zames_makiのブログ

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外語大による緊急集会「イスラエルによるガザ侵攻を考える」

 昨年12月27日にイスラエル軍が開始したガザ地区への攻撃が激しさを増しています。1月3日からは地上侵攻も始まり、6日現在でパレスチナ側には600人を超える死者と3000人近い負傷者が出ています。パレスチナにおけるこの事態を受けて、東京外国語大学中東イスラーム研究教育プロジェクトでは緊急ワークショップを開催します。中東地域・パレスチナに長年関わってきた学内外の研究者を中心に、今の状態を招いた背景と今後の展望、訴えていくべき内容や取るべき行動について考えます。
日時:1月11日(日)11:00 〜 14:00(11時開場、11時15分開始)
会場:如水会館 1階 如水コンファレンスルーム(最大100名まで)東京都千代田区一ツ橋2−1−1(Tel 03-3261-1101(代))
アクセス http://www.kaikan.co.jp/josui/company/access.html東西線竹橋駅下車1b出口 徒歩4分)
参加費:無料
講演者:酒井啓子東京外国語大学・教授)臼杵陽(日本女子大学・教授)川上泰徳(朝日新聞編集委員)飯塚正人(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・教授)黒木英充(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・教授)山本薫(東京外国語大学助教)錦田愛子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・非常勤研究員)
主催:東京外国語大学中東イスラーム研究教育プロジェクト事務局

(参加者のメモ)
http://ameblo.jp/npj-info/entry-10191892678.html
イスラエル軍による殺戮は、今回が初めてではない。しかし、今回は、短い期間に異常なほど多くに死者が出ているという点で、従来とは大きく異なっている。2008/12/27の空爆開始、2009/1/3からの地上侵攻開始を経て本日(1/11)までの約2週間で、死者は800人余に達した。20002-2005年の約5年間の死者は、合計3,135人(月平均約50人)。今回は、その30倍以上である。 (錦田)

イスラエルのガザ侵攻は、アラブの新聞ではかなり前から予測され報じられていた。
ガザ攻撃を巡ってアラブ世界には分裂も見られる。「イスラエルは、『ハマスに無条件停戦を受諾させるため、ガザに決定的攻撃を行なう』と、エジプトなどアラブ諸国に予告していた」との報道がある。そして、「しかし、ハマスに対して『イスラエルには攻撃の意図はない』とエジプトは伝えていた」とハマス側はエジプトを非難した。エジプト側をこれを全面的に否定し、「イスラエルの攻撃意図は明白だったろう」と反論している。(山本)

・今回のガザ攻撃は、「武器を密輸入するトンネルの破壊などを目的とするものだとイスラエル側から言われたりしているが、そうした戦術上の目的によるものではない。ナチスの「ゲルニカ」や日本軍による重慶爆撃と同じく、ハマス側の戦意を叩きのめす政治的意図を持った戦略爆撃である。
 また、内政上の目的を多分に持ったものでもある。即ち、イスラエル国内にはかなり深刻な政治的分裂がある。そして、2007年のレバノン侵攻は、手痛い「敗北」に終わったとイスラエル国内では受け止められ(レバノンのヒズブッラーは、レバノン側に多数の死者をだしつつも、イスラレルが早期に停戦に応じたことで、「勝利」したとしている)、現政権は国民の支持を失墜していた。今回のガザ攻撃は、90%を上回る支持を得ており、2月10日の総選挙に向けて、現政権の大きな得点になっている。(臼杵

・そうした意味で、今回のガザ攻撃はかなり前から周到に練られた作戦計画に基づくものといえよう。「オフェレット・イェツカー作戦」と名付けられているが、この名は、ユダヤ教のクリスマスに当る<ハヌカー>の祭りの遊具、鉛製コマのことであり、イスラエルの国民的詩人ビアリークが作詞したハヌカー用のこどもの歌から採られたという。<ハヌカー>はまた、紀元前164年にユダヤ人の英雄、ユダ・マカビーが、エルサレムの神殿をセレウコス朝から奪還したのを記念する「光の祭り」でもあり、要するに、ナショナリズムを鼓舞する戦争ゲームとしてこの作戦名が付けられたと考えられる。(同上)

(某所コメント欄よりコピー)
ガザで起きていることは何なのか?対等な2国間の戦争なのか?対テロ戦争なのか?ジェノサイドなのか、ホロコーストなのか?1/11開かれた緊急集会でまさにそれが問題になっていました

◆錦田愛子(東京外語大学・研究員)犠牲者はパレスチナは負傷者3000人、死者760人、イスラエルは負傷62人、死者13人。このどこが「どっちもどっちなのか?」
◆山本薫(東京外語大学助教):イスラエルは2007.10頃からガザを封鎖し収容所化している、食料・燃料を与えない。そして2008.3.1にロケット弾攻撃がやまないないならガザをホロコーストするとし、2008.6から攻撃を計画、エジプトなどは事前に知らされている、攻撃前には計画的に停戦しそこれをハマスが破ったことを理由にしている。今回の攻撃は完全に計画された一方的な大量殺人だ。
臼杵陽(日本女子大学・教授):イスラエルの侵攻作戦の名前は「オフェレット・イェツカー」ユダヤ教の祭りハヌカーで使う子供の遊具こまの名前だ。戦争ゲームなのか?(前田哲男を引用し)我々は、ゲルニカ重慶ヒロシマ−の流れに、ガザを加えなければならないのか?実際、イスラエル国民はこれを支持している。それは見ても見えないから、それは日本人が重慶爆撃を無視したように。
◆飯塚正人(東京外語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・教授):対テロ戦争は誰がテロリストかわからない、制服をきていないから。結局死んだ奴がテロリストになってしまう。パレスチナで死んだ男は皆テロリストとされかねない。そんな無茶な論理が通るのか?日本で通っている例を知っている「どこか安全地帯か私が知るわけがない、自衛隊の行く場所が安全地帯なのだ」と首相が放言し通ってしまった。
この緊急集会の様子は外語大のHPで公開する予定だといってました。
酒井啓子氏は「私たち専門家がパレスチナ問題については大量に情報を出しているのに、日本社会は無視している、まったく浸透していない」と憤慨していましたね。これは南京大虐殺とかの歴史問題とよく似ていると思いました。