zames_makiのブログ

はてなダイアリーより移行

普天間問題に関して大手メディアの伝えない情報(1)

新聞、地上波の大手メディアでは普天間基地移設問題では単に移設先を探すだけの論に限定されており、問題の本質がまったく議論されていない。しかしネットやシンポジウムなどでは本質的な議論が聞ける。この問題は大手メディアの甚だしい対米従属、正しい情報を伝え民主主義を支える機能の放棄がよく出ている事例となるだろう。

孫崎享氏インタビュー(取材・岩上安美)

2010年1月14日 取材:岩上安美(フリー記者) YouTubeにて公開
放送=http://www.youtube.com/watch?v=cJxUP6r-r1U
主旨

12005年以降の日米同盟は「国際安全保障関係の改善」という根拠だけで自衛隊を動かすとしており明らかな憲法違反だ。
2日米同盟は2005年以降日本の防衛ではなくアメリカの世界戦略をその目的としている、米国は在韓国米軍さえ世界の安全保障改善に使うとしており本気だ
在日米軍基地は上記のために米国が強く必要としているのであり、日本にとっては必ずしも必要ではない、日米交渉はそれを前提ですべきだ
湾岸戦争でクェートが日本の経済支援を無視し、人員派遣をした国だけに例を述べたというのはアメリカの宣伝工作の結果だ。クェートは他の会見では日本に感謝している。アメリカの担当者がこれは我々の活動の結果だと述べている(詳細は孫崎氏自著参照)
5「日米同盟の深化」とはアメリカの戦争に自衛隊を無制限に利用できるようにするとの意味だ。それをまったく理解していない。日本人には安保に対し様々な意見があろうが少なくとも安保を一度1960年レベルにもどしてそのあり方を再度議論をすべきだ。
普天間移設先議論では九州への移転案が米軍にとって軍事上現行より有益であり、自民党政権下での合意以外ないとの米国の立場を崩せるものだ、注目すべきだ。

半田滋(東京新聞)迷走する普天間問題・日米安保を問う

主催:憲法国連問題研究会 2010年2月8日
講演報告=http://ameblo.jp/pyl-blog/entry-10468582994.html

マル激スペシャルウィークin沖縄(無料放送)

ビデオニュースドットコム沖縄特集(マル激スペシャルウィークin沖縄) 2010年3月13日取材
無料放送=http://www.videonews.com/on-demand/461470/001388.php
出演者:玉城デニー衆議院議員)「『東京政治』への不信感の根底にあるもの」、大田昌秀(元沖縄県知事)「普天間問題のボタンのかけ違いはここから始まった」、真喜志好一(建築家)「もう沖縄は騙されない・普天間移設問題の真相」、伊波洋一宜野湾市長)「普天間返還に代替基地は不要」、我部政明琉球大学法文学部教授)「沖縄密約と普天間移設問題の接点」
発言要旨

大田昌秀(元沖縄県知事)=普天間基地はもともとは撤廃する合意であったのがいつのまにか移設になった、おかしい
真喜志好一(建築家) =建築の本業とは別に米軍資料調べた。おきているのは普天間移設にかこつけて、新基地建設をやろうとしている。アメリカ軍にあるのはそういう要求であり計画だ。
伊波洋一宜野湾市長)=日米政府の正式の交渉経過を日本政府は国民にきちんと説明していない。米軍再編でアメリカはほぼ全ての海兵隊基地のグァムへの移転を述べている、これは米軍資料でちゃんと示されている事で秘密ではない。状況を考えあわせると今しようとしているのは撤去のための移設ではなく、古く住民反対のある不安定な基地を新しく大きな基地への置き換えだ。だから代替地も沖縄が前提になってしまう。
我部政明琉球大)=どうしようない対米従属の日本政府だ、期待できない。

普天間基地移設問題についての有識者の声明(2010年1月18日)

声明本文(A4・1枚)=http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-155881-storytopic-3.html
声明要旨

1:普天間基地は代替地如何にかかわらず撤去する必要がある
2:沖縄に新しい基地は建設すべきではない
3:日本人全員が米軍基地を拒否している、代わりはアメリカが自分で探すべきだ
4:冷戦期に結ばれた日米安保は見直すべきだ

緊急記者会見 2010年1月18日、参議院議員会館第1会議室 知識人11人による発言、賛同している知識人340人
記者会見の動画=http://www.youtube.com/view_play_list?p=B36EA0F443B330D5
45分 司会:岡本厚(岩波書店)発言者(発言順):宮本憲一(大阪市立大)、宇沢弘文(東大)、遠藤誠治(成蹊大)、寺西俊一(一橋大)、川瀬光義(京都府立大)、小森陽一(東大)、千葉眞(国際基督教大)、加茂利男(立命館大)、西谷修(東京外国語大)、前田哲男(評論家)、和田春樹(東大)

この声明を大手新聞は全て無視した、沖縄の新聞2紙だけがきちんと記事にした、琉球新報2010年3月19日記事

県外識者340人 県内反対声明 普天間移設で訴え(琉球新報2010年3月19日)
 【東京】宇沢弘文東大名誉教授や宮本憲一大阪市立大名誉教授ら学者、知識人らが18日、千代田区参議院議員会館で会見し、「普天間基地移設計画についての日米両政府、国民に向けた声明」を発表した。声明は「鳩山政権と沖縄県民だけでなく、日本に住むすべての人々が真剣に考え、解決を模索すべき問題」と指摘し、辺野古を含む県内移設に反対を表明するとともに「本土の受け入れの可能性や国外移転を真剣に検討すべきだ」と呼び掛けた。
 18人が呼び掛け人となり、ノーベル文学賞作家の大江健三郎氏ら県外の有識者322人(18日現在)が賛同した。会見で遠藤誠治成蹊大教授らは「軍事的な従属への仕組みを今後も継続していく構図は許されず、見直し、脱却していく絶好のタイミングだ」と呼び掛けた。
 声明は、米軍普天間飛行場移設問題を本土の問題ととらえ、沖縄を除く本土の学者らが中心になり、賛同を募った。昨年末から始め、第1次分を集約したため、日米両政府の関係者に届ける。呼び掛け人によると、今後は県内を含め、英訳版も作成して世界規模で賛同者を募る。また、米国の知識人らを交え、今後の日米関係を探るシンポジウムも開催する計画という。

法政大シンポ「普天間いま日本の選択を考える」

1月18日前記声明を出した有識者によるシンポジウム「普天間―いま日本の選択を考える・日米安保と環境の視点から」
2010年3月20日 14時〜17時 主催:法政大学沖縄文化研究所
記録映像の視聴=http://www.youtube.com/user/article9joYouTubeでの9条の会)
発言者:岡本厚夫(岩波書店)=開会の挨拶、加賀乙彦(作家)、宇沢弘文(東大)=安保を破棄せよ、米はCIAで安保を守った、増田寿男(法政大)=日米安保を考え直すべきだ
講演1:桜井国俊(沖縄大)、講演2:佐藤学(沖縄国際大)、パネルディスカッション:遠藤誠治(成蹊大=司会)桜井国俊・佐藤学・宮本憲一・古関彰一(獨協大国際政治学)・明田川融(法政大)川瀬光義(京都府立大
発言要旨(講演&パネルディスカッション)

講演1:桜井国俊(沖縄大)=環境の見地から辺野古は無理だ
講演2:佐藤学(沖縄国際大)=米軍は抑止力になっていない、今の若い人はまったく深刻さを理解していない
古関彰一(国際政治)=かつては政府が安保を押し、国民とメディアはそれが必要か議論になった、いつのまにか日米同盟に言葉が変わりメディアがこれを絶対必要・基地は必須との意見になっている。しかし世界の例でも軍事条約に外国基地は普通はない、それは条約と不可分ではない。皆で議論し考え直す時期だ。
明田川融(政治学)=沖縄の基地は天皇共産主義への被害妄想から生まれている。長年存在する外国軍の基地という存在は他国の例に比べてもすごくいびつだ。日米協定でも国際的に比較し日本の地位はひどく低い、おかしい。
川瀬光義(経済学)=政府は沖縄県に対し意図的に基地に依存するように経済施策してきた、国の方針が国の補助からの離脱なのに沖縄だけがそれに頼る事が強化されている。基地支持派はそれを裏返して主張している。沖縄は補助金を拒否すべきだ。
桜井国俊=地位協定の問題を指摘、
古関彰一=日本の各地域で基地を受け入れるか世論調査をすれば、全ての日本の自治体で基地を拒否する。であれば基地をなくすしかない。基地なしで安全保障の方法を考えるしかない。そしてやはり我々は1990年代以降怒りを忘れているのではないか?政治に対し厳しく問いたださなければ改善はない。
佐藤学=若い人は騙されている、状況は酷いのを認識すべきだ。沖縄の負担軽減が発端なのにより大きな基地を作るという解答になっている。沖縄自治体は即座の米軍基地撤廃は困るのに拒否したのを真摯にとるべきだ。
宮本憲一=我々の1月18日の声明を本土の新聞は1行も書かず沖縄の新聞だけ書くが、これは沖縄の問題ではなく本土の問題だ。復帰前沖縄は植民地以下だったが、今日本全体が沖縄化(植民地化=米国のいいなり)しているのではないか?


遠藤誠治=まとめ:沖縄基地問題で政府がしている事は、本来国家全体の問題を周辺一部に押し付け、国民の多数にはこれでよいと言い、一部の人にだけ負担を押し付けている。外交問題ではなく日本としての問題だ。日米安保の必要性そのものに関する議論が必要だ。まとめると
 1:普天間基地は代替地如何にかかわらず撤去する必要がある
 2:新しい基地は建設すべきではない
 3:日本人全員が米軍基地を拒否している、代わりはアメリカが自分で探すべきだ
 4:日米地位協定は酷い、改定すべきだ
 5:冷戦期に結ばれた日米安保は見直すべきだ

参加者のシンポ報告=http://blog.goo.ne.jp/polyhedron-f/e/6729c0b081116f4c66a5e78b3e6f301d

9条の会シンポ「普天間問題のウラに隠された真実」

マスコミ9条の会シンポジウム「普天間問題のウラに隠された真実ー進行中の米軍グアム統合計画の意図を探る」
2010年3月20日・日本プレスセンタービル・午後1時・超満席
記録映像の視聴=http://www.youtube.com/user/article9joYouTubeでの9条の会)または=http://www.eizoudocument.com/(映像ドキュメント)
発言者=吉田健正(元沖縄タイムズ記者)、鳥越俊太郎(ジャーナリスト)、前田哲男(軍事ジャーナリスト)、
発言要旨

吉田健正=米軍は再編で海兵隊基地のグァム移転を計画している、なのに日本政府はまったくそれに触れない。普天間基地は本来必要ないのを日本政府がおきたがっている、基地は沖縄にないといけないという前提で動いている。どう考えてもおかしい。
鳥越俊太郎氏=冷戦は終った、日本人皆アメリカの基地を嫌っている、今こそ日米安保が必要かどうかを考え直すべきだ。
前田哲男=密約が明らかになりそれを考えると1960年安保は核も含め実は米軍に全面協力の安保だった。岸首相は憲法を改定し正面から日本の軍事国家化をするつもりが、国民の反対でできなかったので裏で密約を結んだ。今も国民は反対している、考え直す時期だ。

参加者のシンポ報告=http://mitamitsu.cocolog-nifty.com/sasurai/2010/03/9-11b0.html
新聞掲載=琉球新報など

シンポジウム(沖縄国際大)

2010年3月20日 主催:沖縄国際大
討論会=沖縄県選出の与党国会議員3人が各党の方針を説明。参加した市民からは「『最低でも県外』との公約を守って」との声が上がった。

雑誌「THE EARTH」対談・天木直人×植草一秀

雑誌「THE EARTH」討論・女性FM放送「StyleFM」での対談・2010年3月27日収録
ネット無料放送=http://www.768.jp/topicv.php?t=1&i=413
発言要旨(天木直人

この問題で社会党への支持が非常に小さく、国会に反米の勢力がなく安保の必要性が議論されていない。鳩山政権は当初は対等な外交を掲げたがどんどん対米従属になっている。日米同盟はアメリカの戦争に協力させるものであり、それが本当に必要なのか問い直すべきだ。

(参考書)

◆米海兵隊のグァムへの移転計画資料 解説:伊波洋一 宜野湾市HP 2010
◆沖縄の海兵隊はグァムへ行く:米軍のグアム統合計画 吉田健正 高文研 2010.2
◆砂上の同盟:米軍再編が明かすウソ 屋良朝博 沖縄タイムズ社 2009
◆米軍資料に基づく普天間問題の真実 解説:真喜志好一 真喜志好一氏HP「沖縄はもうだまされない」 2010
◇沖縄はもうだまされない:基地新設=SACO合意のからくりを撃つ / 真喜志好一 高文研, 2000

◆日米同盟の正体:迷走する安全保障 孫崎享 講談社現代新書 2009
◆基地をめぐる法と政治 沖縄国際大学公開講座委員会 2006
◇戦後日米関係と安全保障 / 我部政明. 吉川弘文館, 2007
◇米軍再編の政治学駐留米軍と海外基地のゆくえ ケント・E.カルダー 日本経済新聞出版社 2008
◇沖縄論:平和・環境・自治の島へ 宮本憲一他編 岩波書店 2010.1
◇戦地派遣:変わる自衛隊 半田滋 岩波新書 2009

有識者声明に賛同した方でメディアに露出する機会のある注目すべき人)

遠藤誠治(成蹊大学教授)◇政治学
古関彰一(獨協大学教授)◇政治学
宮本憲一(大阪市立大学滋賀大学名誉教授)◇政治学
山口二郎北海道大学教授)◆政治学
鈴木佑司(法政大学教授) ◇政治学
丸川哲史明治大学準教授)◇政治学
豊下楢彦関西学院大学教授)◆政治史

西谷修東京外国語大学教授)◇思想史
高橋哲哉東京大学教授)◆思想史
荒井献(東京大学名誉教授)◆キリスト教

川瀬光義(京都府立大学教授)◇経済学
金子勝慶應義塾大学教授)◆経済学
山内敏弘(龍谷大学教授)◇憲法

石田英敬東京大学教授)◆メディア論
服部孝章立教大学教授) ◆メディア論
☆田島泰彦(上智大学教授) ◆メディア論

小森陽一東京大学教授)◇文学
小谷真理(SF評論家) ◇文学
齋藤美奈子(文芸評論家)◇文学
内橋克人(評論家) ◇
佐高信(評論家) ◇

前田哲男(評論家)◆軍事ジャーナリズム
梶村太一郎(ジャーナリスト) 
斎藤貴男(ジャーナリスト) 

林博史関東学院大学教授)◆歴史学
和田春樹(東京大学名誉教授)◆歴史学

日隅一雄(弁護士) 
安田好弘(弁護士)