zames_makiのブログ

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The Hero of Liao-Yang (1904)日露戦争

制作:アメリカAmerican Mutoscope & Biograph社 アメリカ公開:22 September 1904 日本公開済 題名「遼陽の英雄→遼陽の兵士」 15分(2巻) 
…1904年に起きた日露戦争の遼陽占領を題材にして作られたアメリカ映画で、その年に公開された。アジアの小国日本が大国ロシアを破った事は、アメリカ人にとって驚きだった。この作品は日系アメリカ人や東洋人、アメリカ人などがキャスティングされ、日本家屋もある日本庭園他で撮影されている。フィルムの状態は良くない。
→インターネットで購買可能:http://doramakkusu.blog112.fc2.com/blog-entry-75.html

=映画史上最も初期の戦争映画?、史実に即した再現ドラマという点で後世の戦争映画と本質的な差はないと思われる。主人公は日本の自宅で家族と剣道をするなど日常的に暮らしている。ノートサイズの徴兵状を腰に挟んだ兵士がやってきて彼は徴兵状をうやうやしく受け取る。軍服に着替えた主人公は神社にぬかづいて礼をして出かける。戦地では藪に隠れていたロシア兵に襲われ戦うが撃たれて捕虜になり、即座に軍服を脱がされる。ロシア兵はテントで主人公を救護するが軍医に見放され埋葬される。しかし埋葬中、間に入った中国人が顔に板をかけて土をふせぎ、ロシア兵がいなくなると掘り出して日本の軍服を着せて助け出す。戦場をよろけつつ日本軍側に戻る主人公。
 演じているは日本人と思われる。固定カメラで各場面を撮影、日本での自宅や神社はかなり正確だが個々の仕草はおかしい。戦地での描写は兵士同士のみで戦場の状況はまったく不明。戦闘状況も不明であいまい、実際に即して描写した部分はないと思われるが着弾を表現する炸裂するたくさんの硝煙は激しい戦闘を示し派手な戦争映画と通じる。
 アメリカ人観客にとっては神社などの珍しい日本風俗を持つ主人公が戦争に行き、死にかけたが生きて帰ったという珍しいエピソードを映像で楽しんだ見世物的な物と考えるべきと思われる。同時期に日本公開されており日本での受容はいかばかりか?軍神橘中佐との関係は不明。