zames_makiのブログ

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眞晝の円舞曲(1949)

(109分・35mm・白黒)
’49(松竹大船)雨宮鶴代(監)吉村公三郎(脚)新藤兼人(撮)生方敏夫(美)浜田辰雄(音)吉沢博(出)若原雅夫、滝沢修井川邦子佐田啓二坪内美子、吉川満子、千田是也東野英治郎
明治十年代の鹿鳴館を舞台とする豪華キャスト作品。古びた洋館に住む死期も間近の鶴代が残したたった一つの「宝箱」をめぐって、周囲の人々が騒然とする。少女から老婆までを見事に演じた絹代だが、老婆役のために健康な歯を4本も抜いたという。
=戦後の廃墟の中にたつ貴族の館、それを継承する老婦人、金だけ目当てであつまる親族や関係者という戦後の感覚あふれるもの。しかし耄碌した老婦人のいう高価な指輪の存在ははじめからうそ臭く、格別な面白みはない。むしろ開かれる舞踏会で昔日の華やかな日々を観客は老婦人の視点で楽しむ訳で、むしろ反民主主義的志向をもつ。

43 10/30(金) 1:00pm 11/8(日) 2:00pm