シンポジウム『占領する眼・占領する声―CIE/USIS映画とVOAラジオ』
シンポジウム『占領する眼・占領する声――CIE/USIS映画とVOAラジオ』
☆占領軍が全国で400本以上上映したCIE映画(ナトコ映画)は、プロパガンダ、教育、啓蒙、娯楽、という多面的な色彩を放つメディアであった。占領終結後はUSIS映画に継承されていく。VOA(ヴォイス・オブ・アメリカ)ラジオ放送は、ニュースのみならず、教養番組、英語教材、心理戦の武器としても発信された。アジアにおける地理的広がりと、冷戦期に続く時間的広がりの中で、日韓の研究者たちが、占領期〜ポスト占領期アメリカの海外向け視聴覚メディアを、政策として、また生きられた経験として多角的に論じ合う。
日時:2012年3月4日(日)
13:30〜17:30 (13:00開場)
場所:東京大学大学院情報学環福武ホール・福武ラーニングシアター(東京大学本郷キャンパス赤門並び)
入場無料・韓国語通訳あり
司会: 吉見俊哉
プログラム第1部――政策としてのメディア冷戦
・土屋由香:原子力平和利用USIS映画―核ある世界へのコンセンサス形成
・井川充雄:VOAフォーラム―「教養番組」とプロパガンダの交差するところ
・小林聡明:冷戦期アジアにおけるVOAの展開と中継所の世界的配置
・許殷(ホ ウン):冷戦期アメリカの民族国家形成への介入とヘゲモニー構築の最前線―在韓米国広報文化交流局の映画
・コメント:鄭容郁(チョン ヨンウク)・第1部ディスカッション
【CIE/USIS映画上映】『原子力の恵み』(USIS 555-S)『将来の設計』(CIE 64)
プログラム第2部―メディア冷戦を生きる
・谷川建司:冷戦期のアメリカ広報外交とスポーツ―CIE映画とVOAラジオ放送におけるスポーツ関連コンテンツの積極的利用
・身崎とめこ:衛生家族の誕生―CIE映画からUSIS映画へ、連続される家族の肖像
・中村秀之:敗者による敗者のための映像
――CIE映画教育と日本製CIE映画について
・原田健一:CIE映画/スライドの日本的受容―「新潟」という事例から
・とちぎあきら:CIE映画フィルムのアーカイビング
・コメント:土屋礼子・総合ディスカッション
主催:東京大学大学院情報学環・日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究B・研究代表者:土屋由香)「占領〜ポスト占領期のアメリカ広報宣伝/メディア政策―映像とラジオを中心に」(基盤研究B・研究代表者:井川充雄)「冷戦期における米国の「広報外交」の実態とその評価法の解明」