zames_makiのブログ

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意志の勝利(1935)

TRIUNMPH DES WILLENS (英)TRIUMPH OF WILL 110分 ドイツ 日本公開年月 1942/03/
監督:レニ・リーフェンシュタール 撮影:ヴァルター・トラウト 音楽:ヘルベルト・ヴィント

上映 渋谷シアターN

当日料金 :一般 1,800円(税込)(毎週水曜日は1,000円)
※8/1(土)〜8/28(金)モーニング&レイトショー  上映時間 11:15 および 21:10
http://www.theater-n.com/movie_isi.html
1934年 ドイツ 上映時間:112分 モノクロ/モノラル/スタンダード/DLP上映 配給:メダリオンメディア、是空

<『意志の勝利』>
67年間の封印が解かれる、映画史上最大の問題作。我々は、この歴史を二度と繰り返してはならない。 『意志の勝利』は古都ニュルンベルクで1934年9月4日から6日間行われた国民社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)の全国党大会の記録です。製作に使用されたカメラは16台、スタッフは100人以上、撮影フィルムは60時間超えるなど、当時としては大がかりなものでした。本作は公開後、ドイツ各地の民衆を熱狂させ、ナチ党の党勢を拡大する一助となってしまいました。

<全てのクリエイターが、映像の教科書と認める禁断の映画>その整然たる映像美、卓越した演出法は海外でも高く評価され、1935年のヴェネツィアビエンナーレでは金メダル、1937年のパリ万博でもグランプリを獲得。観る者に善や悪を考える隙も与えない映像の圧倒的な力は、単なるプロパガンダ映画にはない高いクオリティを備えています。しかし、ナチズムによる第二次大戦勃発とその後の人類の危機に瀕するほどの世界的大戦禍により、本作は世界から封印されてしまいます。

プロパガンダ映画とは>政治的宣伝を目的とした映画の総称で、映画の誕生から現在まで形を変え作られ続けています。特に、D・W・グリフィス監督『國民の創生』(15)やエイゼンシュテイン監督『戦艦ポチョムキン』(25)は、『意志の勝利』と並んで映画史上に残る傑作と評価されています。また、意外な所では名作『カサブランカ』(43)もプロパガンダ映画として制作されました。

<上映に際して> 今回の上映は、封印された本作の存在を人々に知らしめ、その映画史における芸術的重要性を再認識させると共に、本作公開以降に起きた世界崩壊・ナチスドイツによる大量虐殺の惨劇を思い起こさせ、本作を所謂「反面教師」とし、二度とあのような歴史を繰り返してはならないという現代社会への警鐘を人々に鳴らすきっかけにしたいと強く希望し、また改めて平和への想いを再認識したいと考えております。

<悲劇の女性監督レニ・リーフェンシュタール>ベルタ・ヘレーネ・“レニ”・アマーリエ・リーフェンシュタール(1902年 8月22日 - 2003年9月8日)ベルリン生まれの舞踏家、女優、映画監督、写真家、世界最年長のスクーバダイバー。主演・監督を務めた映画『青の光』に感動したヒトラー自身から、本作の監督を直接依頼される。しかし、本作及びベルリンオリンピックの記録映画『オリンピア』が国威を発揚させるプロパガンダ映画として機能したという理由からナチのプロパガンダ映画製作者として忌み嫌われ、戦後長らく黙殺された。1970年代以降、アフリカ・ヌバ族の人びとを撮影した写真集と水中撮影写真集の作品で戦前の映画作品も含めて再評価の動きも強まったが依然ナチス協力者の烙印は消えず、その生涯を終えた。