zames_makiのブログ

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渡り川(1994)ドキュメンタリー金学順

製作:「渡り川」製作上映委員会 配給:「渡り川」東京上映委員会
公開 1994.09.24 90分 カラー 16ミリ
監督:森康行 金徳哲 音楽:原正美 編集:吉田栄子 ナレーション:井川比佐志 歌:李  政美
高知県・幡多地域において、戦後生まれの高校生たちが、過去の戦争における日本と朝鮮の語られなかった歴史を調査していく姿を追ったドキュメンタリー。92年3月から20ヶ月の歳月のなかで、「幡多高枚生ゼミナール」の生徒たちが成長する姿、土を耕す父母、戦争体験を語る祖父母、そして彼らと家族の営みを描く。カメラは四万十川の豊かで美しい四季の自然や厳しい風土を余すところなくとらえる。監督は「ビキニの海は忘れない」の森康行と、「潤の街」の撮影監督・金徳哲の共同。

1994年度 キネマ旬報文化映画ベストテン第1位。
1994年度 毎日映画コンクール  記録文化映画賞受賞


(以下、映画のちらし・パンフより)http://homepage2.nifty.com/taejeon/kaiho/kaiho-29a.htm
【解説】自由民権運動の伝統を受け継ぐ土佐。1993年11月、「幡多高校生ゼミナール」は坂本龍馬に続く人材の奨励・育成を目指して各分野で活躍する県内の若者たちに贈られる「第8回龍馬賞」を受賞した。「生徒たちの自主的な活躍で、学校の授業でおろそかにされがちな近代史の掘り起こしに努めたこと」を選考にあたった新聞・テレビの報道責任者でつくる「高知報道11社会」が評価した。映画は、92年3月から20ヶ月の歳月のなかで、幡多ゼミの高校生たちが成長する姿、土を耕す父母、戦争体験を語る祖父母を通じて家庭の営みを描く。カメラは四万十川の豊かで美しい四季の自然、厳しい風土を余すところなく撮らえる
  戦後50年を迎えようとする今、アジアの人々との真の理解と友好、共生の時代が求められている。「渡り川」は、「ビキニの海は忘れない」の森康行監督と「潤の街」の撮影監督金徳哲、2人の共同監督により、国境を越え、時代を超え、人々の新たな出会いを希求しながらつくられた映画である。

【あらすじ】「日本最後の清流」といわれる四万十川。その中流域にある西土佐村の鉄道(旧)江川崎線、大正町にある戦時中四国随一の津賀ダムなど、多くの朝鮮人によって築かれたことを高校生たちは知る。「なぜ、幡多地域に多くの朝鮮人がいたのだろう!」当時を知る人たちに会って話を聞き取る中で、朝鮮から強制連行された人たちがいることがわかってきた。1992年1月、NHK『青春メッセージ』で“共に生きる明日を築くため「お会いしませんか」”と呼びかけ、最優秀賞を受賞した神戸朝鮮高校の金有美(キム・ユミ)に手紙を出し、夏、四万十川に招く。若者たちは語り合い歌い交流が始まった。そして、お互いにホームステイをしながら友情を育くむ。
 1993年夏、若者たちは韓国へと旅立ち日本軍の慰安婦にさせられた金学順(キム・ハクスン)さんに会う。「あなたたちと話しあえてうれしい。若いあなたたちは、歴史の事実を正しく伝えてください」と語りかける金さんの言葉に若者たちは胸がつまり、戦争が人間に残した傷跡の深さを知る。
 ソウルの大学路、小雨の降る中。両国の若者たちは肩をくみ、「朝露」を力いっぱい歌った。国境を越え、友となった若者が抱き合い、涙はほほをぬらした過去から現在、未来へ、日本と韓国・朝鮮(KOREA)の人々が、真の友好を結ぶには、自分はこれから何ができるのか。アジアの人々と共に生きる社会をつくるのには自分たちが、今しなければならないことは何か、考え、歩みはじめた。

【感想文より】
・この映画には泣かされた。彼ら高校生たちは現代の坂本龍馬だと思う。いや龍馬を越えようとする国際的龍馬である。 (高知・92歳・男性)
・この映画を見ながら、真の国際理解や友好の在り方についても深く考えさせられた。 (高知・63歳・女性)
・胸がいっぱいになりました。日本に住む私たち朝鮮人の子供たちとの自然な友好が素晴らしい。 (神戸・在日コリアン女性)
・このドキュメンタリーは私にとってすごく衝撃があった。こんな高校生もいるんだなと。私ももってかくれた歴史を知らなくてはならない。現実、事実を。もっと…… (東京・高校生・17歳)
・『渡り川』は、重いテーマを含んでいるが見終わった後、快い余韻を残すのはなぜ?  (高知・54歳)
・高校も家庭も地域も一つになって歴史を掘り下げ、語り前進することを教えられたように思います。 (東京・女性)
・画面の美しさ。ゼミの方の純粋な涙。この感激をぜひ多くの方々に味わっていただきたくて筆を執りました。  (高知・女性)
・「従軍慰安婦」だったハルモニの姿に強く心をうたれた。自分という人間の存在によって歴史を語っている彼女の姿に感動した。 (東京・大学生・男性)
・日本はかん国やちょうせんとなかよくしてほしい。 (神戸・小学女子)
・私がこの「渡り川」を観て一番強く感じたのは「コミュニケーションの持つ力」である。お互いがお互いのことを理解しようと歩みより、そして触れ合う。その姿はすばらしく、力強く、感動的でさえある。 (東京・大学生・男性)
・この映画を見て高校生に教えられたように思います。日本の政治家はもちろん、南と北の指導者にもぜひ見てもらいたい。 (東京・男性・73歳)
・すごい映画ができたと思う。詩情がある。映像が美しい。さすがプロの技術が生きていると思った。心から拍手を送ります。(大阪・男性・54歳)
・高校生のみずみずしい感受性と問題意識の素晴らしさに打たれました。まさに彼らによって日本列島と朝鮮半島の「渡り川」が創られていくことに将来を感じています。 (東京・男性・71歳)
・輝ける未来を築いていこうとする人間の情熱の結晶がこの『渡り川』に描かれている。 (サンフランシスコ・女性・27歳)