zames_makiのブログ

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女優須磨子の戀(1947)

(96分・35mm・白黒)
’47(松竹京都)松井須磨子(監)溝口健二(原)長田秀雄(脚)依田義賢(撮)三木滋人(美)本木勇(音)大澤壽人(出)山村聰、毛利菊江、東山千榮子、朝霧鏡子、東野英治郎岸輝子、小澤榮太郎、青山杉作、佐伯秀男
明治・大正期の新劇運動を率いた島村抱月への、運動草創期の大スター・松井須磨子の恋をテーマにした作品。当時の俳優学校や新劇運動、そして当時の舞台劇が細部にいたるまで再現され、絹代扮する田舎出身の娘が女優になるまでの成長をリアルに描いている。同じ題材で山田五十鈴主演の衣笠貞之助作品『女優』が競作となった。
=ひどい駄作。民主主義宣伝映画ではない。須磨子と島村の演劇にかける情熱と苦労の顛末が見世物。劇中の芝居場面の芝居くささ(別人演出)が、映画演出にも移動し、全体に台詞による説明だけ目立つうそ臭い映画となった。須磨子への父権制度、男尊女卑、階級的差別が顕著だがそれを問題視する視点はない。島村への愛もなくただドタバタな顛末が台詞で流される。山村のやたら教訓的口調、田中のおとなしさのみの地口が出てしまい、それが演出されていない。「女優」と比較せよ。


10/28(水) 1:00pm 11/6(金) 4:00pm 11/15(日) 11:00am