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荷車の歌(1959)山本薩夫

=女性の一代記。日清戦争日露戦争ー大正米騒動大東亜戦争が背景。主人公が若い前半は苦難の連続で弱い夫人の立場の描写が興味深いが後半は間延びし、エピソードの羅列に過ぎない。
 太平洋戦争で、次男は派手に見送られ出征する、父親は国への奉公を当たり前と思うが母親は死ぬなと言う。沖縄で戦死。広島の原爆で三女スエ子が死に、探しにいった父親も被爆で後年死ぬ。

製作=全国農村映画協会 配給=新東宝 公開=1959.02.11 145分 白黒 ウルトラスコープ
監督:山本薩夫 脚本:依田義賢 原作:山代巴 音楽:林光
出演:
望月優子(セキ・主人公)勘当されても好きで茂市と結婚する。つらい労働、姑のいじめ、姑の男尊女卑の強要、老いた夫の妾の引き入れ、戦争で子供を失うなどのつらい人生を振り返る。
三国連太郎(茂市・その夫)金儲けのため車ひきをする夫。金儲けのためセキにつらい労動を強いる。姑に頭があがらずセキへの虐めを止めない。子供は女の子であればまったく大事にしない。戦後突如発病し死亡、次女を探しに行った広島で被爆したと思われる。
岸輝子(姑)意地悪でひどい姑。自分も若い時から夫と死に別れ辛い人生をおくっている。浦辺粂子(ヒナ)年老いた茂市の妾。平気で家に入ってしまうが虎男に追い出される。
左幸子(長女・オト代)勝気で姑と対立し家を出る。紡績工場で監督役になる。工場で知り合った男と自分で決めて結婚し、大阪で食堂を開く。
小笠原慶子(次女・トメ子)愚図な娘。紡績工場で働くが愚図、後に髪結いになる。
加藤鞆子(三女・スエ子)看護婦となり広島で原爆で死んだようだ。
塚本信夫(虎男=長男)鉄道機関車となる。徴兵されたが無事帰還。
矢野宣(三郎=次男)電車の運転手となる。隣人の娘と結婚、出征するが脱腸で返され茂市から非難され怒り志願する。沖縄で戦死。

水戸光子(親切な隣人ナツノ)