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江成常夫写真展〜昭和史のかたち(都写真美術館)

会期: 2011年7月23日〜 9月25日 (日); 休館日:毎週月曜日
料金:700円
場所:東京都写真美術館(JR恵比寿駅徒歩15分)
主催:東京都写真美術館
代表作である「鬼哭の島」、「偽満洲国」、「シャオハイの満洲」に、未発表最新作を含む「ヒロシマ」、「ナガサキ」を加えた112点

第1部 鬼哭の島:フィリピンのレイテ島、パラオ諸島ペリリュー島北マリアナ諸島サイパン島テニアン島、そして硫黄島、沖縄…。太平洋戦争の惨劇の島を巡り、江成がレンズを通して向かい合った声なき人たちとその情景を描き出します。

第2部 偽満洲国:関東軍が掲げる理想の裏で、おびただしい数の人たちに血と涙を強いながら消滅した「満洲国」。江成は1981年春から15年間にわたって旧満洲(現・中国東北部)の各地を巡り、日中両国民の精神的落差と経てきた時間の事実を描写しました。

第3部 シャオハイの満洲:太平洋戦争末期、数千人の戦争孤児が旧満洲に置き去りにされました。1981年、江成は中国に渡り、人民服を纏いながら自己存在を問う孤児たちと対面。この作品には昭和という人間性不在の光景が深く刻まれています。

第4部 ヒロシマ:戦争孤児と、孤児を生んだ「満洲」と向き合ったからこそ、その地に立つことができたヒロシマ。この作品は太平洋戦争の因果を明示するとともに、癒えることのない被爆者の痛みを通して、人間の罪の深さを語りかけます。

第5部 ナガサキ:医学者・永井隆博士の崇高な心に惹かれ、長崎を撮影してきた江成。消えることのない被爆者の心と体の傷、被爆地のモノとドロが溶け合った物体。その一つひとつが家族の絆と、繰り返してはならない罪業を訴えかけてきます。