zames_makiのブログ

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山のかなたに(1950)予科練帰りの暴力

製作:新東宝=藤本プロ 第一部 林檎の頬 公開:1950.07.15 95分 白黒
第二部 魚の接吻 公開:1950.07.27 106分 白黒
現存するのは総集編 121分 
製作:藤本真澄 原作:石坂洋次郎 監督:千葉泰樹 脚本:井手俊郎 音楽:服部良一
ほぼ同じ制作陣によるリメイク版あり=1960年
出演:
池部良(上島先生)フナ→かかし教師
角梨枝子()
堀雄二()
若山セツ子()アメリカかぶれの女教師、ブーブちゅんのワッペンをつけている、ゲーブルなどアメリカ俳優を列挙してあこがれる。
青い山脈」の石坂洋次郎の同名小説を映画化した青春群像劇。長野県のある田舎町の高校を舞台に、池部良演じる心優しい教師が理想と現実の間で葛藤し成長する姿を描く。主題歌は藤山一郎が歌う名曲「山のかなたに」。劇場公開時は二部作として公開された、現存するのは”総集編”。

設定:終戦2年目=昭和22年の地方のある町の高校での民主主義、倒されるべき悪役は予科練帰りの上級生の暴力であり、冒頭いきなり海軍式のピンタ、殴打、などの下級生への制裁が描かれる。予科練生は海軍で教科学習を受けているが、戦後それを学歴と認められなかったため、もし教育を受ける場合は、大幅に年齢の下の者と机を並べざるを得ない事になる。
 

山のかなたに(1960)予科練帰りの暴力の変形

山のかなたに 第1部リンゴの頬 第2部魚の接吻
製作:東宝 公開:1960.02.02  2,983m カラー 東宝スコープ
製作:藤本真澄 金子正且 監督:須川栄三 脚本:井手俊郎 原作:石坂洋次郎 音楽:服部良一
出演:
島健太郎(宝田明)正義の熱血教師
井上美佐子(白川由美
井上大助(久保賢)
井上ふみ子(夏川静江)
志村高一(夏木陽介
林タケ子(柳川慶子)
村田芳子(草笛光子
村田政吉(山下敬二郎
和田弥助(加東大介
和田おいく(沢村貞子
和田タマ子(星由里子)

山と川に囲まれた美しい地方都市、だがここにも雑草ははびこる。健太郎の奉職する高校では愚連隊気取りのマサ公、ケンちゃんを頭とする暴力上級生が乱暴を働いていた。生徒たちに人望のある健太郎も、彼らに対しては消極的だった。一年生井上大助の姉・美佐子はその態度を非難し、案山子さんというニックネームを進呈した。健太郎は、この問題は生徒自身で解決されるべきだと考え、その機が熟するのを待っていただけだ。その気持を知るのは、健太郎の後輩で、昔グレたことのある高一だけ、彼は更生して美佐子の伯父の経営する農場で働いていた。洋裁塾で美佐子の弟子をしているタケ子は、高一に参っていた。ある日、大助は姉美佐子を恋する国語教師山崎から頼まれた恋文を連中に奪われた。翌朝、全校生徒の並ぶ前でマサ公はその手紙を読み上げた。と、「その手紙を書いたのは俺だ」と健太郎が進み出た。この事件で、美佐子は健太郎を見なおした。美佐子の下宿の主人弥助が立退きを要求してきた。スラックスをはき、煙草をくわえた、近代的スタイルは、日本女性の面汚しだというのだ。怒った美佐子の弟子たちは、タケ子をリーダーに弥助の許へ押しかけた。タケ子の泣き声が効果を発揮し、弥助は遂に美佐子立退きの件を取消した。彼女らの壮挙を聞いた一年生たちは、ぼくたちもと結束を固め、マサ公らと河原に対決した。数刻後、さすがのマサ公らも屈伏した。−−美佐子と健太郎、タケ子と志村の二組の新婚家庭もやがて誕生することだろう。