。具体的に言えば以下です。

1政治的な情報をもっと要求すべきだ
 小泉はイラクへの自衛隊派遣で「どこが安全な地域か私にわかる訳がない」と説明を拒否しました。こうした説明拒否・議論の放棄・情報の不開示は非常に多くある。しかし小泉の例では国民の多くはまったくそれを問題にしないまま小泉を支持した。民主主義は政治的に何が問題であり、どう対処しようとしているか、という提示された情報の上に初めて成り立つ有権者の意思決定の過程でしょう。しかし今の日本人は、その情報が開示されていない事にまったく不満を述べない、そのくせ政治全体には不満を述べており、自分で原因に気づいていないと言うべきでしょう。それは民主主義的に非常に幼稚だと言うべきでしょう。
 この事態がメディアのあり方に関係している。2005年の小泉劇場で国民の意思決定にTVが非常に重要であることが日本でもはっきりした。2008年の今のTVは一見たくさんの政治情報を流すが実際にはそれは政府の活動に非常に偏っているし、また各テレビ局での話題の差はほとんどなく、伝え方のみが異なる。なぜメディアはもっと多くの情報を国民に与えないのか?なぜ自分で調査をして問題全体を明らかにしたり、違った視点を踏まえて多様な意見を伝えたりしないのか?
 理由はそうした不満が視聴者の側からはほとんど上がっていないからでしょう。視聴者の要求はむしろ限られら情報をいかにわかりやすく(=視点を限定し情報量を減らす方向)伝えるかにかかっているようです。これでいいのでしょうか?

有権者としての意見をはっきり表明するべきだ
 はてな2ちゃんねるは、国民の意見とは言えないでしょう。2チャンネルは国民の若年層の「感情」と言うべきではないか?又「はてな」はブログ全体の中でもシェアは少なく(<20%)ネットの中でさえ多数だとは言えない。どちらにしても、それを国民の意見として吸い上げるには、シェア(多数性の問題)、実生活との関係性(どれだけ真剣な意見なのか)、そして実際の投票行動との関係が明確でないため検討できないと思います。確かに今はネットに情報はある、しかし今でも検討すべき政治的意見(輿論)とはリアル社会での行動と発言と言うべきではないでしょうか。つまりはてなや2チャンネルで何を書いても到底それは実際の政治には届かないと考えるべきだと思います。

3選挙で投票すべきだ
 私は「投票してもどうせ○○が当選するから投票しない」というのは民主主義がわかっていない最たる発言だと思うのですがいかがでしょう?

上記より現状の日本で持続的で直らない政治的不満があっても、それを暴力で表現するのはやはり最初から正当性がないのだ。むしろ国民の側に問題があるのであり、幼稚極まりないと考えるべきだと思います。