自分は検察リーク情報を流していないと完全否定するみのもんた氏

今朝（2010年1月19日）のＴＢＳ「みのもんたの朝ズバッ！」は大変面白かった。番組では８時から民主党（尾立源幸、森ゆうこ）下地幹郎（国民新党）らと野党（山本一太、公明党、共産党、みんなの党）の議員７人を呼んで、20分間小沢一郎の事件について討論をした。

この中で森ゆうこ氏は昨日のシンポジウム「『新撰組』化する警察＆検察＆官僚がニッポンを滅ぼす」を引用して激しくメディア批判を行った。森氏の主旨は、メディアで出ている情報は検察のリーク情報が多く信頼性がとぼしい、なのにメディアはそれを確かな事実のように伝えるのはおかしい。メディアがそうした怪しい情報を大々的に流したものを受け取って国民が判断しているのであり、小沢氏に厳しい世論調査結果もそうしたメディア報道の結果だ。小沢氏は現状でできる説明はしている、金の由来を「このようにまっとうだ」と検察に述べているのであり、それに対して反論がなければそれ以上説明しようがない。

森氏はメディアのおかしさの例として、昨日（1月18日）のみのもんたは番組で「石川議員は水谷建設から5000万円受け取った」と述べたが、それは確認されていない。その証言は別の贈収賄事件で服役中の元水谷建設社長から得たもので、司法関係者ならそれは信頼性に乏しいと考えるものだ、とはっきりみのもんたを代表するメディアを批判した。

興味深いのみのもんた氏の反応で、「リーク情報なんかじゃない」「新聞に書いてあるという事実をどう思うのか」とそれらがリーク情報であることを完全に否定した。その口ぶりからは彼自身は情報の出所状況をまったく理解しておらず、小沢一郎を犯罪者扱いする自分の言い方は間違っていないと信じているようだ。更にみのもんたは森議員に対し、政治資金で土地を買っていいのか？と反撃し、森議員が即答できないと、「答えられねえじゃないか」「小沢一郎も答えない」と、自らの番組での言い方を完全に正しいものとする態度を示した。更に民主党のリーク情報たれ流し検証委員会の設置をさして「民主党は反省するどころか新聞攻撃をしようとしている」と述べた。

この「朝ズバッ！」では昨日（2010年1月18日）もこの日も、みの氏＆コメンテーター全員によって激しい小沢一郎＆鳩山批判が行われていた。この日の番組冒頭でも激しく小沢批判が行われていたし、昨日の８時からの放送では、毎日新聞の岸井成格元論説委員を登場させ、リーク情報であるなとはまったく述べずに、小沢一郎はまったく怪しい・犯罪は確定的という扱いの解説を行っていた。この岸井氏は日曜日のテレ朝「サンプロ」で、どうやって情報をとるのか？と問われ「疑問を検察官にぶつけ、その顔色を判断する（字句通り）事で情報が正しいか判断するのだ」とリーク情報をまっとうから正当化する発言をした人物だ。

番組では森ゆうこ氏に野党議員から激しい批判が浴びせられ、また森氏はみのもんたの反撃（どれがリーク情報なんだ？土地を買っていいのか？）に即答できなかったために、みのもんたが正しいと感じた視聴者が多かったのではないだろうか？しかし森氏がこう反論していたらみのもんたは黙らざるを得ず、森氏の指摘が正しい事がはっきりしていただろう。

• みのもんたは過去にも信頼性の乏しい情報を大声で流すことで誤って人を悪人にしたてたのを反省していないか！2006年の不二家のケーキ期限切れ原材料使用事件だ。原材料の問題はそのとおりだったがみの氏は「不二家がチョコを再利用した」などと確認されていない事まで何度も述べて、不二家を攻撃し廃業すべきだとまで言った。実際にはチョコの再利用までは行われておらず、この事件ではTBSとみの氏は間違いを認め不二家に謝罪した。
• 政治資金で土地を買う事については、それは好ましくないが犯罪ではない。しかしみの氏はあたかもそれを犯罪かのように言っている、何が政治的に望ましいかは番組でも議論されるべきだが、それが犯罪なのかは別であり、今の小沢一郎の事件でもその点が混用されている。みの氏は小沢一郎が大金を持っているだけで問題視しているが、それは犯罪ではなく東京地検も問題視していない。みの氏は庶民性を強調するからそうした弁になるのだろうが政治と法の関係をちゃんと理解して発言すべきだ。
• 郷原信郎氏など元東京地検の司法の専門家が捜査の状況からリーク情報以外考えられないものが多いと言っている。逮捕された翌日に供述内容が出てくるのをみの氏は不思議に思わないのか？みの氏がジャーナリズム経験がなく取材の仕組みを理解していないのではないか。