zames_makiのブログ

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いるむ…名前〜朴秋子さんの本名宣言(1983)

カラー16mm 48分
製作:映像文化協会(代表 辛基秀)
監督・脚本:滝沢林三 語り:伊藤 惣一
出演:朴秋子(主人公)高木道明(夫)他


(以下、解説パンフから)http://homepage2.nifty.com/taejeon/kaiho/kaiho-27b.htm
【紹介】朴秋子さんは、1940年生れ、大阪育ちの在日韓国・朝鮮人2世。少女時代から民族差別の壁の前で「通名」でとおした。大学4年の時、はじめて「本名」を名のり「本名宣言」のビラをまいた。そして結婚。いま一男一女の母に。 1978年5月、彼女は大阪府下のある社会福祉施設の寮母採用試験をうけた。しかし「本名」のゆえに拒否された。なぜ「本名」では採用されないのか。在日韓国・朝鮮人が「本名」を名のって生き働くことの意味を訴えつづけている。


 【解説】「いるむ…なまえ」朴秋子さんの本名宣言を製作して:映像文化協会代表 辛基秀(シン・ギス)
 日本人会=同化を共用する日本の社会で、いつわりの“日本人らしい”生活をとり戻そうとした朴秋子(パク・チュジャ)さんは、就職試験では「本名」の故に拒否されました。彼女の斗いは、在日韓国・朝鮮人が本名を名のることの意味を改めて強く訴えました。「朴秋子問題を考える会」の運動の輪は拡がり、このたび朴秋子さんの民族的再生・人間性回復、自らの被植民地意識を内部から変革する過程にカメラを持ち込みドキュメントすることになりました。疑いもなくこの記録映画は、在日朝鮮人を異民族として見とめない日本国家の同化政策が進むなかで、帰化する人や、とくに2・3世の若い世代に“本名とは何か”という問題を問いかける映画であり、日本人に対しては在日韓国・朝鮮人の氏名の意義を問いかけるドキュメントでもあります。日本人の夫・高木さんとの出会いの中で本名を宣言した朴秋子さんは、夫の理解をえて本名を名のりつづけています。この突出した斗いを支えている彼女の心は、若い世代の人々や厳しい日本社会のなかで同化されてゆく人々にも、“真実の人間とは何か”を訴えるものと思います。
 さらにこの記録映画は、1世の記憶に生ま生ましく刻みこまれている悪夢、皇民化時代の「創氏改名」のプロセスをもドキュメントし、当時とは異なった帰化アレルギーの緩和策を告発し、日本人化への甘い誘いが何を意味するのかを観客と共に考えるものです。朴秋子さんの民族的主体・人間性回復の過程は、在日韓国・朝鮮人のみならず、日本人にも真の国際人として生きる道を示唆することでありましょう。

 【献辞】パク・チュジャ・イズ・ビューティフル!:俳優 中村敦夫
 1960年代後半から、アメリカの人種問題における画期的な地平線が開けました。黒人たちが、<ブラック・イズ・ビューティフル>という標語を掲げたのです。その瞬間から、限りなく白に近づこうとしていた黒人たちの心は、黒の美しさを発見し、自信に充ちて生きるようになったのです。
 黒の輝きは、白人の心さえも魅きつけ、その素晴らしさを誰もが無視できなくなったのです。

映画上映の成功を  日本アムネスティ会長 イーデス・ハンソン:親からもらった名前がどんなに大切なものかを、あらゆる手段を通じて訴えるべきだと思います。
 映画の成功を心から祈っております。

本名宣言=人間宣言  詩人 宗 秋月:私達は父母の代から、二つの名前を使い分けて、生きのびてきた。本名と日本名の通名である。私達が生んだ時代の子も、やはり二つの名前を持つ在日朝鮮人である。高らかに、誇らかに、イルムの宣言をなすことが、私達の参画できる人間反差別戦線であるならば、子を生んだ母よ、子を持つ父よ、ここに、人間を宣言せよ!