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暖簾(1958)山崎豊子

製作=宝塚映画 配給=東宝 公開:1958.06.15 123分
監督:川島雄三 脚本:八住利雄川島雄三 原作:山崎豊子
出演:森繁久彌(2役:八田吾平、次男孝平):無一文で大阪の昆布屋に丁稚に入った主人公、暖簾分けをしてもらい独立。戦争で廃墟になるが息子が再建、更に発展する。主人公が老いて急死するまで。森繁が2役、しかも同じ場面に出る。連続性あり。
山田五十鈴(妻:八田千代)きつい妻。
中村鴈治郎(浪花屋利兵衛)暖簾を教え込む主人
浪花千栄子(浪花屋きの)金にきついその妻
乙羽信子(お松)本当の恋人。浪花屋で同じ奉公人だった。
=半分は戦後、息子の出征シーンで戦時期突入、統制を嘆く主人公で戦時期を表現、非常に短い。ついで歌で戦後を表現、ここから2役に切り替わる。廃墟と統制経済、闇屋など戦後のキュートな表現。ジープに乗ったGIを軽く表現、意図的に戦後は短くアメリカはいない。

…(後半)それから十年、わいの女房が自由にならへんのと同じやとぼやく吾平を尻り目に、戦争はすべてを奪い去った。
…敗戦−−今は荷受組合の役員としてわずかに昔をしのぶ吾平の前に、もっとも頼みにしていた長男の辰平は再び現われなかった。しかし、思いもかけぬ呑気坊主の次男、孝平の活躍で株式会社浪花屋は再建された。商売のやり方が当世風に華美なのが吾平には気に入らなかった。しかし華々しく浪華屋の店開きがあった日、突然の病魔に倒れた吾平の頬には微笑がただよっていた。あたかも、客を迎えるかのように−−。波瀾に富んだ吾平の一生は終った。しかし、暖簾の伝統は強く受けつがれるだろう。