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クラブ進駐軍(2004)占領軍のいる風景

題名:この世の外へ クラブ進駐軍 製作=松竹=衛星劇場=角川大映映画=朝日放送=エフ・シー・ビー・ワールドワイド=セディックインターナショナル=システム 配給=松竹 公開:2004.02.07 全国松竹系 123分 カラー ワイド
監督・脚本:阪本順治 原作:KИHO 海外キャスティング:リンダ・ボーグランド
=最も占領軍、アメリカ兵が出てくる日本映画。過去にパンパン映画多いが米兵はほとんど登場しない(特に戦後早期)。戦後60年という時期になってこの時期を映画化する意味不明の凡作。日本人らしさや旧軍のほこりや、敵対感情を金に売って占領軍相手に金のために演奏するジャズバンドだが、それらの主題は不明確かつ単発的にしか示されずただの騒動が短く描写されるに過ぎない。目立つのは主人公のジャズへのこだわりだが不明確かつ盛り上がり不足だ。脇役のオダギリジョーのやたら狂騒的な表面的な姿の方が目立つが、彼はまったくリアルではなくエピソードに説得力が欠ける。ラストは確執を超えてジャズで懇意となった(ありきたりで説得力不足の経緯)の米兵の朝鮮戦争での戦死による失意の様であり、あいまいな反戦厭戦が全体のテーマとなっているが、当初の主人公の意識とあわず深みや面白みに欠ける。単なる戦後の混乱期の騒動目当ての娯楽作に近い。米軍との関係を描く過去の映画はパンパンが主人公でそれらは彼女たちを寝返った・倫理観のない・ダメな人と描く、それらが当時の認識。2004年ではジャズバンドもパンパンもそう描かれず、暗さや問題意識はない。米兵に犯されそうになった歌手がパンパンに救われるエピソード描かれるが、歌手が米軍から金をもらっている自分への意識は焦点化されない。=戦争の影あるも、テーマ・演出も不十分な凡作。占領軍との政治的な関係はまったく描かれず

出演:
萩原聖人(広岡健太郎)ジャズバンドリーダー、もとは日本軍人で軍楽隊、生きるために仕方なくジャズを始めるが音楽としてのジャズに真剣になる。
オダギリジョー(池島昌三)学生くずれ、素人だがドラム奏者になる、やたら騒ぎまくる
MITCH(浅川広行)トランペット、ヒロポン中毒者
松岡俊介(平山一城)ベース、もと日本軍人軍楽隊、兄は共産党員で摘発される
村上淳(大野明)ピアノ、バンドを裏切って引き抜かれる
シェー・ウィガムラッセル2等兵)日本人嫌い、サックスを吹き作曲する、朝鮮戦争で戦死する
ピーター・ムラン(ジム軍曹)基地のパーティ担当者、広岡らを指導、友人を戦死でなくし禁止の曲あり
哀川翔(米軍通訳)いかがわしい偽2世、横流し仲介で首になる