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ぼくたちは見た―ガザ・サムニ家の子どもたち(2011)

映画 86分 製作国:日本 配給:アジアプレス・インターナショナル 公開年月:2011/08/06 ドキュメンタリー
監督:古居みずえ プロデューサー:野中章弘、竹藤佳世 撮影:古居みずえ 編集:辻井潔
…1400人という多くの犠牲を出した、2008年から09年にかけてのイスラエル軍によるパレスチナガザ地区への攻撃。本作の監督であるジャーナリスト・古居みずえは、攻撃直後に現地に入り、300人以上の子どもたちが犠牲になっていたことに大きなショックを受け取材を始める。ガザ南部の農業地帯ゼイトゥーンに住むサムニ家の子どもたちは、一族が一度に29人も殺されるという、過酷な事件を経験していた。古居みずえのカメラは、家族を失いながらも、懸命に生きる子どもたちの生活を静かに見守り、彼らの心の傷と変化を写し出す。20年以上パレスチナに通い続けてきた古居みずえだからこそ描きだせた、事件の後の“真実”。それに触れることは、瞬間的に消費される情報が飛び交う中で、「世界を理解するために知るべきことは何か?」を示してくれるだろう。

 子どもたちの“生きる力”“人間力”が、世界を変える!:親を亡くし、家も学校も破壊された子どもたち。しかし、ガザにはストリートチルドレンは存在しない。親を失い、兄弟を失っても、兄弟姉妹、いとこ、おじさん、おばさん、おばあさんといった大家族が彼らを引き取り、新しい家族としての“絆”を深めてゆく。封鎖されたガザでは、物資も少なく、日々の食事の支度もままならない。それでも、家族で食卓を囲み、瓦礫のあとで遊びながら、子どもたちはたくましく生きていく。子どもたちの証言から垣間見られるもの、それは“生きる力”“人間力”だ。なぜ国や人種、宗教が違うのに、子どもの持つ“生きる(生きようとする)力”は見る者の胸を打つのか。古居みずえは、特に日本人の同世代の子どもたちや、子を持つ親の世代に見てほしいと切望する。きっと、同じ星に生まれた彼らの姿は、今の日本人の心にも響き、これからの世界を変えるきっかけを作ってくれる。

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上映 渋谷ユーロスペース

2011年8月6日〜9月2日 上映時間:10:45〜12:30