zames_makiのブログ

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芥川光藏の満映映画(1936〜40)

草原バルガ (22分・35mm・サウンド版・白黒) '36(満鉄弘報係)(監)芥川光藏(撮)早川弘二

少年拓士の日記 (29分・35mm・白黒) '39(満鉄映画製作所)(撮)山口武三(編)芥川光藏(音)杉山長谷雄

娘々廟會(にゃんにゃんめやをほい) (20分・35mm・白黒) '40(満鉄映画製作所)(撮)藤井靜(編)芥川光藏(音)太田忠 (解)中村伸郎

NFC説明文に反し国策的部分はほとんどない、「草原バルガ」はただ蒙古人の様子を記録しているだけで、彼らと日本人の関係にはまったく触れていない。「少年拓士の日記」は満州開拓に励む少年団の様子だが、匪賊、共産匪なども言葉もなく、中国人の関係は示されない。彼らがなんのために開拓をしているのかもまったく説明(観客への教育)されない。「娘々廟會」もっとも楽しい一遍。中国の宗教施設前でのお祭りと縁日のにぎわいを記録した様子、集まる人間に日本人は出てこない。日本との関係もまったくない。
…占領地におけるプロパガンダ映画の枠にありながら満州中国東北部)の大地とそこに暮らす人々の生活を叙情的にとらえ、そのユニークな創作活動が国内の映画ジャーナリズムを驚嘆させた異色の映画作家・芥川光蔵。『草原バルガ』や『娘々廟會』にみられる独特な空間意識は、「風景の耽美者」(滋野辰彦)とも評された彼の資質を余すことなく伝えている。いずれもアメリカ議会図書館からの返還映画。

上映 NFC

8/3(火) 7:00pm 8/19(木) 7:00pm