zames_makiのブログ

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黎明八月十五日(1952東映)軍部批判映画

YouTubeで視聴可能 部分 45分/98分
https://www.youtube.com/watch?v=D-YjSjHjGsY
sin pinにより2018/10/08 に公開

=45分の映像とあらすじから見て、戦時中の憲兵や政府、軍部の悪行の批判と降伏にいたる政治的動きをあわせた映画と思われる。記者、放送作家、兵士、女性のエピソードで憲兵や軍人の横暴さ、理不尽さ、を強く批判してる。物語がテーマではなく批判、恨めしさそのものがテーマに見える。

東映 公開:1952/5/1 監督:関川秀雄 脚本:八木保太郎、西沢裕 音楽:高田信
出演:
岡田英次 (佐伯記者)主人公、若い記者で軍人の横暴を苦々しく見る、噂の件で憲兵に虐められる
河野秋武 (吉田順吉:作家)主人公、放送作家、弱気、ビラで憲兵に虐められる、天皇崇拝のラジオドラマで憲兵に誉められ,本土決戦で勝つのドラマ書けと言われ記者を取材
香川京子(佐々木君子:憲兵の被害者)主人公、吉田と同行ビラの件で憲兵に虐められ逃げようとして足を折る怪我で一生直らぬ
丹阿弥谷津子(佐々木つる子)その母、一緒に虐められる
信欣三(山田二等兵)脱走兵、憲兵につかまり銃殺される
岸旗江(山田良子)山田の妻、憲兵に虐められる
松本克平(林記者)竹槍訓練に出ぬ
江見渉 (香山憲兵少尉)香川京子を虐める、悪い奴
花澤徳衛(留さん)
戸田春子(兼さん)
三島雅夫(遠山さん)


あらすじ(キネ旬

昭和二十年七月、その頃の日本は、限りない戦争の災禍と横暴な軍閥の重圧の下に疲れきっていた。その中にあって抗しきれない波涛に身をもまれながら、尚一片の正義を求めんとして苦しむ青年記者の佐伯、いつか暗黒の命令に自分の思想を見失って行く作家吉田、冷酷な憲兵のため傷つけられた娘君子などの姿があった。

山田二等兵は、軍隊を逃れ、その妻良子は非国民の妻の刻印をおされ、あくことを知らない憲兵隊の眼に追いつめられていた。山田はようやく家へたどりついたが、子供の年子は病気の床に横たわっていた。追いすがる子供をふり切ることの出来ない山田を憲兵は荒々しく引き立て、争いの果てに妻の目前で銃殺してしまうのだった。

広島に原子爆弾が投下され、次に来るものは本土決戦といいふくめられ、人々はやせた手に竹槍をにぎりしめるのだった。しかし、やがて八月十五日がやって来て、日本敗戦の事実は人々の前に、明るみのなかに暴露された。

虚脱されたような空ろな人々の眼。その眼には涙があった。しかし、戦いのすんだ焼跡には、無心な子供たちの明るい歌声がひびき、空には雲がゆるやかに流れていた。ようやく黎明はやって来て、街は廃虚のなかから静かに新しい息吹を通わせはじめていた。

「君死に給うことなかれ」(1954東宝)原爆メロドラマ

=男女恋愛を戦争→原爆の傷(女のケロイド)が引き裂く
YouTubeで視聴部分可能(部分)35分/99分
https://www.youtube.com/watch?v=23SgCRF0EzQ
=sin pinにより2018/09/25 に公開
被爆者=藤森久美子(司葉子)と記者藤森亘(池辺良)の恋愛を戦争→原爆のケロイドが引き裂く、「純愛もの」は熱愛関係の男女を原爆症による死が突然引き裂く劇的な構成で異なる、ここでは「被爆による結婚回避」や「自殺」という現実を基礎に物語を構成し、自殺を乗り越え結婚するという明るい結末になっており、純愛物=巨大な悲劇、と異なる。
あらすじ(キネ旬

戦争末期の東京で、亘は母が入院している病院の看護婦久美子を愛していた。亘の親友小島は出征に先立って、妹の礼子を貰ってくれと頼んだ。然し母を失った亘は久美子一人を思いつめた。礼子の事を知った久美子は淋しく故郷広島へ去ったが、亘は後を追って結婚の約束を結んだ。その直後に亘は召集され、敗戦の混乱のうちに五年の歳月が流れた。久美子は広島の保育園で働いていた。原爆を受けて生きる希望を失った彼女は、園長に励まされて東京の病院へ治療に行き、そこで計らずも礼子に会った。礼子は近く亘と結婚する事になっていたが、彼女は久美子に亘と会うことをすすめた。然し久美子は諦めて広島へ帰ったが、亘は後を追った。久美子は保育園には居なかった。園長は亘の愛情の深さに打たれて久美子の居所を教えてやった。彼女は信州の療養所で働いていたが、恐ろしい傷を受けた体を思うと、愛するが故に亘の愛情を受入れることができなかった。亘の胸に抱かれて泣いた彼女は、その夜、湖に身を投じた。後を追った亘は彼女を救い上げ、久美子の心にも生きる希望が湧いて来た。

私の中のヒロシマ(1973年)原爆ドキュメンタリー

監督・製作:川本昭人 19分
=映像作家による個人史的ドキュメンタリー、原爆症の暗い描写、心の中体の中に原爆を抱え続け、家族の、子供の、自分の不安と共に生きる姿を描く。その後「妻の貌」(2008年)114分に発展、これは劇場公開(2009/07/25)され、佐藤忠男が記事を書いている。

→岩波DVD シリーズ 日本のドキュメンタリー政治・社会編 収録 計10作品収録。(DVD3枚組)
YouTube
1/2 https://www.youtube.com/watch?v=Jf7Uj58gdc0 9分52秒
2/2 https://www.youtube.com/watch?v=q_tFjBlXOE4 8分45秒

◇私の中のヒロシマ 監督:川本昭人

広島の映像作家・川本昭人が1973年に発表した作品です。1968年、健康だった妻にガンが見つかります。広島に原爆が投下されて23年も経ってから、その後遺症で甲状腺がんを発症したのです。この映画は、がん再発の不安を抱えながら闘病や子育てをする妻を、夫である作家自身が8mmカメラで撮影しています。映画の主人公である妻は直接被曝をしていませんが、原爆投下直後の広島の街に入ったことにより、いわゆる入市被爆をしています。放射線が人間の身体に与える影響は、このように深刻かつ長期にわたるものなのです。

◇妻の貌 2008年 川本昭人
公式HP=http://www.tumanokao.com/

ヒロシマへの旅(1994)原爆アニメ

(英語版) Journey to Hiroshima (1994) 26分 アニメ
原作:池田大作 製作:シナノ企画 監督:Wendee Lee
YouTubeで視聴可能=https://www.youtube.com/watch?v=thupCblBXFI
=原爆で家族を失い自殺を考えた叔母八重子のエピソードに、苦境にまけずに生き抜く大切さを訴える、怪我で卓球を放棄しようとした中学生?の友人の復帰のエピソードにつなげる。原爆の悲惨さと核兵器廃止を訴えるのと、宗教的な精神的メッセージを訴えるのをどちらも大事にし、同時に訴える短編アニメ。監督はアメリカ人。アニメだが原爆の写真や平和博物館の展示も忠実にアニメで描いている。だが原爆投下直後の惨状は非常にソフトな描き方で広島城など建物破壊は手稲に描くが、火傷など被爆者の姿はほとんど描かない。

中学生の一城は、夏休みを過ごすため、叔母の住む広島へと向かう。叔母に広島の各地を案内された一城は、広島に投下された原爆の悲惨さと、平和の尊さ、そしてどんなことにも負けない勇気を学んでいく。宗教法人・創価学会の第3代会長であった池田大作が原作。過去の戦争体験を、現代の中学生の生活実感と重ね、解りやすく伝えることを目的に書かれたという。シナノ企画が製作を担当、アニメ本編の制作は、老舗・東映アニメーションが行っている。

キング・オブ・フィルムより吉田喜重篇(1995)原爆ドーム

キング・オブ・フィルム/巨匠たちの60秒<未>(1995)
原題:LUMIERE & COMPANY(LUMIERE ET COMPAGNIE)
リュミエールと仲間たち(ビデオ題)
メディア:映画 上映時間:90分 製作国:フランス 劇場未公開・ビデオ発売
原爆ドームを撮影する吉田監督、意味不明 52秒YouTubeにて
https://www.youtube.com/watch?v=J8TqGc2tfrM

 19世紀末にリュミエール兄弟の手によって誕生した、世界初の映画撮影用カメラ“シネマトグラフ”を使って製作された異色のオムニバス・ムービー。D・リンチ、V・ヴェンダース、S・リー、P・グリーナウェイ、J・アイヴォリーなど世界の著名な映画監督40名が、シネマトグラフを使って独自の映像を披露する。但し、制限時間は52秒以内、同時録音は不可、テイクは3回までという厳しい制限が課される。

ドラマ「明日 一九四五年八月八日・長崎」(1988)原爆ドラマ

明日−1945年8月8日・長崎(原作、脚本は漢数字、ドラマ題名はアラビア数字) NTV 1988/08/09 92分 単発
YouTubeで視聴可能=https://www.youtube.com/watch?v=U-RS57E2T5k
原作:井上光晴 脚本:市川森一 演出:せんぼんよしこ 音楽:羽田健太郎
=映画版とほぼ同時に製作公開、映画版は1988/8/13公開、原作は1982年に書かれており、なぜこの時期に同時に映画が製作されたのか?テレビでの大型原爆ドラマの最初、悲惨な被爆者の姿をまったく描かずにすむ原爆ドラマである点に意味があるのか? 

出演:
樹木希林(2人の母親、世話で生活感でる、キリシタンの農家で「キリシタンは米軍上陸しても殺されない?」の話する、聖母画をもらう、生きていく)
大竹しのぶ(主人公の妊婦&ダンスホールの女主人の2役、妊婦は8/9早朝出産「この子と生きていく」と誓う、夫は出征中)
富田靖子(主人公の花嫁、看護婦、美人で勝ち気でコミカル)
堤真一(花婿、結核で体が弱い、すまけいを嫌う、元気であれば大陸か南方で戦死と言う)
有森也実(花嫁の友人の看護婦、恋人がいるが音信不通、妊娠してるので焦る、男の家に行くがその母親に追い返される、困る→男から電報が来る「8/9帰るので会いたい」=映画版と異なる)
川谷拓三(おじさん、路面電車運転手、仲間が軍人の未亡人と駆け落ちし助ける)
音無美紀子(川谷の妻、やさしい、8/9に昼に浦上の夫に弁当を届ける)
友竹正則(おじさん)
すまけい(花婿の義理の父、コック、嘘つきのだらしない男として花婿に追い払われる、だが本当は親切、花嫁に貴重なフライパンをあげる、8/9に卵もらい嬉しそう)

第4回芸術作品賞受賞作品。第28回日本テレビ技術賞受賞(撮影)作品。1945年8月8日、原爆投下の前日、長崎の人々の姿を通し、平和な生活をテーマに描く。大竹しのぶが二役で登場。開局35周年記念番組。出産寸前の長女(大竹しのぶ)と婚礼を控えた次女(富田靖子)をもつ三浦家の生活を描きながら平和を見つめ直す。演出のせんぼん氏を慕って名優が勢揃い。「ひと言の台詞で3パターンも収録した」と娼婦役もこなす大竹は改めて心酔。「靖子もリキが入りました」と富田。

原爆爆発場面トップ10(米映画で)

https://www.youtube.com/watch?v=2LVttL1c9Ro
1ウルヴァリンSAMURAI(長崎原爆被爆の火傷を強調)
2インディペンデンスデイ(異星人の宇宙船を爆破)
3ダークナイト ライジング(捨て身で海上で爆発)
4アルマゲドン小惑星を爆破)
5トータル・フィアーズ(米都市を破壊、大統領が被爆
6デイアフター(米都市を破壊、カンザスス州で、焼ける人体)
7ターミネーター2(夢で米都市を破壊、消滅する人体)
8ブロークンアロー(米の荒野で爆発)
9ゴジラ(2014)(海上で爆発)
10博士の異常な愛情(多数の核実験映像)

ないし、その他の佳作