zames_makiのブログ

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大いなる陰謀 (2007)LIONS FOR LAMBS

アメリカ 初公開年月 2008/04/18
監督: ロバート・レッドフォード 脚本: マシュー・マイケル・カーナハン
出演:メリル・ストリープ トム・クルーズ ピーター・バーグ マイケル・ペーニャ
未来の大統領とも目される上院議員のアーヴィング(トム・クルーズ)は、テレビジャーナリストのロス(メリル・ストリープ)に最新の戦略についての情報をリークする。そのころ、大学教授マレー(ロバート・レッドフォード)の教え子(デレク・ルークマイケル・ペーニャ)は、兵士としてアフガニスタンの雪山でその戦略のひとつに携わっていた。
公式サイト:http://movies.foxjapan.com/ooinaru/
レイトショー:http://www.movix.jp/schedule/coming-stm.html

台詞

第一次大戦中にドイツ軍の兵士たちは、イギリス軍兵士たちの勇敢さを どれほど尊敬しているかについての詩を作ったという。それはほとんど、あの何十万人という兵士をひたすら無駄に死なせたイギリス軍の最高司令部への嘲笑に等しかった。あるドイツの将軍は次のように書いている。
「このような(愚鈍な)羊たちに率いられたこのような(勇敢な)ライオンたちを、私は他に見たことがない」

中東研究家の感想(大野元裕氏)

大学教授(ロバート・レッドフォード)と学生のやり取り、一言一言がとても重く、息をつかせない作りこんだ映画という印象で、重い映画にもかかわらず、時間を感じさせませんでした。

現実の世界においても、米国が言うところの「対テロ戦争」と呼ばれるものが本当にあの通りの大義名分をもって進行しているのか、大きな疑問を抱いている私としては、フィクションでありながらもその背後に「リアリティ=現実の虚偽」を強く感じさせる作品でした。政治、ジャーナリズム、戦争、学業を描きながら、この映画は人間を描いており、あえて結論を出さずに、観ている者に大きな質問を投げかけます。

おそらくこの映画の主題は「What's for?」であり、「何のため」、「誰のため」を問うているように思われます。「何のための戦争」、「誰のための政治」、「なぜ学ぶのか」、「何のためにしに行くのか」、「ジャーナリズムとは何を目的とするのか」、それを考えさせるものに他なりません。